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読売新聞 書評 加藤徹担当

最新の更新2019-12-22

#読売新聞 の #書評 加藤徹担当ぶん 自分の備忘用に

【参考】 Book Bang 加藤徹 https://www.bookbang.jp/reviewer/article/546365
 読売新聞オンライン「加藤徹」の[検索結果]
 読売新聞オンライン https://www.yomiuri.co.jp/feature/titlelist/評・加藤徹(中国文化学者・明治大教授)/

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  1. 読書委員が選ぶ「2019年の3冊」 加藤徹
    @中島恵著『中国人は見ている。』
    A鍵山秀三郎・竹内光弘・縄田良作著『トイレ掃除の奇跡』
    B大井昌靖著『初の国産軍艦「清輝」のヨーロッパ航海』
    2019/12/22
  2. 残酷な進化論…更科功著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191207-OYT8T50146/
    2019/12/08
    「生物がそこまでして生きる目的とは何か。著者が用意した回答は、本書を読んでのお楽しみだが、シンプルで嬉(うれ)しいものだ。「私たちだって、ただ生きているだけで立派なものなのだ」と思えてくる。科学の本質は自然哲学である。学問の目的は自分を知ること。読書の原点を思い出させてくれる良書だ」
  3. 中国で叶えた幸せ 第2回「忘れられない中国滞在エピソード」受賞作品集…段躍中編 日本僑報社 2500円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191130-OYT8T50114/
    2019/12/01
    「老若男女がつづる体験談はノンフィクションだが、短編小説集のような味わいがある」「人の数だけ人生がある。ありのままの中国も、人の数だけある。日本人と中国人のふれあいの多彩さに驚かされる1冊だ」
  4. 雅楽のコスモロジー…小野真龍著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191123-OYT8T50136/
    2019/11/24
    「キリスト教の音楽は、ユダヤ教やイスラム教では演奏しない。約1400年の歴史をもつ雅楽は、仏寺でも神社でも、宮中でも演奏する。神仏習合、という単純な話ではない。著者は言う。
     「雅楽の背後には、カミ・ホトケ・スメラミコトがせめぎ合って織り成した歴史の壮大な宗教的空間が広がっているのです」」
  5. 12人の花形伝統芸能…中井美穂著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191116-OYT8T50113/
    2019/11/17
    「「舞台が面白いのは、目の前で動く生身の肉体のエネルギーを感じられること」「肉体が放つ熱量、匂いを持っている人が目の前で動くハラハラドキドキ感にかわるものはないと思います」。著者と実演者の丁々発止のやりとりも、ハラハラドキドキ感に満ちている。」
  6. 愛と欲望の三国志…箱崎みどり著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191109-OYT8T50131/
    2019/11/10
    「戦乱の時代も平和な時代も、ファンのどんな愛と欲望も受け入れてきた「三国志」は、やっぱり面白い。」
  7. 芝園団地に住んでいます…大島隆著 明石書店 1600円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191026-OYT8T50178/
    2019/10/27
    「無理に交流せず棲(す)み分ければよいという「共存」か、壁を越えて交流と協力を進める「共生」か。今日も試行錯誤を続ける「芝園団地は世界のいまであり、日本の近未来でもある」。」
  8. 図説 世界の陰謀・謀略論百科
    …デヴィッド・サウスウェル、グレイム・ドナルド著 STUFF THEY DON’T WANT YOU TO KNOW 原書房 4500円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191019-OYT8T50171/
    2019/10/20
    「著者が引用する2世紀のローマの詩人の言葉は重い。「自分の守護者から自分を守ってくれるのは誰なのか?」。陰謀論の根底にある、国や常識を疑う民衆の想像力は、案外、大切かもしれない」
  9. 秋吉敏子と渡辺貞夫…西田浩著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20191012-OYT8T50201/
    2019/10/13
    「戦後の日本を動かした「天の配剤」とも呼ぶべきダイナミズムを、インタビューを交えて、生き生きと描く」
  10. 日本語「標準形」の歴史 野村剛史著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190928-OYT8T50147/
