ICTメディア編集1 2025年5月25日 「画像処理:フィルタ処理」 p.2
「フィルタ処理の原理と流れ」:
フィルタ処理は,数列の計算が行われることもあり,数列自体を学んだことのない方には,非常にわかりづらいかと思います.
そこでもう一度,フィルタ処理の原理と流れを簡単な例を図示しながら説明していきます.
まず,フィルタ処理前の基となる画像として以下のようなピクセル値の画像を例として,フィルタ処理によってどのようにピクセル値が変化していくのかを順を追ってみていきましょう.
フィルタ処理前の画像のピクセル値
各格子の数値は画像の明るさの値とする.これは,左と右とで明るさが3つ変化しているという特徴をもった画像です.
フィルタ行列(3x3):フィルタは後で説明するシャープ化のフィルタです.
上記の基となる画像に対するフィルタ行列処理の流れを以下に図示します.
1.まず,基の画像の端にフィルタ行列をあて,一致する位置の格子中の数値をかけ算します.
この例では左上から順に処理していく.
2.かけ算した行列を加算し1つの値を出します.
3.その値をフィルタ行列の中心の値として新たな画像行列を作成します.このとき周囲のピクセル値は,このフィルタ行列から計算できないので,そのままの値が入ります.
4.次にまた基の画像にフィルタ行列を1つづらして,フィルタをあて,かけ算をします.
5.かけ算した行列を加算し1つの値を出します.
6.その値をフィルタ行列の中心の値として,先ほどの3.で作成したで新たな画像行列に値を書き込んでいきます.
7.次にまた基の画像にフィルタ行列を1つづらしてあてて,かけ算をします.
8.かけ算した行列を加算し1つの値を出します.
9.その値をフィルタ行列の中心の値として,先ほどの6.で書き込みした新たな画像行列に値を書き込んでいきます.
10.上記のように順番に1つずつフィルタ行列をずらして計算していくと最後に下のような画像が新たにできあがります.
基の画像は,左と右とで明るさが3つ変化している画像でありましたが,新たにできた画像は,シャープ化のフィルタ行列によって,3つ変化していた明るさの部分が強調されて,9つの変化になっていることがわかります.
さらに,その左右との差も変化が上下しており,明るさの変化を強調した画像へと変化したことがわかると思います.
次にどんなフィルタ行列が,どのような効果を生み出すのかについて,シャープ化のフィルタから順番に説明していきます.
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