第4回 変数 (5/7)


今週の内容

プログラムの重要な要素の一つ,変数 について学習しよう.


変数 (箱)

プログラムで,数値や文字を格納する場所のことを 変数 と呼ぶ.

変数 を使うためには,どのような  の変数を,何という 名前 で使うのか 宣言 する.


例:

#include <stdio.h>
void main()
{
    int a;
    a = 10;
    printf("変数の値は%dです\n", a);
}

このプログラムを,一行ずつ見てみよう.

int a;

   整数型 を格納する変数を用意し,a  という 名前 を付ける と宣言しています.

a = 10;

   用意した変数に数字を 代入 しています.

printf("変数の値は%dです\n", a);

   変数の値を画面に表示しています.%d には,変数 a の値 が入ります.


型 (箱の大きさ)

変数の扱える数の大きさを  とよび,大きく分けて,整数型 と 浮動小数点型 があります.

種類 名前 サイズ 範囲
整数型 int システムにより異なる
unsigned int
short 2バイト -32768〜32767
unsigned short 2バイト 0〜65535
long 4バイト -2147483648〜2147483647
unsigned long 4バイト 0〜4294967295
浮動小数点型 float 4バイト -3.4E38〜3.4E38
double 8バイト -1.7E308〜1.7E308

どのような数値を扱うかをあらかじめ予想し,適した型を使います.


名前 (箱の名前)

変数には,人間にわかりやすいように名前を付けます.ただし,名前の付け方にはルールがあります.

 変数名に使えるのは,英字・数字・アンダーバー(_)です.

 数字で始めることはできません.

 大文字・小文字は区別されます.

 C言語が予約している,予約語(第2回参照)は使えません.

よい例 悪い例
a 12a
abc return
ab_c ab-c

    コンピュータの内部では,名前を数字(アドレス(番地))に置き換えて,実行します.


代入

変数に値を記憶させることを 代入 とよび,記号 = で示します.

   変数 = 値;

これは,変数に値を代入する という意味で,数学の 等号 とは異なり,一方通行です.

   × 値 = 変数;

従って,上のようなことはできません.


printf()関数による変数の値の出力

 

変数の値を出力するためには,先週練習したprintf()関数を用います.


演習

変数を二つ用いて,それぞれに,10 と 12.3 を代入し,画面に

a = 10

b = 12.3

と出力される様にする.

ヒント:

 出力の桁数を指定するには...

整数 %(桁数)d %3d
123
%0(桁数)d %04d
0123
実数 %(整数部桁数).(小数部桁数)f %2.1f
12.3