    2019/09/29
    「標準語確立の意外な立役者は活字印刷であり、匿名の校正者たちだった。単線的な発展史観や、東京中心史観をくつがえす本だ」
  11. ふしぎな鉄道路線 竹内正浩著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190921-OYT8T50136/
    2019/09/22
    「書物で読む歴史は面白い。私たちの身近なものから読みとる歴史は、もっと面白い」
  12. わたしは哺乳類です リアム・ドリュー著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190907-OYT8T50146/
    2019/09/08
    「私たちは自分の一生を生きる。それは哺乳類としての生であり、数十億年におよぶ生物進化の旅の途中でもある」
  13. 日本現代怪異事典 副読本 朝里樹著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190831-OYT8T50167/
    2019/09/01
    「怪異は、本当かうそか。そんな詮索より、大事なことがある。著者は言う。「怪異を楽しめること、それはこの時代が平和であることの証左だ」。戦争や惨事の恐怖にロマンはない。怪異にはある」
  14. 三菱海軍戦闘機設計の真実…杉田親美著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190824-OYT8T50145/
    2019/08/25
    「技術者の「戦後」は「戦前」に始まるのかもしれない。零戦のフラッター事故の原因を調べた山名正夫技師は戦後、全日空機墜落の事故調査でも活躍した。個々の性能でもライバルに負けず、いくつかの項目では優越する、という零戦の設計哲学は、戦後、形を変えて工業製品の「勝利の方程式」となった。著者は一例として、トヨタの新車開発のスローガン「80点プラスアルファ」をあげる」
  15. イ・ギュテ著、矢島暁子訳『韓国人のこころとくらし 「チンダルレの花」と「アリラン」』(彩流社、2500円)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/feature/CO036369/20190814-OYT8T50023/ 特集「お題は「語り合いたくなる本」」 2019/08/19
    「体がぶつかっても謝らず、三人称の感情も「彼女は悲しい(クニョヌン スルプダ)」のように主観的に表現する点は、日本人とも西洋人とも違う。それには理由がある」
  16. 玄宗皇帝/バシレウス 呂不韋伝…塚本青史著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190803-OYT8T50117/
    2019/08/04
    「塚本青史(せいし)氏は、今までも玄宗皇帝や呂不韋(りょふい)を描いてきた。氏の新作を読み、まだこんな新しい描きかたがあるのか、とうなった」
  17. 「国語」から旅立って…温又柔著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190720-OYT8T50169/
    2019/07/21
    「人は誰しも、自分は失敗作なのか、と悩み、本当の自分を探す旅に出る。陳舜臣氏の自伝的小説『青雲の軸』もそうだったが、本書もまた、悩む力、旅に出る勇気の大切さを思い出させてくれる」
  18. 声優という生き方…中尾隆聖著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190713-OYT8T50131/
    2019/07/14
    「日本の声優にあこがれる外国人も多い。国際声優コンテスト「声優魂」は、歌もセリフも日本語で行われるが、中国だけで数万人単位のエントリーがある」
  19. アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ…池田淑子編著 大阪大学出版会 2000円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190629-OYT8T50157/
    2019/06/30
    「当時、人種差別の罪悪感に苦しんでいた米国の観衆は「見てごらん、日本人はわれわれを真似(まね)てわれわれが犯したのと同じ過ちを犯しているよ」と、屈折した「癒やし」を得た。」
  20. 龐居士の語録(ほうこじのごろく) 山田史生著 東方書店 2600円/物語として読む全訳論語決定版 山田史生著 トランスビュー 2200円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190615-OYT8T50177/
    2019/06/16
    「思うに、居士と禅僧の関係は、在野研究者と大学教員に似ている。学問の世界では、自由闊達(かったつ)な日曜学者のほうが、沽券(こけん)や体面に縛られるプロ研究者より鋭い指摘をすることがある」
  21. 亡命者たちの上海楽壇…井口淳子著 音楽之友社 2600円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190601-OYT8T50143/
