三岔口(さんちゃこう)SanChaKou これからご覧いただくのは、「三岔口」、三叉(さんさ)路に面した宿屋で、真夜中、二人の男が死闘を繰り広げる、というお芝居です。 『楊家将演義』(「楊家の物語」)の一節。三叉路に面した場所にある宿屋の主人・劉利華(りゅうりか)は、焦賛(しょうさん)という名前の豪傑をかくまっていました。その宿屋に、偶然、焦賛の親友である任堂恵(じんどうけい)が泊まります。実は、任堂恵は焦賛を助けるために旅してきたのですが、宿屋の主人は、てっきり任堂恵が焦賛を殺しに来たのだと誤解します。夜更け、宿屋の主人は任堂恵の部屋に忍び込み、殺そうとします。二人は何も見えない闇のなかで戦います。最後に焦賛と宿屋の主人の妻が駆けつけて、みんなが実は仲間だったことがわかり、めでたく幕となります。 それでは、京劇の立ち回り物の代表作「三岔口」、どうぞお楽しみください。 |
清代の昇平署の絵図より。 昔の「三岔口」では、劉利華は同音の「瑠璃滑」とも表記される 悪役だった。 ![]() |