伝熱工学は,温度差の結果として物体間に起こるエネルギー移動を取り扱う科学です。
エネルギーの移動といっても,具体的には思いつかないと思います。
伝熱現象の関わるいくつかの具体的なシーンとしては,
・使っていると熱くなるスマホ
・自動車(炎天下の車内温度,エンジンの冷却)
・料理(焼く・煮る・冷凍・冷蔵)
・家(省エネ住宅,暖房・冷房)
など,機械に限らず身の回りで起こっていることがわかります。
伝熱工学がどのような場面で役立つのか,理解できましたでしょうか。伝熱工学では,”もの”を効率よく温めたり冷やしたしする方法を学びます。
今回は,履修するしないに関わらず,全員に覚えてもらいたいことを説明します。
エネルギーは,高いところから低いところへ向かって,つまり,温度の高いところから低いところへ伝わります。
熱エネルギーの単位は,J(ジュール)ですから,毎秒どれくらいのエネルギーが伝わったかは,J/s=W(ワット)となり,これが伝熱量です。
また,単位面積あたりの伝熱量を熱流束(heat flux) W/m2と呼びます。
これは,電気が電圧の高いところから低い所へ,
水が高さの高いところから低いところへ
向かって流れていく場合とよく似ており,同じ移動現象です。
熱エネルギーの場合,水や電気と違い,移動の仕方に三種類あります。
最初の例で見たような場面では,三種類の形態が組み合わさり熱エネルギーが移動しています。
では,ここで太陽から届いた熱エネルギーで,自動車の室内の温度が高温になる仕組みを,考えてみましょう。
下図の様な絵を描いて,太陽から車内にどの伝熱形態で熱エネルギーが伝わっているかを図示して下さい。
2024.04.25 更新