    2019/6/2
    「ふだんなにげなく読み流す新聞の記事や興行広告が、これほど雄弁な史料になるとは。音楽文化と新聞の底力を、あらためて認識した」
  22. 日本で生まれた中国国歌…久保亨著 岩波書店
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190525-OYT8T50189/
    2019/05/26
    「20世紀の戦間期は、重い。戦争を回避するチャンスはあったのに、それを生かせなかった。本書は、その重い時代を、日中双方の視点から浮き彫りにする」
  23. 腐敗と格差の中国史…岡本隆司著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190527-OYT8T50066/
    2019/05/19
    「民を苦しめ国を滅ぼすどす黒い病理すらも燃料とする中国社会。その底知れぬ闇とパワーを理解するうえで必読である」
  24. 第6の大絶滅は起こるのか The Ends of the World…ピーター・ブラネン著 築地書館 3200円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190508-OYT8T50030/
    2019/05/05
    「科学はロマンだ。本書は地球史の啓蒙(けいもう)書だが、推理小説よりスリリングだ」
  25. くわしすぎる教育勅語…高橋陽一著 太郎次郎社エディタス 2000円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190413-OYT8T50170/
    2019/04/14
    「「表紙詐欺」だ。ピンク色の背景に、おじぎするセーラー服の女子児童。「くわしすぎる」というキャッチーなタイトリング。まるで漫画本だが、重厚な研究をふまえた啓蒙(けいもう)書だ」
  26. 落花…澤田瞳子著 中央公論新社 1700円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190406-OYT8T50117/
    2019/04/07
    「平成で驚異的に進歩したものは三つある。携帯電話、インターネット、そして歴史小説だ。本作は、文化史学の進歩をふまえた斬新な歴史観、史実を土台に心理的ミステリーもちりばめた巧みなストーリー、言語芸術の特長を最大限に生かした描写力、どれをとっても、平成文学の到達点を示すマイルストーン的傑作である」
  27. 日中の失敗の本質…宮本雄二著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190330-OYT8T50135/
    2019/3/31
    「「大変」という日本語は変だ。本来「大きな変化」はビッグチャンスのはず。しかし日本人は「大変」を、もっぱら、苦労が多く対処しがたい事態というマイナスの意味で使う」
  28. 「砂漠の狐」ロンメル…大木毅著 角川新書 900円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190316-OYT8T50156/
    2019/3/17
    「著者によると、日本のアカデミズムは軍事を扱わず、ロンメルについての認識も欧米より40年近く遅れているという」
  29. 精日 加速度的に日本化する中国人の群像…古畑康雄著 講談社+α新書 860円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190309-OYT8T50104/
    2019/3/10
    「日本へ留学や旅行に行った中国人は、日本は素晴らしいという印象を持ち帰る。中国政府が日本に濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)を着せようとしても、民衆は信じなくなっているのだという。中国社会は変化している。日本は中国からますます必要とされており、日本はそのニーズを受けとめ存在感を増すべきだ、という著者の結論は説得力がある」
  30. 世を観よ 坂井音重著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190302-OYT8T50133/
    2019/3/3
    「能は、650年の歴史をもつ。著者は言う。「長く続いただけでは何の意味もない。『人間の生命力』が吹きこまれていなければ形骸化し、その外見の様をみるだけでは、人から人へ伝えられていく芸能とはいえない」」
  31. 新☆再生縁〜明王朝宮廷物語〜〈1〉〜〈11〉 滝口琳々著…プリンセス・コミックス 〈11〉454円
    天空の玉座〈1〉〜〈11〉 青木朋著…ボニータ・コミックス 〈11〉454円
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190426-OYT8T50031/
    2019/2/17
    「平成は、ハイカルチャーとサブカルチャーが逆転した時代だ。現役の首相が五輪の閉会式でゲームのキャラに扮(ふん)して土管の中から跳び出し、NHKが残虐シーンのある深夜アニメを放送する。昭和時代には想像できなかった」
  32. 「日本の伝統」という幻想 藤井青銅著 柏書房
