機械工学実験2 実験G(2020年度 春学期)
二次元定常熱伝導
次に,二次元非定常熱伝導問題を考えよう。
図2に示したように,たて・よこL (厚さ方向は考えない)の板が一様な温度20℃に保たれている。
この板の表面上の一点を時刻t = 0で急に温度0℃まで冷却する。
このとき,板内の非定常温度分布を求めたい。
このような二次元非定常熱伝導現象を表す式は,次式で与えられる。
(21)
二次元になると,x 方向を i ,y 方向を j を用いて表すと,基準となる格子点とその回りの点の温度は,次の表のように表記する。
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Ti, j+1 |
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Ti-1, j |
Ti, j |
Ti+1, j |
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Ti, j-1 |
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この表のイメージをエクセルを用いて具体的に解いてみよう。
- 定数の設定
各定数を,それぞれ,セルB1からセルB4に入力する。
- 初期条件の設定
セルD4に時刻の初期値(0)を入力する。
初期温度(20)を,セルD5からセルO16(12×12セル)に入力する。
内側の10×10セルを,「外枠太罫線」で囲み,「条件付き書式」を設定する。
- 計算の準備
D列からO列をコピーし,Q列からAB列に貼り付ける。
- 計算式の設定
セルQ4に =D4+B2 を入力する。
セルR6に差分化した式を入力し,この式をコピーしてセルR6からセルAA15まで形式を選択して貼り付けで数式を貼り付ける。
=$B$4*(D6+F6+E5+E7-4*E6)+E6
- 境界条件の設定
セルQ5からAB16に,境界条件を設定する。例えば,セルV10,V11,W10,W11に(0)を設定する。
- 繰り返し
Q列からAB列を選択してコピーし,D列からO列へ,形式を選択して貼り付けで値を貼り付ける。
以降,この作業を繰り返すことにより,時刻を進めていくことができる。
実験課題
- 一次元非定常熱伝導の差分近似を参考に,式(21)を差分近似しなさい。
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