明治大学 非営利・公共経営研究所

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研究の目的

■高齢者雇用やソーシャル・キャピタル形成の担い手となる社会的企業家(*)の人材育成モデルの提案

■社会的企業家育成と事業者ネットワーク形成のための課題の明確化

 本研究は、地域のさまざまな社会課題に取り組む非営利組織(以下、NPO)のリーダーを「社会的企業家」としてとらえ直し、それらによって運営されるNPO が高齢者の就業機会を創出し、地域における社会的つながりや信頼(ソーシャル・キャピタル)を形成する可能性に注目する視点から、社会的企業家タイプのリーダー(以下、社会的企業家)を育成し、そうした企業家同士のネットワークを構築していくための課題について実証的に研究し、高齢者雇用やソーシャル・キャピタル形成の担い手となる社会的企業家の人材育成モデルを提案することを目的としている。
 また、NPOが高齢者就業の受け皿となっていくためには、ボランティア志向を超えて事業を持続的に革新し拡大しうるような社会的企業家の育成と、情報・経験を共有しうる事業者ネットワークの形成が不可欠と考え、この仮説に基づいて先進事例を発掘し、社会的企業家育成と事業者ネットワーク形成のための課題を明らかにする。
 なお、自立した高齢者の取り組みに注目する観点から、当事者である高齢者自身が社会的企業家となりうる可能性にも焦点をあてる。

*「社会的企業家」とは、社会的目的の達成のために社会貢献的手法のみならずビジネス手法も用いて革新的に取り組むリーダーである。

研究の概要

■神奈川県域の高齢者就業の受け皿となる可能性のあるNPO・コミュニティビジネスに対する調査

 NPO やコミュニティビジネスが高齢者就業の受け皿として発展していくためには、事業を継続的に革新し拡大しうるような社会的企業家(*)タイプのリーダーの育成と事業者ネットワークの形成が不可欠である。このような問題意識に基づき、本研究ではNPO 活動の活発な神奈川県域における定量的・定性的調査を通じて、社会的企業家育成と事業者ネットワーク形成のための課題を明らかにする。
 研究方法としては、高齢者就業の受け皿となる可能性のあるNPO・コミュニティビジネスに対しアンケート調査(300 団体ほど)とヒアリング調査(20 団体ほど)を実施する。研究成果を広く公表し、社会的企業家育成モデルに関して提案を行うことで、神奈川県等の施策への成果還元と、他地域への波及効果が期待できる。

研究者紹介

代表研究者塚本 一郎明治大学経営学部教授
共同研究者西村 万里子明治学院大学法学部教授
中島 智人CAC-社会起業家ネットワーク代表
山口 郁子中央労働金庫総合企画部CSR企画次長
藤枝 香織特定非営利活動法人
まちづくり情報センターかながわ(アリスセンター)事務局長

研究報告

成果報告書.pdf(279KB)

2010年12月3日、ニッセイ財団主催「高齢社会ワークショップ」で研究報告を行いました。
ニッセイ財団 高齢社会助成でご覧になることができます。
HOME>NPOにおける高齢者の就業参加実態調査