大阪・関西万博 クラゲ館ワークショップ
見て触って体験する立体錯視の世界
〜原理を知れば君にも作れる〜
Learn the Illusion Principles, and Challenge to Design Your Original Illusion Objects
明治大学先端数理科学インスティテュート
Meiji Institute for Advanced Study of Mathematical Sciences (MIMS)
2025年5月8日(木)午後
May 8 (Thursday), 2025
鏡に映すとあり得ない変わり方をするように見える立体錯視の中には、その原理が簡単なものもあります。原理を理解して、自分独自の錯視立体の創作に挑戦してみませんか。
Some of 3D illusions are created by simple principles. Understanding those principles, we can create our original illusion objects by paper crafting and origami, without emplying programming and numerical computation.
【原理1】
鏡に映すと左右が反転するように見える「左右反転立体錯視」は、垂直な軸に関して線対称な立体(その軸の周りで180度回転すると自分自身とぴったり重なる立体)から生まれます。
[Principle 1]
The left-right reversal Illusion is created by a 3D object that is line symmetric with respect to a vertical line.
【原理2】
鏡に正面を向けたものが、鏡に映っても振り向かない「平行移動錯視立体」は、鏡に平行な面に関して面対称な立体から生まれます。
[Principle 2]
The translation illusion is created by a 3D object that is plane symmetric with respect to a plane parallel to the mirror surface.
これらの対称性を満たすように立体を作れば、錯視を起こすことができます。この方針に従えば、プログラミングや数値計算の技術がなくても、紙工作や折り紙で錯視立体を作れます。以下は参考例です。
The following are examples of illusion objects created with paper.
-
紙製立体「振り向かないセミ」 Paper Cicada
鏡に向かって飛ぶセミが、鏡に映っても振り向かないで同じ向きのまま平行移動しています。
「振り向かないセミ」の工作用展開図はここ(Unfolded surface for paper crafting)
からダウンロードできます。
この展開図の例のように、「面対称な展開図を、面対称となるように折り曲げて立体を作る」という方針で、オリジナルな立体を作ることができます。
The object is plane symmetric with respect to a plane parallel to the mirror.
-
折り紙「振り向かないフェニックス」 Origami Phenix
鏡に向かって飛ぶフェニックスが、鏡に映っても振り向かないで同じ向きの飛んでいます。
「振り向かないフェニックス」の折り方はここ(Folding method)
からダウンロードできます。
折り紙の折り方の中には、途中まで面対称性が保たれるものがたくさんあります。その一つを選んで、面対称性が崩れる直前まで折り、そこから先は面対称性が守られるように試行錯誤で折り進んで、面白い姿が現れるかどうかを観察します。面白い姿が現われたら、それに名前をつければオリジナルな折り紙錯視立体の完成です。
Choose an origami folding process that keeps the symmetry in early stages, follow the process until the symmetry is broken, continue folding by try-and-error provided that the symmetry is kept until an interesting shape is finally obtained. Thus you can create your original illusion object.
-
紙製立体「左右反転トカゲ」 Paper Lizard
左を向いたトカゲが、鏡に映ると右を向きます。
「左右反転トカゲ」の工作用展開図はここ(Unfolded surface for paper crafting)
からダウンロードできます。
次の手順で試行錯誤してこの錯視立体を創作できました。生き物を上から見下ろした図と、それを180度回転させた図を重ねて、その平均の形を展開図にします。そして、対応する部分を同じ角度で折って、線対称な立体に仕上げます。それが望みの姿に見えてくれば成功です。
-
折り紙「すれ違うライオン」 Origami Lion
直接見たライオンは右に進んでいますが、鏡に映ったライオンは左に進んでいます。
「すれ違うライオン」の折り方はここ(Folding method)
からダウンロードできます。
折り紙の折り方の中には、途中まで線対称性が保たれるものがたくさんあります。その一つを選んで、線対称性が崩れる直前まで折り、そこから先は線対称性が守られるように試行錯誤で折り進んで、面白い姿が現れるかどうかを観察します。面白い姿が現われたら、それに名前をつければオリジナルな折り紙錯視立体の完成です。
関連リンク(Related Link)
杉原厚吉のHP(Kokichi Sugihra's HP)