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KASANE IROME 重色目

Last updated 2019-3-20 Since 2019-3-20

 東アジアの伝統劇の本質は、「襲の色目(かさねのいろめ)」感覚にある。
KASANE NO IROME or KASANE-IROME;Layer-color/Layered colors
重(かさね)色目=重層色、混色(半透明のカラフルな布を重ねる)←→襲(かさね)色目=配合色、配色(不透明のカラフルな色を並べる)
かさねのいろめ=かさねいろめ めいじろう,meijirou,meijiro
(以下、[デジタル大辞泉]より引用。2014-12-13閲覧)
かさね‐の‐いろめ【▽襲の色目】
平安時代以降、公家社会に行われた衣服の表地と裏地、また衣服を重ねて着たときの色の取り合わせの種目。男子では直衣(のうし)・狩衣(かりぎぬ)・下襲(したがさね)などの、女子では唐衣(からぎぬ)・袿(うちき)・細長などの表地と裏地や、五つ衣(ぎぬ)・単(ひとえ)などの重なりの色の配合。男女とも季節や年齢などで着用する色が定まっていた。また、所持する懐紙の重なりの配合にもいう。
[補説]江戸後期以降に使われはじめた語。
(以下、[かさねの色目〜平安貴族の「雅(みやび)」な色]より引用。2014ー12ー13閲覧)
「かさねの色目」とは、平安時代(794年〜1192年)から鎌倉・室町時代(1192年〜1573年)の貴族の装束の色のこと。 植物の花や実や根から「色素」を汲みだして絹などを染めあげた「染織物」の色のことを指します。また、「かさね」を、 「重(かさね)」と書くときは、衣の表地と裏地を重ねたときにできる「重層色」を指し、「襲(かさね)」と書くときは、衣を重ね着したときにできる「配合色」を指します。
(以下、[襲色目と重色目]より引用。2014ー12ー13閲覧)
<襲色目と重色目について>
「襲色」 と 「重色」 につきましては、過去の文献により襲と重の文字がまちまちに使用されています。
ここでは、襲色は、十二単の袿(うちき)の主に五衣(いつつぎぬ)の組み合わせの色の配色の総称に、
重色は、袿の一枚・一着 (領) の表地と裏地の混色名に使用いたします。
 「実写ノイズ」を排除した「2.5次元」感覚の世界に、3次元(現実界)の人気役者をはめこむ「二重写し」により、 ちょっと不思議で面白い独特の世界を作り出すことが、京劇や歌舞伎の醍醐味(だいごみ)である。
 この醍醐味は、現代の「アニメ」や「(デジタル)ゲーム」とも共通性がある。
cf.京劇と「エヴァンゲリオン」の意外な類似性

 「二重写し」とは、以下のような意味である。↓
2014年(平成26年)11月14日(金)読売新聞・朝刊・23面・文化欄・12版
トピック「2.5次元ミュージカル 新次元 アニメ、漫画、ゲーム―舞台化」より引用
 2.5次元ミュージカルはお目当てのキャストというより「キャラクターを演じるキャスト」を楽しむもの。 2次元のキャラをいかに俳優の情報量で見せるか。キャラとキャストが二重写しに見える点こそが「0.5」の醍醐味(だいごみ)だ。
(中略)コンピューターの分野で使われる「2.5次元」の概念には「物体の内側がない」という特徴があるが、まさにその通り。 キャストらの情報量が多すぎる作品には、少し違和感がある。 (「ユリイカ」編集部 明石陽介さん 「二重写し」こそ醍醐味
 京劇や歌舞伎は「世代累積型集団創作」の芸術であるので、「二重写し」だけでなく、「三重写し」「四重写し」…と「重の色目」が増えてゆく。

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