ICTメディア編集U 2025年9月26日
ディジタル画像の基礎技術2:データ伝送,データ圧縮
ディジタルデータ伝送
ディジタル化された情報は,記憶,コピー,伝送が可能であり,通信においては,雑音に強いと言う特性を持つ.
伝送速度:単位 bps (bit/秒:1秒あたり,何ビットの情報を伝送できるか.ビットを用いていることに注意)
最近はブロードバンド:1Mbps以上,8Mbps,100Mbpsなどもある.ちなみにiモードなどは,上り9600bps,下り28.8Kbpsである.ADSLなども上り下り(情報の方向)で通信伝送速度が異なる.
1Mbyteのデータを伝送
28.8Kbpsの場合:(1×1024×1024)/(28800/8)=291秒、(約5分)
1Mbpsの場合: 1/(1/8)=8秒
インターネットの実効レート:100Kbps(通信回線の混み具合で実際の伝送速度が変わる)
アクセスから10秒以内にページを表示:100×10/8 = 125Kbytes
画像、htmlテキストも125Kbytesで収めなければならない
音楽CD:90Kbytes/s(720bps)
テレビ:約60Mbps
データ圧縮
ディジタル化された情報は,記憶,コピー,伝送が可能であると述べたが,記憶媒体,通信媒体にも容量や伝送速度の制約や限界がある.
そこで,ディジタル化された情報の容量を小さくする技術が様々に研究開発されてきている.それが,ファイルの容量,伝送容量などにおける大きな容量を小さい容量に変換することで,圧縮と呼ばれる.
圧縮したものを基の状態に戻す操作を解凍と呼ぶ.
様々な圧縮方法があるが,情報によっては向き不向きがある.
例)数値の連続数を付けて表現
元のデータ :88888777666655544:17桁, 123456789 :9桁
圧縮 :8573645342 :10桁,
112131415161718191 :18桁
様々な圧縮技術が,日夜開発されている。
画像においては,そのファイル形式によって,圧縮して記憶するものもある.
圧縮と可逆
文章や図形データ(文字や記号など):解凍したときにすべてが元に戻らなければならない.可逆ではなればならない
画像データ(写真映像など):可逆でなくても可,画像は情報量が多いため,多少の犠牲を払うこともある.
静止画像のファイル形式
GIF形式(*.gif):256色,図形や文字の画像(色の境目がはっきりしたもの)に適する
JPEG形式(*.jpg):フルカラー1670万色,写真などの色の境目がはっきりしていないものに適する
2つの圧縮方式がある(可逆符号方式,非可逆方式:圧縮率が高い(1/10に圧縮しても人間は判らない)
PNG形式(*.png):GIF形式のライセンス問題回避のためのほぼ同じ特徴を持つ形式
ディジタル画像の容量変更
ディジタル画像は,2次元の平面上にある点の集まりにおける,それぞれの点に数値情報を入れたものが記憶されているというのが,基本的な考え方である.このことからも,データ容量が多量となることは,必至であり,これにより如何に少なくするかが問題となる.
ディジタル画像の容量を左右するのは,以下の3つである.
1)画像における縦横の点の数(サイズ)とそれを表現する実際の長さ
いくつの点で画像ができているかとそれをどれくらいの長さに投影や印刷するかによって,画像の質が変わってくる.
これは縦横の画素(ピクセル)数と解像度:dpi(1インチ:2.54cmあたりのピクセル数)の関係で知ることができる.
例)縦254ピクセル,横254ピクセルの画像が254dpiであった場合には,1cmあたり100個の点で画像の大きさは,2.54x2.54cmとなるが,127dpiであった場合には,1cmあたり50個の点で画像の大きさは,5.8x5.8cmとなる
このことから,画像の容量を小さく変更するには,サイズや解像度を小さくすれば良いことになるが,程度によって画像に荒さが生じ,画質が悪くなっていく.
2)画像の階調度
画像の明るさや色の段階数によって,画像の濃淡や色の表現具合が異なってくる.
これは,階調度,色数:bit数もしくは段階数で知ることができる.
例)一般的なグレー画像の場合:8bit(256段階の濃淡),フルカラーの場合:RGB3色x8bitで計24bit(1670万色)
このことから,画像の容量を小さく変更するには,解像度,色数を減らせば良いことになるが,程度によって画像の濃淡や色の表現が単調となって,画質が悪くなっていく.
3)ファイル形式上の圧縮率
JPEG形式などでは,画像を保存するときに圧縮率を変更することができる.しかし,程度によって不可逆圧縮であるため,元の画質に戻らずに,ブロックノイズが生じ,画質が低下することもある.
これは,ファイル保存時の圧縮率の設定などで調整が可能である.
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