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哈哈調 (明清楽資料庫)

最初の公開2008-11-18  最新の更新 2017-10-21

哈哈調(哈々調)(ハハちょう)
mp3で「哈哈調」の歌を聴く
(1.7MB ダウンロード形式 歌・加藤徹+CJスタッフ 2009年録音)

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カラオケ(器楽バージョン)全コーラス

カラオケ(器楽バージョン)1・2番

歌声つき


曲目解説 曲名と流伝

十河都さん画 (C)2009
 「哈哈調」は長崎清楽の旧曲の一つ。別名「紗窓外」「鉄馬行」等とも。
 主な流伝地域は、四川、湖北、蘇州、福建、長崎、北京など。
 歌詞の内容は、恋わずらいの少女「二姑娘」を、近所の婦人「王大娘」が見舞う、という物語。民歌や「曲芸」(中国語の「曲芸」は語り物のこと)の「王大娘探病」別名「探病提媒」と同じである。
 「王大娘」と「二姑娘」は、それぞれ、近所の世話好きのおばさん、適例期の若い女子、というキャラクターとして 民間説話や講唱文学に登場する。
 例えば、現代の山東省の民歌「王大娘拉呱」も、社会主義の中国を舞台に、王大娘と十八歳の二姑娘の対唱である(楽譜と歌詞は、楊瑞慶編『中国民歌歌典』上海音楽出版社、2009年、p.38)。歌詞も旋律も全くの別曲である。
 「哈哈調」別名「紗窓外」の楽譜は、日本の各種清楽譜の他、
など、さまざまに存在する。
李家瑞『北平俗曲略』に載せる工尺譜

五六五仩工六。工五仩伍六工尺。
五六五仩仩伍[イ六]。工伍仩伍六工尺。
上尺工。六仩伍六工。上尺工尺上。四合合四。
 李家瑞は「四川歌は紗窗外調とも称する(蘇州に伝わって哈哈調と称するようになった)」云々と書いている。 北京では、遅くとも嘉慶年間までには「紗窗外」(以下、本稿では日本の常用漢字にそって「紗外」と表記する)が伝わっていた。 北京人は「紗窗外」を、「四川歌」とか「怯調児」(外省の土調、の意)ととらえていた。
 日本への伝来時期は不明だが、天保二年(1831)の跋文のある『花月琴譜(亀齢琴譜)』には、すでに「哈哈調」も収録されている。  日本に伝来した「紗窓外」は、蘇州系の「哈哈調」のタイトルで知られる。歌詞の各番の歌の終わりごとに「哈哈(ハハ)…」と笑声が入るので、この名がある。
 この「哈哈調」は別名「鉄馬行(てつばこう)」ともいう。「鉄馬児」は、窓辺や廊下に糸でつるした鉄の風鈴のこと。風が吹いたり、「待ち人」が来ると、シャラシャラと鳴る。その音色が、馬の蹄音に似ていることから「鉄馬児」と呼ぶ。
古来、中国文学では、漠然と「待ち人」を思う悲恋の人物の心理描写などで、しばしば「鉄馬児」が詠みこまれる。
例えば、恋愛文学の名作『西廂記』の「莫不是鉄馬児檐前聚風?」云々の詞句は有名(第二本第五折)。


長崎清楽「哈哈調」
 [(mp3)歌声入り]   [MIDIフルコーラスカラオケ]  [MIDI単旋律]  [MIDI簡素伴奏版]  [MIDI和音伴奏版]


「姐児聞声睡」はテクストによっては「姐児床上睡」に作る。同音の「姐児問声:"誰?"」の可能性もある。


清楽譜の工尺譜をそのまま弾いたもの(簡素版)。

 [
簡素版→完全版]

(ド=D) ラーソー ラーどー、ミーラど ミー、ミーソラ ソーミー、レー(繰り返し)。
ドードー レー、ラーラー どーソー、ミーミー ソーミー、レーレミ レードー。ドーレミ ドーラー、ミーラド ソーソー。
(間奏)ミーソー ソードー ラドラド ソーソー、ミーソー ソーどー、ラーミー レーレー。



哈哈調の工尺譜
↓『
清風雅譜』(1859/1894)より。
清風雅譜,清楽,月琴
↓『月琴楽譜』(1877)より。「哈哈調」の歌詞は十一番まで載っている。五線譜はこちら

