Design Literacy


日本の都市空間のデザインは、残念ながら先進国中最悪との烙印を押されています。
清潔であることや交通機関の時間の正確さなどでは間違いなく世界トップクラスの日本の都市が、なぜこれほどまでに美しくないのか?
その最も大きな原因は、「私権の強さ」であると考えられます。


美しいヨーロッパの町並みは見るものに感動を与えますが、それは一人ひとりの 住宅や商業施設のデザインに一定の制限(外壁に使用して良い材料、形態、色彩など)を設けているからにほかなりません。
日本では、都市計画や建築構造上の法規さえ守れば、自分の所有する家や店をどんなデザインにしようと、その個人の自由であると考えられているために、形も色も素材もバラバラという町並みが形成されてきました。

では、どうすれば日本の町並みも美しくなれるのでしょうか。

今更ながら個人の私権を制限することはとても難しいことのように思われます。


本研究室では、日本人のデザインリテラシー(デザインを見る眼)を高めることが、日本の人工的景観を美しくする一つの方策であると考えました。
その理解のために、町並みを形成する多様なデザインを分析し、そのルーツを明らかにするとともに、将来的にどのようなデザインを採用すべきか、その方向性を指し示していきたいと考えます。