シェル・空間構造研究室

研究テーマ:円筒ラチスシェルの振動実験

研究の背景

空間構造物は災害時に避難場所や救援施設として使用されるため,十分な耐震性能が求められる。

これに対し,振動実験により空間構造物の実大構造物を対象とした自由振動特性や地震応答性状の分析が行われている。空間構造物に適用可能な応答低減機構の1つとしてTMD (Tuned Mass Damper) が挙げられる。TMD は,構造物の1 ~ 3% の質量で制振効果を得ることができる。また,TMD は1つの支点で設置可能であるため,設置の自由度が高く,形状が複雑な振動モードが励起される空間構造物に適した制振装置と考えられる。数値解析による空間構造物にTMD を設置した場合の応答低減効果を扱う研究はかず多く行われている。
一方で,TMD を用いた研究は数値解析によるものだけでなく,振動実験においても行われている。しかし,空間構造物に関しては,ほとんどの文献が逆対称1 波モードが卓越するアーチを対象としており,複数のモードが卓越するラチスシェルを対象にTMD の振動実験を行っている研究は見当たらない。

研究目的

そこで本研究では,屋根型円筒ラチスシェルの縮小模型を対象として,複数のモードに対して多重 TMD を設置した場合の地震応答低減効果を振動台実験により分析する。実験では,多重 TMD は最適条件式に基づいて設計し,構造 物の複数のモードを同時に制御することを試みる。

対象構造物

本研究の対象構造は,屋根型円筒ラチスシェルです。

振動実験モデルの写真

▲ 実験で使用した屋根型円筒ラチスシェル模型

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