特色ある研究
生物物理第一研究室
化学物理の理論を駆使した分子シミュレーションを用いてタンパク質の機能解明を目指す
光武 亜代理 准教授 | |
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1999年 | 博士(理学)(総合研究大学院大学) |
1998.4-1999.9 | 日本学術振興会特別研究員DC2 |
1999.10-2000.3 | 日本学術振興会特別研究員(PD:DC2の残期間) |
2000.3-2001.3 | 日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業リサーチアソシエイト(分子科学研究所) |
2001.4-2012.3 | 慶應義塾大学理工学部物理学科助手(2007から助教) |
2006.4-2007.3 | 米国スクリプス研究所 訪問研究員(サバティカル) |
2012.4-2018.3 | 慶應義塾大学理工学部物理学科専任講師 |
2013.10-2016.3 | さきがけ研究員(兼任)「ライフサイエンスの革新を目指した構造生命科学と先端的基礎技術 |
2018.4- | 明治大学理工学部物理学科准教授 |
水中のタンパク質(タンパク質はリボン表示)
生体内でタンパク質が構造を変えたり、会合することにより、生体機能が生じます。計算機を用いた分子シミュレーションを行うことにより、タンパク質の安定性や構造変化や機能のメカニズムを調べています。これまで、統計力学に基づく理論を用いて分子シミュレーション手法の開発を行ってきました。最近はこれらの手法を駆使して、タンパク質の構造安定性やダイナミクスを調べることにより、よりタンパク質を安定化させるアミノ酸置換の提案などを行っています。
Q: 分子シミュレーションとはなんですか?
A: ニュートンの運動方程式は質点の軌道を予測できることは、学ぶと思います。高校では、斜面を運動する質点の軌道を求めると思います。
タンパク質は、たくさんの分子からなる複雑な高分子です。ですので、手計算で軌跡を求めるのは難しいのですが、分子間に働く力を計算して、原子の運動方程式を計算機を用いて数値的に解くことができます。
これを分子シミュレーションといいます。最近は、自身の計算機でも、周りの水分子もふくめたタンパク質系で、μs程度のシミュレーションも可能となって来ています。
現在の研究内容
(1)分子シミュレーション手法の開発(2)タンパク質をより安定化するアミノ酸置換の提案
(3)タンパク質と周りの溶媒との関係の解明