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190202-OYT8T50159/
    2019/2/3
    「「古来の伝統」は変えてもいい。事実を知った上で、楽しめばいい。「日本はすごい」と自己アピールする風潮が強い昨今、本書のように「その伝統は、誰が、なんのために、どういうスタンスで主張しているのか?」と裏を読む「伝統リテラシー」をもつことは大事であろう」
  33. 『楊花飛ぶ 原采蘋評伝』 小谷喜久江著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190121-OYT8T50024/
    2019/1/28
    「もし彼女が歌人や俳人だったら、とっくに大河ドラマのヒロインになっていたろう」
  34. 『日本の「中国人」社会』 中島恵著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20190107-OYT8T50034.html
    2019/1/14
    「かつて夏目漱石は「人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向(むこ)う三軒両隣りにちらちらするただの人である」と『草枕』で書いた。日本の近未来を作るのは、中国の大富豪でも国家主席でもない。「ただの日本人」と「ただの中国人」の共生だ。等身大の温かい目線で中国人の真実を紹介する本書は、日本の問題点や可能性も示す、得がたいルポルタージュである」
  35. 読書委員が選ぶ「2018年の3冊」
    〈1〉岡崎守恭著『墓が語る江戸の真実』(新潮新書、740円)
    〈2〉及川尊雄著『阿弗利加あふりかから旅して来た 日本の楽器たち』(アルテスパブリッシング、6800円)
    〈3〉大高郁子 絵・編『久保田万太郎の履歴書』(河出書房新社、2000円)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/feature/CO036371/20181225-OYT8T50055/
    2018/12/30
    「〈1〉今も残る墓を手がかりに、島津斉興、お江、徳川家光、春日局、松平秀康、柳沢吉保、前田利家、高尾太夫、藤堂高虎、赤穂義士らの隠れた愛憎と恩讐(おんしゅう)を読み解く。墓がかくも雄弁に死者の「生」を語りかけるとは!〈2〉著者が生涯をかけて収集した縄文から昭和までの楽器を、フルカラーの図版約1600点で解説。圧倒的に美しい。〈3〉今こそ再評価されるべき作家の波乱の人生が、ほのぼのとした挿絵と自伝的文章でよみがえる。」
  36. 『僕たちは、宇宙のこと ぜんぜんわからない』 ジョージ・チャム、ダニエル・ホワイトソン著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181210-OYT8T50035.html
    2018/12/17
    「日本を含む東アジア人は、なまじ古い歴史をもつがゆえに、娯楽も教養も、好奇心を過去の歴史で消費してしまう。一方、歴史が若い米国人は、知的エネルギーを自然科学や無限の未来に向ける」
  37. 『クラシック音楽全史』 松田亜有子著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181203-OYT8T50036.html
    2018/12/10
    「西洋人にとって教養は力だった。クラシック音楽の発展も、宗教改革や市民革命、産業革命、ナショナリズムの台頭など、歴史の荒波と連動していた」
  38. 『世界の戦争廃墟図鑑』 マイケル・ケリガン著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181126-OYT8T50029.html
    2018/12/3
    「人工物が長い歳月をかけて自然の一部になる時に放出されるエネルギーの暗さ(井上靖「運河」)が、心にじわりとしみる」
  39. 『鳥居強右衛門 語り継がれる武士の魂』 金子拓著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181119-OYT8T50044.html
    2018/11/26
    「「歴史」のいかがわしさとダイナミズム、学者の仕事の緻密ちみつさと面白さを堪能できる本だ」
  40. 『世界史のなかの文化大革命』 馬場公彦著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181112-OYT8T50025.html
    2018/11/19
    「中国では政治的な理由で、文革の研究公開も、文革を公式の場で語ることも禁じられている。海外でも、文革を中国一国内で完結する事件と見る傾向が強く、国際的な視野に立つ論考は少ない」
  41. 『絶滅できない動物たち』 M・R・オコナー著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181105-OYT8T50110.html
    2018/11/12
    「人間が自然を「保護」するほどかえって自然から遠ざかるというジレンマを本書はつきつける」
