機械工学実験2 実験G(2020年度 春学期)

一次元非定常熱伝導(陽解法)

最初のページの式(9)を,各時刻・格子点における温度を表にすると,次の表のようなイメージとなる

・・・ i-1 i i+1 ・・・
0 T0 T0 T0
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
n Ti-1n Tin Ti+1n
n+1 Tin+1

この表のイメージをエクセルを用いて具体的に解いてみよう。

  1. 定数の設定
    各定数を,それぞれ,セルB1からセルB4に入力する。
  2. 座標の設定
    座標原点(0)を,セルE6に入力する。セルB6からセルH6に,原点と格子間隔を利用して座標を入力する。
  3. 初期条件の設定
    初期温度(20)を,セルB7からセルH7に入力する。
  4. 境界条件の設定
    時刻0における両壁面の温度(0)を,セルB8, H8に入力する。
  5. 計算
    セルC8に差分化した式(9)を入力し,この式をセルD8からセルG8までコピーする。
    =$B$4*(B7+D7)+(1-2*$B$4)*C7
    ($の記号は,絶対参照)
  6. 繰り返し
    セルB8からセルH8を選択してコピーし,セルB9からセルH9へペーストする。
    以降,この作業を繰り返すことにより,時刻を進めていくことができる。
  7. グラフ作成
    セルA6からセルH12を選択し,折れ線グラフを挿入する。
Fig3

実験課題

ここで紹介した,現在の値から未来の値を推察する陽解法では,Cx の値が0.5以上になると不安定になり解が求まらない。
各定数(熱拡散率,時間間隔,格子間隔)を変更し,それぞれどうなると計算が不安定になるか確認する。

主な物質の300 K における熱拡散率
熱拡散率 m2/s
気体 空気 2.207×10-5
二酸化炭素 1.082×10-5
液体 1.466×10-7
エタノール 0.864×10-7
固体 11.7×10-5
アルミニウム 9.68×10-5
2.27×10-5
アクリル樹脂 0.012×10-5
ソーダガラス 0.047×10-5

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2020.06.23 更新