現在の敦煌は、中華人民共和国甘粛省の「県級市」で、甘粛省酒泉市の一部である。「河西回廊」の西端に位置し、甘粛省・青海省・新疆ウイグル自治区の3つの地域を結ぶ要衝である。 地図 https://ja.wikipedia.org/wiki/敦煌市 敦煌市の面積は3万1200平方キロメートルと広大だが(北海道の面積は8万3456平方キロ、岩手県は1万5278平方キロ)、人口は2020年11月1日現在で18万5231人にすぎない(東京都立川市の人口は18万4266人)。 敦煌市は観光産業に力を入れている。コロナ前は、人口19万ほどのこの都市に、年間900万人の観光客が訪れていた。 ・国家重点風景名勝区:鳴沙山、月牙泉 ・全国重点文物保護単位:莫高窟、玉門関、万里の長城ののろしの遺跡、など 参考記事 「観光を軸にインテリジェントな街づくりを目指すスマート敦煌」 2018.07.06 https://www.huawei.com/jp/publications/huawave/30/hw30_winners |
とんこう〔トンクワウ〕【敦煌/燉煌】
中国甘粛省北西部のオアシス都市。古来から西域との交通の要衝。南東郊外に敦煌石窟がある。トゥンホワン。
敦煌【とんこう】
中国,甘粛省北西部,党河のオアシスにある都市。別名は沙州。前2世紀,漢が西域経営のため敦煌郡を置いて以来,中国北西角の軍事・交通の要衝となる。南東の敦煌莫高窟(ばっこうくつ)には4―14世紀の壁画,彫塑などが残されている。南には鳴沙山,月牙泉があり,北西に玉門関,南西に陽関の遺跡がある。
敦煌莫高窟 とんこうばっこうくつ Dun-huang mo-gao-ku
中国,カンスー (甘粛) 省トンホワン (敦煌) 県のミンシャーシャン (鳴沙山) にある大石窟 (千仏洞) 。前秦,北魏,西魏,北周,隋,唐,五代,宋,元代に続営され,今日知られる石窟だけでも総数 490ヵ所以上に達している。 1907年イギリスの M.A.スタインが,1908年にはフランスの P.ペリオが数多くの古文書,絵画,工芸品を持ち帰り,石窟を紹介した。さらに,ロシア,アメリカ,日本の探検隊が相次いで訪れ,中国の陳方里,向達,張大千らも調査を行なったが,解放後は敦煌文物研究所が開設され,調査研究が進められている。石窟内に描かれた壁画は壁面に漆喰を塗り,その上に描いたもので,仏教経典の広範な内容を主題とし,西方様式と中国様式の共存が認められる。また,石窟内に安置された塑造の仏像にもインド様式の影響が顕著にみられ,西方の作風が敦煌を経由して中国にもたらされたことが,明確に示されている。これらの膨大な文書や絵画をもとに「敦煌学」と呼ばれる新たな研究分野が生まれた。 1987年世界遺産の文化遺産に登録。