「国会図書館近代デジタルライブラリー
の「哈哈調」↓

明清楽譜摘要
月琴手引草
大清楽譜
清楽雅譜
袖珍月琴譜めくら杖
清楽譜
月琴雑曲清楽の栞
月琴雑曲ひとりずさみ
清楽曲譜

 [(mp3)歌声入り]   [MIDIフルコーラスカラオケ]
(2)
月琴楽譜,哈哈調,加藤徹
(1)
月琴楽譜,哈々調,加藤徹
(4)
月琴楽譜,哈哈調,加藤徹
(3)
月琴楽譜,哈哈調,加藤徹
(6)
月琴楽譜,哈哈調,加藤徹
(5)
月琴楽譜,哈々調,加藤徹
(8)
月琴楽譜,哈哈調,加藤徹
(7)
月琴楽譜,哈々調,加藤徹
(9)
月琴楽譜,哈哈調,加藤徹

「月琴楽譜」に載せる歌詞。(白)の部分のみ原文でなく日本語訳(by加藤徹)で示す。一部に合成文字([]で括った部分)を使用する。
『花月琴譜』(亀齢琴譜)(1831)

 [
(mp3)歌声入り]   [MIDIフルコーラスカラオケ]
  1. 紗窓紗窓外呀。鉄馬児响叮噹。姐児聞声睡呀。隔壁王大娘。
    軽移細歩倒(<到)高楼上呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

  2. 飄開錦紗帳呀。一陳(<陣)噴花香。[木発]開紅陵(<綾)被呀。小小二姑娘。
    面黄[月幾]痩、不像姑娘呀病呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (王大娘のセリフ)二姑娘、あなたの病気は何?
  3. 我也病児是呀。飯也不想喫。茶也不想量呀。昏昏又沈沈。
    昏昏沈沈、到了如今呀哈呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)お医者さんに往診に来てもらったら?
  4. 請個医生到呀。我也不要他。請了医生来呀。迷迷又模模。
    迷迷模模、我也不要呀他呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)お坊さんに来てもらって、ご祈祷してもらったら?
  5. 請個和尚到呀。我也不要他。請了和尚来呀。乒乒又乓乓。
    乒乒乓乓奴奴心中呀[心白]呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)お母さんに来て看病してもらったら?
  6. 請個老娘到呀。我也不要他。請了老娘来呀。[口即][口即]又[口宅][口宅]。
    [口即][口即][口宅][口宅]、我也不要呀他呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)二姑娘、あなたの病気はいつからなの?
  7. 要問我的病呀。三月是清明。楊柳緑茸茸呀。桃花紅噴噴。
    王孫公子、出外的遊春呀景呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)貴公子の春の野遊びが、あなたと、どんな関係があるの?
  8. 我愛他呀白面小書生。他愛我呀紅粉小佳人。
    両人喜愛、到了如今呀哈呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)お父さんとお母さんに知られたら、まずいんじゃないの?
  9. 我家爹爹#29241;呀。耳目有昏章。
    我家媽媽耳目也昏呀章呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)お兄さんや、あによめに知られたら、まずいんじゃないの?
  10. 我家哥哥、哥呀。常常不在家。
    我家嫂嫂去往娘娘昏呀家呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。

    (セリフ)お姉さんや妹さんに知られたら、まずいんじゃないの?
  11. 我家姉姉、姉呀。早去出嫁。
    我家妹妹同我一様的話話呀哈呀。哈哈[口以]哈[口以]哈哈哈。


 [
(mp3)歌声入り]   [MIDIフルコーラスカラオケ]
(意訳)
  1. レースの窓辺の 呼鈴(よびりん)がチリリン 少女がまどろむ(※) たかどのの部屋に
    おとなりの おばさんが しずしず 歩いてくる ハハ、イハ、イハハハ!(優美な笑い)
    ※日本伝来の清楽では「聞声睡」(音を聴きながら眠る)だが、中国本土では同じ発音の「問声;“誰?”」(一声「どなた?」と訊く)ないし同様の意味の語句に作るテキストが多い。

    (セリフ わたし。おみまいにきたわよ※)
    ※原詞に無いが補った。

  2. とばりを開けると 甘い香り 赤い絹のふとん めくってみれば
    げっそりと やつれた少女が ひとり寝てる ハハ、イハ、イハハハ!(やさしい笑い)

    (セリフ あなた、病気になったんだって?)

  3. たしかに病気です くらくら ふらふら 食事ものどを 通りません
    くらくら ふらふら ひねもす 寝ています ハハ、イハ、イハハハ!(力のない笑い)

    (セリフ お医者を呼んで診てもらったら?)

  4. お医者は呼びません 呼んでも無駄よ お医者が来ても ふらふら くらくら
    くらくら わたしのめまいは治りません ハハ、イハ、イハハハ!(苦悶の笑い)

    (セリフ お坊さんを呼んでご祈祷してもらったら?)

