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 教員

教員紹介

<研究略歴>
2005年、名古屋大学大学院生命農学研究科応用分子生命科学専攻博士課程修了後渡米。バージニア大学生物学部生物リズムセンター・博士研究員、カリフォルニア大学ロサンゼルス校精神医学部門・研究員として、Prof. Gene D. Block研究室にて哺乳類概日リズム発振神経機構に関する研究に従事。2010年に帰国し、帝京平成大学薬学部・講師を経て現職。研究テーマは、学生の頃より一貫して「哺乳類の概日リズム機構の解明」であり、哺乳類の生体リズムに対するステロイドホルモンや加齢の影響を分子レベルから探究している。
2008年UCLA Friends of the Semel Institute Research Fellow; 2012年日本時間生物学会 学術奨励賞を受賞。

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ご挨拶

スローガン

リズム機構

 生体リズムは、地球上のほとんどすべての生物が持つ生命現象であり、その学問分野である「時間生物学」では、バクテリアから植物、そしてヒトに至る様々な生物種で、様々なリズム現象を研究しています。すなわち、リズム現象は生命の基本現象であり大変重要な生命機能であるのです。その中でも本研究室では、哺乳類の約1日のリズム(概日リズム)を駆動する概日時計の本体についての研究を進めています。「なぜ、生物は正確に1日のリズムを刻むことができるのか?」、この疑問に答えるべく日々研究を行っています。

 一方で現代社会に目を向けると、環境汚染や地球規模での人口の増加に伴って、一部の地域では深刻な食糧不足に陥っています。日本でも輸入食品の高騰や魚類の漁獲制限などで食糧不足を実感する機会が増えましたが、すぐに日本が食料不足になるとお考えの方は少ないでしょう。しかし、50年後、100年後を考えれば日本も例外ではなくなる時がやってくるかもしれません。また、日本の喫緊の問題として、超高齢社会への対応が挙げられます。高齢者やその介護者の生活の質(quality of life; QOL)の向上が大きな社会問題となり、日本の将来に暗雲が立ち込める感があります。

 生体リズムの研究は、現在地球規模で起こっている食糧問題やQOLの向上に一役買うことができると私たちは考えています。例えば、食糧生産に対して、体内の食物代謝にもリズム(日内変動)が認められることから、同じ飼料でも給餌時刻を変えるだけで効率よく家畜や養殖魚を生産できる畜産・養殖技術が開発できるのです。また、高齢者の概日時計は、時を刻む能力が著しく低下していることから、毎日の日光浴や日中活発に過ごすことで、体のリズムを整え睡眠障害などのリスクを減らすこともできます。

 私たちは、皆が住みやすく永続的な地球を守るために生体リズムの研究を通して社会に貢献していきます。また、時間生物学は、学際的な学問でもあり私たちが活動する生命科学分野だけではなく、理学、工学、情報科学、環境学などのあらゆる分野の研究者が研究を行っています。今後は、様々な分野の方々との共同研究、産学連携などにも取り組んでいこうと考えています。ご興味のある方は、お気軽にご連絡いただければと思っております。



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