クイズ「龍」(異体字は「竜」。中国の簡体字では“龙”、ハングルでは“용”)の爪は何本でしょう? →答え 時代や地域ごとに違う。近世の東アジアでは、中国の皇帝の権力と権威の浸透度、のバロメーターにもなった。 |
中国では位(象徴する人)によって決まりがあったようだが、日本では位というより時代によって違い、室町時代以降に「妖怪めいたものの指の数」として三本に定まってきたようです。引用終了
◆中国
「皇帝の竜のみが、足に5つの鈎爪を持って描かれた。王子クラスでは鈎爪が4つ、宮廷の役人たちは3つの鈎爪しか許されなかった」
(『世界の神話百科 東洋編』) 「一見すると龍だが、皇帝の龍よりランクの低い蠎龍なのだ。爪の数を見ると確かに四本しかない」
(『図説 竜の歴史大事典』)
「指は五本が正しく、これは中国では皇帝の龍のデザインのしるしであったために、王侯貴族の龍の指は四本である」
(『図説 日本未確認生物事典』)
「中国では、大昔から龍は皇帝の象徴でしたので、一般庶民が龍を利用する(衣服の模様や家屋や調度品など)ことは禁じられていましたが、後世になって緩和されても、5本爪は皇帝のみが使用すると定められました。そうした理由で庶民は、3本爪を使用するようになりました」
(『龍の絵入門』)
◆日本
「鬼などの妖怪が三本指のため、妖怪視された近世の龍は三本の指であり、これが一般的となった」
(『図説 日本未確認生物事典』)
「中国の龍は足の指が三本なのに対して、日本では四本の指をそろえて書かれたものが多い」
「奈良時代の龍の指は鷲の脚をかたどったもので、指の数は五本、四本、三本と時によって異なっていたが、平安時代の龍は必ず四本で、熊手状に指がそろえられている。これが鎌倉時代になると四本、三本となり、室町時代以降は三本となる。鬼の指も室町時代には三本で、こうした妖怪めいたものの指は三本に定則化されていく」 (『図説 竜の歴史大事典』)