特色ある研究
ブラックホールの謎に挑む

小笠原 康太 助教 | |
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2014年 | 立教大学 理学部 物理学科 卒業 |
2016年 | 立教大学大学院 理学研究科 物理学専攻 博士前期課程 修了 |
2018年 - 2019年 | 日本学術振興会特別研究員 (DC2) |
2019年 | 立教大学大学院 理学研究科 物理学専攻 博士後期課程 修了 博士 (理学) 取得 |
2019年 - 2023年 | 日本学術振興会特別研究員 (PD) 京都大学大学院 理学研究科 |
2020年 - 2022年 | 舞鶴工業高等専門学校 非常勤講師 |
2023年 - | 明治大学 理工学部 物理学科 助教 |

最大拡張したSchwarzschild時空のPenrose図.
ブラックホールは一般相対性理論が予言するコンパクト・大質量で,光さえも逃げ出すことができない強重力場をもつ時空領域です.その境界は「事象の地平面 (event horizon)」とよばれ,多様で魅力的な物理現象を引き起こす舞台として,長年活発な研究対象とされてきました.2016年に連星ブラックホール起源の重力波の直接検出が発表され,その後2019年には電磁波観測によってブラックホールが作る影(ブラックホールシャドウ)の初撮像に成功しました.
最近私はブラックホール近傍における高エネルギー現象とその観測可能性に関する研究を行ってきました.ブラックホール周辺は地上では到達不可能な高エネルギー現象の宝庫ですが,依然としてその加速メカニズムなど未解決な問題が山積みです.理論的・数理的視点から,重力という基本的な力のより深い理解と,ブラックホールの未解決問題解明への糸口を探ろうと,日々研究を行っています.
Q:
一般相対性理論とは?
A:
一般相対性理論は,地球や太陽系の重力場はもちろんのこと,宇宙の発展を記述する方程式を与え,中性子星やブラックホールといった強重力場も記述します.ザックリ言えば,宇宙に関連するほとんどの現象に関連する重力の標準理論です.
また,タイムマシンやワームホール(どこでもドア)といったSFチックな対象を物理学として扱うことを可能にします.
現在の研究内容
(1)ブラックホール近傍の観測可能性(2)ブラックホールからのエネルギー引き抜き過程とそのバックリアクション
(3)高次元ブラックホール