「ぼかし
次に画像を「ぼかし」てみましょう。「シャープ化」同様にフィルタ行列を用います。
ここもはじめは一次元の配列で考えてみます。
2
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3
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2
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除数・・7
上図のようなフィルタ行列を考えてみましょう。これを用いて下図のような配列を処理してみます。
ここで「除数」とは,フィルタ行列の計算に含まれるピクセルの輝度値の和を割る値です。
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f[i-3] |
f[i-2] |
f[i-1] |
f[i] |
f[i+1] |
f[i+2] |
f[i+3] |
f[i+4] |
..... |
.....
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100
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100
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98
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90
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60
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52
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50
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50
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.....
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すると
90×3=270
60×2=120
以下同様に,すべての配列について計算すると
..... |
f[i-3] |
f[i-2] |
f[i-1] |
f[i] |
f[i +1] |
f[i+2] |
f[i+3] |
f[i+4] |
..... |
.....
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100
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99
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96
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83
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66
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53
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50
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50
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.....
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上記の処理をすることによって元の曲線より,よりなだらかな曲線が得られます。
これが,ぼかしの原理です。上記の例からもわかるように、ピクセルのカラーの値(あるいは明るさの値、輝度値)の変化が大きい部分がなだらかに変化していることがわかります。
【実 習】
では実際に下の画像をぼかしてみましょう。
(risu6.jpg)
上の画像をコンピュータに取り込んでみてください。
ぼかしのフィルタ例
ぼかしのフィルタも様々なものが考えられ、またその効果も様々です。例として以下のような2つの2次元のフィルタを考えてみます。
フィルタ行列の下にある「除数」とは,フィルタ行列の計算に含まれるピクセルの輝度値の和を割る値です。 (除算)
「バイアス」とは,除数を用いた割り算の計算結果に加える値です。
(A)と(B)を比べて見てください。(B)の方が強くぼかしがかかっているのが わかると思います。
これはフィルタ行列に秘密があります。(A)は3×3,(B)は,5×5の行列になっています。
つまり、行列の要素の数が多いほど各ピクセルの色が広く配分されるため大きな効果が得られることになります。
行列の係数の和で割るのは、画像全体の輝度を変えないためです。
[係数の和/除数]が1以上の場合は輝度が増してしまいます。もちろん,そういう効果をねらう時はそれでかまいません。
ぼかし(A)
0
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0
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0
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0
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0
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2
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2
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2
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0
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0
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2
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3
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0
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0
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2
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2
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2
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0
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0
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0
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0
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0
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0
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除数 [19]
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バイアス [0]
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ぼかし(B)
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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3
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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2
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除数[51]
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バイアス[0]
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