  42. 『カミングアウト LGBTの社員とその同僚に贈るメッセージ』 ジョン・ブラウン著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181022-OYT8T50080.html
    2018/10/29
    「日本でも13人に1人がLGBTであるという。安心してカミングアウトできるやさしい職場は、きっと、誰もがのびのびと働ける風通しのよい場所であろう」
  43. 『映画がつなぐ中国と日本』 劉文兵著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181016-OYT8T50095.html
    2018/10/22
    「採算を度外視して日中映画交流事業に傾注した徳間康快(やすよし)の知られざる思惑について著者の推察は鋭い」
  44. 『タンゴと日本人』 生明俊雄著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181009-OYT8T50079.html
    2018/10/15
    「日本からは、ドイツの「碧空」やフランスの「夢のタンゴ」のような世界的タンゴは生まれなかった。なぜか。著者は日本人の「タンゴの愛し方」の問題点を、鋭く指摘する」
  45. 『上皇の日本史』 本郷和人著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20181001-OYT8T50041.html
    2018/10/8
    「本書を読み、数十年来のモヤモヤ感が晴れた。古代から今日まで、この国の暗黙知的な設計思想を明快な言葉で説明する快著である」
  46. 『ネット狂詩曲 吃瓜時代的児女們』 劉震雲著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20180925-OYT8T50122.html
    2018/10/1
    「人間のドロドロした欲望、罠、転落、悪あがきの生きざまが、これでもか、と描かれる。あえて言う。これぞ小説である」
  47. 『世界史を大きく動かした植物』 稲垣栄洋著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20180910-OYT8T50031.html
    2018/9/17
    「地球温暖化や大気中の二酸化炭素濃度上昇は、植物の生育にとってはプラス、という説がある。まさか、人類の産業活動と環境破壊までもが、植物の陰謀なのか」
  48. 『禅とジブリ』 鈴木敏夫著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20180903-OYT8T50060.html
    2018/9/10
    「「道楽」は「仏道を歩むことを楽しむ」という仏教用語だ。世間では、生産的な仕事と無関係の遊び、という意味で使う。良寛の書や白隠の禅画は、両者の意味の区別を越えた道楽だ」
  49. 『踏絵を踏んだキリシタン』 安高啓明著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20180827-OYT8T50032.html
    2018/9/3
    「明治以降、絵踏の実情は忘れられた。外国人や好事家に売るため、踏絵やマリア観音の偽物が作られた。小説『沈黙』を書いた遠藤周作を感動させた踏絵も、実は模造品だった」
  50. お題は「旅行かばんにこの本」
    マルクス・アウレーリウス著、神谷美恵子訳『自省録』(岩波文庫、860円)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/feature/CO036369/20180813-OYT8T50049/
    2018/8/20
  51. 『だけど だいじょうぶ』 農中茂徳著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20180806-OYT8T50052.html
    2018/8/13
    「心にずしりと残る本。著者は「障害」と表記する。障害は本人より周りの人々の問題と考えるからだ」
  52. 『広い宇宙に地球人しか見当たらない75の理由』 スティーヴン・ウェッブ著
    https://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20180730-OYT8T50086.html
    2018/8/6
    「人類は、神や宇宙人にも心をもっていてほしい、と無意識のうちに願う。その意味で「みんな」の探索は、人類の自分探しの旅でもある」
  53. 『作家たちの愚かしくも愛すべき中国』 高行健、余華、閻連科著/飯塚容訳著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180723-OYT8T50031/
    2018/7/22
    「「国家の不幸は詩家の幸」。清の歴史家の趙翼が詠んだ漢詩の名句だ。現代中国も不幸には事欠かない」
  54. 『アンデス古代の探求』 大貫良夫、希有の会編
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180702-OYT8T50044/
