最初に取り組んだ陽解法の問題点を解消するために,陰解法を紹介する。
陽解法では現在の値から未来を予測したが,陰解法では未来のまわりの値から未来の値を予測する。
最初のページの式(8)(9)は,それぞれ陰解法の場合,次の様になる。
この式は,知りたい温度 Tin+1 を,両隣の温度 Ti+1n+1, Ti-1n+1 で表現できることを示しており,格子点における温度を表にすると,次の表のようなイメージとなる
・・・ | i-1 | i | i+1 | ・・・ | |
---|---|---|---|---|---|
0 | T0 | T0 | T0 | ||
・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ | ・・・ |
n | Tin | ||||
n+1 | Ti-1n+1 | Tin+1 | Ti+1n+1 |
陽解法のシートをコピーして,この式をエクセルで計算してみよう。
エクセルには,循環参照を解消するための反復計算の機能が備わっている。 反復計算の設定は,OS(WindowsかMACか)による。
【ファイル】タブから【オプション】を選択し,Excelのオプションダイアログを開き,【数式】の計算方法の設定を【自動】を選択し,【反復計算を行う】にチェックを入れる。
メニューバー(画面一番上のバー)の【Excel】から【環境設定】を選択し,Excel環境設定ダイアログを開く。 【数式とリスト】の【計算】から計算方法の設定を【自動】を選択し,【反復計算を使う】にチェックを入れる。
ダイアログをとじると,反復計算が自動的に実行され解が求まる。 反復計算を通常は実行しない様に,確認が終わったらチェックを外しておこう。
陰解法で計算を行い,陽解法で不安定になり解が求まらなかった様な場合に,どうなるか確認する。
2020.07.15 更新