特色ある研究
ミクロとマクロをつなぐ

奥山 倫 助教 | |
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2013年 | 博士(理学)(慶應義塾大学) |
2013年-2014年 | 日本学術振興会特別研究員PD |
2014年-2016年 | 東北大学 理学研究科 研究支援者(博士研究員) |
2016年-2018年 | 慶應義塾大学 理工学部 特任助教 |
2018年- | 明治大学 理工学部 助教 |

カーボンナノチューブ(炭素原子1層からなる筒状のデバイス)
の電子状態は、「有効磁場」のトポロジー(幾何学的性質)
によって理解できる
身の回りのマクロ(巨視的)な物体は、 高等学校で学ぶ古典力学で記述されます。 一方、原子や電子などのミクロ(微視的)な物体は、 量子力学によって支配されています。 私たちにとってなじみ深い古典力学の世界は、 ひとたび量子力学を学ぶと、摩訶不思議なものに見えてきます。 マクロな物体はミクロな物体が無数に集まって形成されている以上、 原理的には量子力学によって理解できるはずです。 ところが、量子力学が提示する世界観は、 古典力学のそれとはかけ離れたものなのです。
当研究室では、微細加工によって作成したメゾスコピック (ミクロとマクロの中間領域) スケールの半導体デバイスを、 数学と計算機を使って理論的に研究しています。 ミクロな量子力学の世界と、 マクロな古典力学の世界を橋渡しする新しい理論の構築を目指しています。
Q:
なぜ半導体デバイスを研究するのですか?
A:
従来、量子力学は自然界に存在する物質を対象に研究が進められてきました。
しかし近年では、人為的に便利な性質を付加できる
ナノスケールの半導体デバイスが自在に作成できるようになりつつあります。
こうした、いわば「量子力学の箱庭」である半導体デバイスの特性を活用することで、
現代物理学の未解決問題のひとつである、
ミクロとマクロをつなぐ謎に挑戦したいと考えています。
現在の研究内容
(1)半導体デバイスの電子状態(2)半導体デバイスにおける電子とボソン(格子振動、光)の相互作用
(3)半導体デバイスの非平衡ダイナミクス