アメリカ合衆国の「通信品位法改正法案」

(仮訳)

(1998/10/26改訂版)

翻訳:夏井高人


これは,アメリカ合衆国の通信品位の法一部改正法案[S.1482](通称CDAU)の仮訳です。誤訳もあるかもしれません。ご注意ください。
この仮訳は,
19987月23日上院通過時の法案の仮訳です。

この法案は,法律となりませんでした。しかし,内容的にほぼ同一の法案である,Child Online Protection Act が上院及び下院を通過し,大統領が署名して法律として成立しました。

なお,この法案のオリジナル・テキストは,

ftp://ftp.loc.gov/pub/thomas/c105/s1482.is.txt

で入手することができます。


105議会第1セッション

S. 1482

 

未成年者に有害なWorld Wide Web上のマテリアルの商業的配布の禁止を確立するための1934年通信法223条の改正その他の目的のための法案

 

SECTION 1. 未成年者に有害なWorld Wide Web上のマテリアルの商業的配布の禁止

(a) 禁  止

(1) 一般規定 - 1934年通信法(the Communications Act of 1934)の223条 (47 U.S.C. 223)は,次のとおり改正される。

(A) (e)項,(f)項,(g)項及び(h)項をそれぞれ(f)項,(g)項,(h)項及び(i)項と変更する。

(B) (d)項の後に次の新しい(e)項を挿入する。

「(e)

(1) 州際取引もしくは国際取引において,または, World Wide Webを介して,未成年者に有害なマテリアルの商業的配布の業務に従事する者は,17歳以下の者が当該マテリアルにアクセスすることを禁止しなければならない。

(2) (1)号に違反した者は,50,000ドル以下の罰金刑もしくは6月以下の拘禁刑,または,その両方の刑を科す。

(3) (2)号に基づく処罰に加え,故意に(1)号に違反した者は,各違反行為毎に50,000ドル以下の罰金刑を科す。 本号においては,違反行為は,各日毎に別の違反行為を構成する。

(4) (2)号及び(3)号に基づく処罰に加え,(1)号に違反した者は,各違反行為毎に50,000ドル以下の過料を課す。 本号においては,違反行為は,各日毎に別の違反行為を構成する。

(5) 本号に基づいて訴追を受けた被告人は,認証可能なクレジット・カード,キャッシュ・カードのアカウント(a verified credit card, debit account),アダルト・アクセス・コード(adult access code),アダルト個人識別番号(adult personal identification number)その他委員会が指定する手順を所定の方式に従って用いることによって,未成年者に有害なマテリアルに対し17歳以下の者がアクセスすることを禁止したこと,をもって抗弁とすることができる。

(6) 本号の規定は,委員会に対してWorld Wide Web上で提供される情報の内容のあり方を規制するための権限を付与するものとして解釈されてはならない。

(7) 本項においては,

(A) 「未成年者に有害なマテリアル」(material that is harmful to minorsという用語は,

(i) 全体として,そして,未成年者に関連して,裸体(nudity),性(sex)もしくは排泄(excretion)に関する好色な好奇心(a prurient interest)に訴えるものであり,

(ii) 未成年者について適用すべきことに公然と違反するやり方で,現実のもしくはシミュレートされた性行為もしくは性的接触(an actual or simulated sexual act or sexual contact),現実のもしくはシミュレートされた正常もしくは倒錯した性行為(actual or simulated normal or perverted sexual acts),または,生殖器のみだらな展示(a lewd exhibition of the genitals)を描画(depicts),表現(describes)または表示(represents)するものであり,かつ,

(iii) 深い文学的,芸術的,政治的もしくは科学的な価値を欠く

ような,通信,写真,イメージ,グラフィック・イメージ・ファイル,論文,レコード,読み物その他のものを意味する。

(B) 「性行為」(sexual act及び「性的接触」(sexual contactという用語は,合衆国法典(United States Code)タイトル18の2246条に規定する当該用語の意味と同じ意味を有する。

(2) 付随的改正 - 改正後の同条(g)項は, 「(e)項もしくは(f)項」を削除し, 「(f)項もしくは(g)項」を挿入して改正される。

(b) 未成年者に有害なマテリアルの定義のインターネットへの適用

司法省(the Department of Justice)のインターネット上のWebサイトについて,司法長官(The Attorney General)は,そして,連邦通信委員会(the Federal Communications Commission)のインターネット上のWebサイトについて,連邦通信委員会は,本法(a)項による改正後の1934年通信法223条(e)項に基づく「未成年者に有害なマテリアル」という用語の意味を公衆に周知するために必要な情報をこれらのWebサイトでポストし,その他の方法で利用できるようにしなければならない。

 


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最終更新日:Oct/26/1998

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