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朝日カルチャーセンター千葉教室                   加藤 徹
平成二十五年七月二十六日(旧暦 六月十九日)
  今年の旧暦七月七日(七夕)は、新暦の8月13日。
  今年の旧暦九月九日(重陽の節句)は、10月13日。
【二十四節気】 ・・・「大暑」7月23日、「立秋」8月7日、「処暑」8月23日、「白露」9月7日、「秋分」9月23日、「寒露」10月8日、「霜降」10月23日、・・・
 
 
うつくしや障子の穴の天の川
   小林一茶(1763年〜1827年)『七番日記』文化十年(1813)七月の条。
 
 
「あまのがわ」の漢語名 = 天河、河漢、天漢、銀漢、銀河、・・・
 
   織姫惜別
                   直江兼続(1560〜1619)
二星何恨隔年逢  二星 何ぞ恨みん 隔年に逢ふを
今夜連床散鬱胸  今夜 床を連ねて 鬱胸を散ず
私語未終先洒涙  私語 未だ終はらざるに 先づ涙を洒ぐ
合歓枕下五更鐘  合歓 枕下 五更の鐘
 
※作者は戦国武将。
 ショクキ セキベツ。ニセイ ナンぞウラみん カクネンにアうを。コンヤ トコをツラねて ウッキョウをサンず。シゴ イマだオわらざるに マずナミダをソソぐ。ゴウカン チンカ ゴコウのカネ。
 
七夕                             
                                   加藤 徹
哀怨詩家所訴陳  哀怨は詩家の訴陳する所
銀河??鵲橋新  銀河 ??として 鵲橋 新たなり
未知夜夜?針意  未だ知らず 夜夜 針を?するの意
却憫寿張百忍人  却って憫れむ 寿張 百忍の人
 
※寿張百忍の人=唐の張公芸「九世同居」の故事
 アイエンはシカのソチンするトコロ。ギンガ、サイサンとしてジャッキョウ アラたなり。イマだシらず ヤヤ ハリをジンするのイ、カエってアワれむ ジュチョウ ヒャクニンのヒト。
                 李賀(791〜817)の漢詩「天上謡」の中の詩句
 
天河夜転ジテ ハス二 回星ヲ一
 
銀浦流雲学ブ二 水声ヲ一
 
 テンガ ヨル テンじて カイセイをタダヨわす。ギンポのリュウウン スイセイをマナぶ。
【原文】天上謡
 天河夜転漂回星、銀浦流雲学水声。玉宮桂樹花未落、仙妾採香垂珮纓。
 秦妃巻簾北?暁、?前植桐青鳳小。王子吹笙鵝管長、呼龍耕煙種瑤草。
 粉霞紅綬藕糸裙、青洲歩拾蘭?春。東指羲和能走馬、海塵新生石山下。
  天河 夜転じて 回星を漂はす、銀浦の流雲 水声を学ぶ。玉宮の桂樹、花未だ落ちず、仙妾、香を取り、珮纓を垂る。秦妃、簾を巻けば北?(窓)は暁け、?前の植桐に 青鳳 小なり。王子 笙を吹き、鵞管 長し。龍を呼び、煙を耕し、瑤草を種う。粉霞の紅綬、藕糸の裾、青洲を歩みて拾ふ 蘭?の春。東を指せば 義和 能く馬を走らせ、海塵 新たに生ず、石山の下。
 
 
  夢天   天を夢む
                            李賀
老兎寒蟾泣天色  老兎 寒蟾 天色に泣く
雲楼半開壁斜白  雲楼 半ば開き 壁 斜めに白し
玉輪軋露湿団光  玉輪 露に軋り 団光 湿ふ
鸞珮相逢桂香陌  鸞珮 相逢ふ 桂香の陌
黄塵清水三山下  黄塵 清水 三山の下
更変千年如走馬  更変 千年 走馬の如し
遥望斉州九点煙  遥かに望む 斉州 九点の煙
一泓海水杯中瀉  一泓の海水 杯中に瀉ぐ
 
  ※夢の中で月世界に立った作者が、「地球」をながめて情景を詠んだ詩。
 テンをユメむ。ロウト カンセン テンショクにナく。ウンロウ ナカばヒラき カベ ナナめにシロし。ギョクリン ツユにキシり ダンコウ ウルオう。ランパイ アイアう ケイコウのミチ。コウジン セイスイ サンザンのモト。コウヘン センネン ソウマのゴトし。ハルかにノゾむ セイシュウ キュウテンのケムリ。イチオウのカイスイ、ハイチュウにソソぐ。
   巴東三峡歌
                       無名氏(南北朝時代)
巴東三峡巫峡長  巴東の三峡 巫峡長し
猿鳴三声涙沾裳  猿鳴くこと三声 涙 裳を霑す
 
  ハトウのサンキョウ フキョウ ナガし
  サル ナくことサンセイ ナミダ ショウをウルオす
【日本漢字音】は とう さむ けふ ふ けふ ちゃう
       ゑん めい さむ せい るい てむ しゃう
 ha tou sam kep hu kep chau, wen mei sam sei rui tem shau
【現代中国語】バー ドン サン シア ウー シア チャン
       ユアン ミン サン ション レイ チャン シャン
   ba1 dong1 san1 xia2 wu1 xia2 chang2 , yuan2 ming2 san1 sheng1 lei4 zhan1 shang1  
 
            ?道元(466〜527)『水経注』巻三十四より
・・・常に高猿、長く嘯き、属引、凄異なる有り。空谷に響きを伝へ、哀転して久しくして絶ゆ。故に漁者歌ひて曰く「巴東の三峡 巫峡長し。猿鳴くこと三声 涙 裳を霑す」と。
【原文】・・・自三峽七百里中、両岸連山、略無闕処。重巖疊嶂、隠天蔽日、自非停午夜分、不見曦月。至于夏水襄陵、沿溯阻絶、或王命急宣、有時朝発白帝、暮到江陵、其間千二百里、雖乗奔御風、不以疾也。春冬之時、則素湍緑潭、迴清倒影、絶?多生怪柏、懸泉瀑布、飛?其間、清栄峻茂、良多趣味。?至晴初霜旦、林寒澗肅、常有高猿長嘯、属引淒異、空谷伝響、哀転久絶。故漁者歌曰「巴東三峽巫峽長、猿鳴三声涙沾裳」。
 
 
  早発白帝城  早に白帝城を発す
                      李白(701〜762)
朝辞白帝彩雲間  朝に辞す 白帝 彩雲の間
千里江陵一日還  千里の江陵 一日にして還る
両岸猿声啼不住  両岸の猿声 啼き住まざるに
軽舟已過万重山  軽舟 已に過ぐ 万重の山
 
 ツトにハクテイジョウをハッす。アシタにジす、ハクテイ、サイウンのカン。センリのコウリョウ、イチジツにしてカエる。リョウガンのエンセイ、ナいてヤまざるに、ケイシュウ、スデにスぐ、バンチョウのヤマ。