Urban & Rural development in China


今や日本を抜いて世界第二位の経済大国となった中国は、急速な経済成長の陰で数多くの社会的な歪も見られます。
特に急激な都市化が進展した大・中規模都市の周辺では、かつての農村集落が都市に飲み込まれ、その環境を激変させています。
その多くは、低質なインフラと高密度な居住空間を特徴とする「城中村」と呼ばれる居住区を形成しており、その改善が大きな課題となっています。

さらに近年発動された「大移住政策」により、ほとんどの住人が移住して荒廃した農村集落も問題となっています。
単純に農民がいなくなって荒廃した農村集落もあれば、もとの農民が移住した後に開発業者が「のどかな農村住宅」として富裕層向けに再開発するケースなどもあります。
集落が残っても田畑が交配するなど、集落の生態系そのものの変化も予想されます。これらは今後の動向を注視すべき新たな問題と言えるでしょう。

これまで研究対象としてきた都市は、雲南省西双版納タイ族自治州の景洪市(1989年〜)、吉林省長春市(1995年〜)のほか、浙江省杭州市、四川省成都市、雲南省昆明市などです。
このような長期間の継続的研究は中国の大学にも例のないものとなっています。
中国からの留学生を中心として、今後の発展が期待される研究テーマでもあります。