  5. お坊さんは呼びません 呼んでも無駄よ お坊さんが来ても ドキドキ ハラハラ
    ドキドキ わたしの胸は治りません ハハ、イハ、イハハハ!(苦い笑い)

    (セリフ 産婆のおばあさん(※)を呼んで看病してもらったら?)
    ※おばあさん=原文は「老娘」(現代中国の共通語では「老母」の意。旧社会や方言の「老娘」は、「母がたの祖母」「取り上げばば(産婆。こやすばば。ひきあげばば)」「女房」「あたし(婦人の自称)」その他の意味がある。ここでは医師、僧侶と並んで出てくるので「産婆のおばあさん」くらいの意味か。水木しげるのエッセイや漫画に登場する「のんのんばあ」のように、産婆や、近所の家事、病人の看病の手伝いなどの仕事をこなして暮らす老女を指すのであろう。

  6. おばあさんは呼びません 呼んでも無駄よ おあばさんが来ても ペチャクチャ ダラダラ
    ペチャクチャ おしゃべり ばっかり 疲れます ハハ、イハ、イハハハ!(あきらめの笑い)

    (セリフ あなた、いつから病気になったの?)

  7. わたしの病気は 春三月の 緑の柳と 真っ赤な桃の花 
    うら若い貴公子が 野遊びしてた日から…… ハハ、イハ、イハハハ!(甘美な笑い)

    (セリフ うら若い貴公子が野遊びしてた日? あなたの病気と、どんな関係があるの?)

  8. 若い貴公子は りりしい学生 わたしも年頃 夢みる乙女
    一目見て ふたりは たちまち 恋に落ちた ハハ、イハ、イハハハ!(陶酔の笑い)

    (セリフ お父さんやお母さんに気づかれたら、まずいんじゃないの?)

  9. (ここから旋律、短縮)
    父さん? 父さんの 目はふしあなよ
    母さんは 目も耳も にぶくて 気づかない ハハ、イハ、イハハハ!(自嘲的な笑い)

    (セリフ お兄さんや、あによめに気づかれたら、まずいんじゃない?)

  10. 兄さん? 兄さんは いつも留守よ
    あによめも お里に帰って 今はいません ハハ、イハ、イハハハ!(軽めの笑い)

    (セリフ お姉さんや妹さんに気づかれたら、まずいんじゃない?)

  11. 姉さん? 姉さんは お嫁に出たし
    妹は わたしと おんなじ病気で寝てる ハハ、イハ、イハハハ!(ヒステリックな笑い)



福建省恵安県の民歌・紗窓外
長崎清楽「哈哈調」の歌詞・旋律とよく似ている。
『中国民間歌曲集成・福建巻(上)』(1996年12月・北京)pp.461-463
452.紗窓外(北管唱) (荘能宗唱 谷川・能宗記)
福建省恵安県の「紗窓外」をMIDIで聴く [簡素伴奏版] [和音伴奏版]
1.紗也紗窓外
(哎喲)
鉄馬響叮[口当]
(哎喲)
姑娘問的是誰?
(依喲)
過壁王大娘 移歩急把
(来到)
繍房進
(哎喲)
喜的喜的下、
喜的喜的下
2.[手欣]開紅羅帳
(哎喲)
一陣桂花香
(哎喲)
[手欣]開錦羅被
(依喲)
見得一姑娘 面黄青痩不像人 奴家很害羞 喜的喜的下、
喜的喜的下
3.説起奴家病
(哎喲)
昏昏又沈沈
(哎喲)
茶也不想喫
(依喲)
飯也不想呑 清香美味
(又是娘)
奴家不想呑 喜的喜的下、
喜的喜的下
4.説起那医生
(哎喲)
奴家不要他
(哎喲)
開起那薬方
(依喲)
摸摸又搓搓 摸摸搓搓
(又是娘)
奴家不要他 喜的喜的下、
喜的喜的下
5.你是仏家的徒生 奴家不要他
(哎喲)
開起念起仏
(依喲)
鑼鼓又吵吵 鑼鼓吵吵
(又是娘)
奴家不要他 喜的喜的下、
喜的喜的下



江蘇省の民歌・紗窓外
『中国民間歌曲集成・江蘇巻』pp.852-854、通番940、同附録、通番941
江蘇省武進市の「紗窓外」の旋律を[MIDIで聴く](佚名唱 孔蘭生記)

【歌詞】紗是紗窓外(呀)、鉄馬響叮当、姐児問声誰(呀)? 間壁王大娘、
 王大娘(呀哈)、王大娘(呀)、軽移細歩進我房、呀哈哈咿哈;哈
道光元年(1821)の「紗窓調」の旋律を[MIDIで聴く]

【歌詞】紗窓児外(呀)、鉄馬響叮当、姐児問声誰(呀)? 間壁王大娘、
 軽移[イ肖]歩把楼来上、哈哈咿哈咿哈;哈

『紗窓調』詞譜依拠清・道光元年(1821)[貝(ウ/一)]香主人輯『小慧集』巻12第38簫卿主人小調譜第1首訳抄。原詞還有12段、従略、原曲譜無調号和速度標記。」
江蘇省宿遷市の「紗窓外(南関調)」の旋律を[MIDIで聴く](洪任侠・戈雲飛唱 楊邦彦記)