    2018/7/1
    「もし人類が別の惑星でゼロから文明を作ったら、どうなるか。そんなSF的な実験は不可能だが、アフロ・ユーラシア大陸と隔絶した南米のアンデス文明は、興味深い」
  55. 『航空機を後世に遺す』 横山晋太郎著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180625-OYT8T50037/
    2018/6/24
    「栄光の姿と見るか、戦争の悲惨を考える一次資料と見るか。実機が残っていればこそ、子々孫々に至るまで観客は自分で考えることができる」
  56. 『科学のミカタ』 元村有希子著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180604-OYT8T50037/
    2018/6/3
    「一見、遠くにある科学は、身近な問題とつながっている。科学の見方は人生の味方」
  57. 『「少年ジャンプ」 黄金のキセキ』 後藤広喜著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180514-OYT8T50030/
    2018/5/13
    「達成不可能と思える目標を前に、知恵をしぼり、骨身をけずり、道なき道を切り開く。そんな仕事人の経験談は、専門分野が違っても、ヒントの宝庫だ」
  58. 『国策紙芝居からみる日本の戦争』 神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター「戦時下日本の大衆メディア」研究班(代表・安田常雄)編著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180501-OYT8T50074/
    2018/4/29
    「国策紙芝居には天皇の姿が全く描かれない、という指摘は鋭い」
  59. 『初代「君が代」』 小田豊二著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180423-OYT8T50067/
    2018/04/30
    「今年は「明治150年」である。が、明治20年くらいまで事実上の「幕末」が続いていた、と見なす説がある」
  60. 『かくれキリシタンの起源 信仰と信者の実相』 中園成生著
    『潜伏キリシタンは何を信じていたのか』 宮崎賢太郎著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180409-OYT8T50031/
    2018/04/16
    「学術的には、江戸時代の禁教期にひそかに信仰を続けた人々を「潜伏キリシタン」、明治のキリスト教解禁後もカトリックに合流せず先祖伝来の信仰を守る人々を「かくれキリシタン」ないし「カクレキリシタン」と呼ぶ」
  61. 『文字に美はありや。』 伊集院静著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180326-OYT8T50044/
    2018/03/25
    「例えば、信長、秀吉、家康の肉筆はそれぞれ個性的である。が、細川ガラシャが残した手紙の文字のほうが、筆運びも情念もずっと大胆だ。その理由はなぜか、など、深く考えさせられる」
  62. 『怖い女 怪談、ホラー、都市伝説の女の神話学』 沖田瑞穂著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180319-OYT8T50065/
    2018/03/18
    「怖い男は、避ければいい。しかし怖い女からは、だれも逃げられない。人はみな、残酷で優しい母なる存在から生まれ、その女神の闇に還かえるのだから」
  63. 『真説 孫子』 デレク・ユアン著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180305-OYT8T50062/
    2018/03/04
    「軍事研究を禁止しない外国の大学では、このような視点からも古典を研究できる」
  64. 『倭の五王』 河内春人著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180219-OYT8T50046/
    2018/02/18
    「日本の古代史はもどかしい。自国の歴史なのに、外国人の記録に頼らざるを得ないからだ」
  65. 『天文の世界史』 廣瀬匠著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180205-OYT8T50101/
    2018/02/04
    「人類の知的営為は、近代以前から相互に結びつき、天空の星座のように美しくつながってきた」
  66. 『天涯無限 アルスラーン戦記16』 田中芳樹著
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20180122-OYT8T50052/
    2018/01/21
    「本を読み終えてこんな大きなため息をついたのは、いつ以来だろうか」
(以下、省略)
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