明治大学理工学部物理学科 Department of Phisics, Meiji University

特色ある研究

地球・惑星大気物理研究室

光で地球・惑星の大気現象を解明

鈴木 秀彦 准教授
鈴木 秀彦 准教授
2005年 明治大学物理学科卒
2007年11月--
2009年3月
第49次日本南極地域観測隊
越冬隊参加
2010年 総合研究大学院大学複合科学研究科
極域科学専攻 博士(理学)取得
2010年-2012年 国立極地研究所 特任研究員
2012年-2014年 立教大学理学部 助教
2013年11月--
2014年3月
第55次日本南極地域観測隊夏隊参加
2014年-2018年 明治大学理工学部物理学科専任講師
2018年- 明治大学理工学部物理学科専任准教授
現在に至る
鈴木 秀彦 准教授
北海道で実施したライダー実験の様子

地上からの光学的手法(高感度カメラ、分光器、ライダーなどなど)を用いた地球・惑星大気の研究を行っています。研究キーワードは大気光、オーロラ、夜光雲などで、大気の発光現象を主な研究対象にしています。これまで南極昭和基地で稼働中のライダーシステム(レーザーを用いたレーダー)や大気光用分光計などの開発に携わってきました。観測対象の例として高度85km付近の上部中間圏と呼ばれる領域で、大気が極低温(~140K以下)になると発生する極中間圏雲(PMC: Polar Mesospheric Cloud)という現象があります。この雲は、中間圏界面領域の温度が、極低温(大体140K)になると発生する地球で最も高々度な雲として知られています。最近では、この雲を観測するために第55次日本南極地域観測隊の夏隊員として南極昭和基地まで行き、ライダーによるPMC観測を成功させました。その他にもオーロラや雲の動き、大気光が照らし出す大気の複雑な挙動など、地球大気には未解明問題がたくさんあります。それらを、光を使って遠くの物理を知る「リモートセンシング技術」で解明していきたいと考えています。

Q: 雲を観測すると何がわかるのですか?
A: 雲の形状はその発生メカニズムによって様々な姿を見せます。それは逆に言うと、雲の形状や動きの観測から、直接手に届かない上空大気の運動状態を読み取ることができる可能性を秘めていることを意味します。地上から、それらの形状や動きを精密にモニターすることで、大気乱流の3次元構造などを定量化することが可能と考えています。

現在の研究内容

(1)地上光学観測による雲の形状に関する研究
(2)都市部における市街光や昼間光などを排除した大気光観測手法の開発
(3)北海道における低緯度オーロラ・夜光雲の研究
(4)地上光学観測による惑星大気物理の研究
(5)小惑星探査機はやぶさ2搭載分光カメラの開発