原本の歌詞(4番まである)の転機は省略。


月刊『中国語ジャーナル』2009年10月号より
[連載] 『中国小唄物語』中国語副題「雅俗共賞 中国古老歌曲」
第七回 小調「哈哈調」──江戸時代の日本でも歌われた甘酸っぱいラブコメ

十河都さん画 (C)2009
同誌付録CDよりMP3化した音源  [(mp3)歌声入り]

Shāchuāng , shāchuāng wài ya, tiěmǎr xiǎng dīngdāng.
纱窗, 纱窗外呀, 铁马儿响叮当。

Jiě’ér wén shēng shuì ya , gébì Wáng-dàniáng ,
姐儿闻声睡呀, 隔壁王大娘,

qīng-yí-xì-bù dào gāolóu shàng ya .
轻移细步到高楼上呀。

Hāhā , yīhā , yīhāhā !
哈哈, 咿哈, 咿哈哈哈!

“Wéi , èr-gūniáng ! Wǒ shì Wáng-dàniáng . Nǐ zài jiā ma ? ”
“喂, 二姑娘! 我是王大娘。你在家吗? ”

Piāokāi jǐnshāzhàng ya , yī zhèn pēn huāxiāng .
飘开锦纱帐呀, 一阵喷花香。

Bōkāi hónglíngbèi ya , xiǎoxiǎo Èr-gūniáng .
拨开红绫被呀, 小小二姑娘。

Miàn-huáng-qīng-shòu , bú xiàng gūniáng ya, bìng ya .
面黄青瘦, 不像姑娘呀, 病呀。

Hāhā , yīhā , yīhāhā !
哈哈, 咿哈, 咿哈哈哈!

“Èr-gūniáng , nǐ shì shénme bìng ya ? ”
“二姑娘,你是什么病呀? ”


 「哈哈調」は古い小唄の一つ。一番歌うごとに「ハハ…」と笑声を入れるので、この名がある。日本の歌謡曲「おさななじみ」(永六輔・中村八大)と同様、ちょっと甘酸っぱいメロディーを何度も繰り返す。作者は不明である。清朝中期から江蘇省、福建省、四川省、北京など中国各地に広まり、今も民謡として歌われている。日本へも江戸時代に伝わり、いわゆる「明清楽(みんしんがく)」の一つとして、中国語の歌詞のまま広く歌われた。字句やメロディーは、時代や地方ごとに差異がある。古い歌なので、歌詞の語句も、現代中国語の文法とあわないところがある。
 語り物で有名な「王大娘探病」別名「探病提媒」のはなし。ある日、かれんな少女「二姑娘」が、原因不明の病気で寝ついた。うわさを聞きつけた近所のおばさん「王大娘」が、さっそく御見舞にやってくる。──
【歌詞の大意】(1)レースの窓辺の、風鈴(ふうりん)が揺れる。少女はまどろむ。となりの王おばさん、しずしずと、たかどのに歩いてやってくる。ハハ、イハ、イハハハ!
(セリフ 二姑娘! わたしよ、王大娘。いるの?)
(2)とばりを開けると、甘い香り。赤い絹のふとん、めくってみれば、げっそりと、やつれた少女がひとり寝てる。ハハ、イハ、イハハハ!
(セリフ あなた、何の病気になったの?)
──付属CDの録音はここまで。以下、最後の(12)番の歌詞まで、おばさんがセリフで問いかけ、少女が歌で答える形で延々と続く。要約すると──「お医者さんを呼んで診てもらったら?」「お医者さんにも、私の病気は治せないわ。ハハハ…(嘆きの笑い)」「いつから病気になったの?」「この春、野遊びしたとき、若い貴公子と目と目で心を通じ合ったあの瞬間から。ハハハ…(甘美な陶酔の笑い)」「やっぱり、そういうわけだったのね。ご家族に知られたら困るんじゃないの?」「父さんも母さんも、兄も姉も気付いてません」「妹さんは?」「妹は、私と同じ病気で寝ついてるわ。ハハハ…(狂おしい笑い)」
※(3)番から(12)番までの歌詞の全文は、筆者のHPにアップしてあります。
 妹も同時に恋わずらい、というオチである。狂おしい恋の血筋である。
 メロディーは覚えやすいが、笑声のトーンを毎回、微妙に変化させて歌わねばならぬので、技巧的にはかなり難しい歌である。
 このあと「王大娘」は、少女のために一肌ぬいで、恋の橋渡しをすることを約束するのだが……。話の結末は、ここでは伏せておこう。

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