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アカデミック・ライティング

明治大学和泉キャンパス 月曜5限(17:10-18:50)
教室は9/23のみ第一校舎313教室、以後は毎週メディア棟6階M604教室 最新の更新2019-10-28   最初の公開 2019-9-23

目次

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シラバス 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 その他

参考YouTubeビデオ 全部見る必要はありません。


シラバス
以下はOh-o! Meiji(https://oh-o2.meiji.ac.jp/portal/oh-o_meiji/)より引用
シラバス 年度 2019 年度
授業科目名 法学部 アカデミックライティング
 担当教員   加藤 徹  教授
 開講日 秋学期/月曜日/5限   単位数 1   キャンパス 和泉   授業言語 日本語
授業の概要・到達目標
 大学で学ぶ際には,レポートや論文を作成する技術が不可欠である。高校時代までに書き慣れた「作文」や「小レポート」などとは異なり,レポートや論文は参考文献のリサーチや精読,自身の意見の明確化,そして読み手が理解しやすい文章構成などが要求される。にも関わらず,論述の前提となる出典注記や参考文献のリストアップさえ,満足に行えない学生が少なくない。このような状況に鑑み,本授業ではレポートの作成法を順番に説明し,それらを1ステップごとに実践し,レポートの形式的な諸要件を理解することに重点を置く。
授業内容
 第1回:イントロダクション(2グループ合同で行う。必ず出席すること)
    この授業の目的/レポート仮テーマの設定
 第2回:テーマの設定に際する注意点/参考文献の「書誌」
 第3回:レポート・論文の「型」/客観的な視点(比較・対照)の必要性
 第4回:CiNii Articlesで研究の最新動向を知る/文献リストの作成
 第5回:文献引用の作法/発表資料の作り方
 第6回:各自のレポートに関する口頭発表
 第7回:レポート提出に際する注意点(2グループ合同で行う場合もある)
*授業内容は必要に応じて変更することがあります。
履修上の注意
 演習形式の授業であるため,積極的に参加しようとする意欲をもって出席してほしい。
準備学習(予習・復習等)の内容
 あらかじめ指定された参考書の該当箇所や指定された文献に目を通して授業に参加すること。授業後にも,もう一度指定された該当箇所や文献を読み,課題がある場合には,それに取り組むこと。
教科書  指定しない。
参考書
 『最新版 大学生のためのレポート・論文術(講談社現代新書)』(講談社、2018)
 『新版 論文の教室 レポートから卒論まで(NHKブックス)』(NHK出版、2012)
成績評価の方法
 授業中での発言や報告、ならびに課題(レポートを含む)により評価する(授業回数の3分の2以上出席した者のみを評価対象とする)。
その他
 2018年度以降カリキュラムの科目です。2017年度以前のカリキュラムでは,履修できません。


第1回:イントロダクション
赤組 青組 2019/9/23
 2グループ合同で行う。必ず出席すること。
 この授業の目的/レポート仮テーマの設定。
★今回の授業で理解すべき術語
 弁証法(dialectic)
 ゼネラリスト(教養人)とスペシャリスト(専門人)
 暗黙知(tacit knowledge )と形式知(explict knowledge)
 ニーズ、ウォンツ、シーズ
 法令用語としての「教諭」と「教員」の違い(「生徒」と「学生」の違い)

★グループ分け
 受講者43名(2019-9-23現在)を2つに分ける。43名中、法学部1年24組は40名、それ以外は3名。
 各自、自分のグループ名を覚えること。

★この授業の目的の説明
 シラバスをもとに加藤徹が説明する。
 用語の意味をよく理解すること。
 他のアカデミックライティングと共通の部分もあれば、加藤の授業独自の部分(例えば今あなたが見ているこのウェブページ)もあるので、双方を理解すること。

★仮テーマの設定
 自分が書きやすいテーマを、仮に設定する。実際にレポートを書き始めたあとに軌道修正してもよい。
〇テーマの例(これにこだわらなくてもよい)
 選定のポイント。

★赤組0と青組のクラス分け
 出席番号で二つに分ける。第二回以降の授業は、自分のグループの出席日に来ること(特殊な事情がある場合は個別の相談に応じます)
 今後の自分の出席日→[
明治大学2019年度学年暦()]


第2回:テーマの設定に際する注意点/参考文献の「書誌」
赤組9/30 青組10/7
★今回の授業で理解すべき術語
 科学哲学(philosophy of science)
 措定→反措定→止揚 (弁証法。正反合)
 反証可能性(falsifiability)

※もし、あなたが「必要条件」「十分条件」「三段論法」「帰納法」「演繹法」など科学哲学の基本中の基本を説明できないなら、あなたの教養レベルは深刻な状態です。今すぐ心を入れ替えて、教養の勉強をしましょう。
 文系・理系を問わず、科学哲学の基礎用語(法学部生に必要なのは30個ていど)の意味を教養課程のうちに理解しておくことが必須である。
 人文科学、社会科学、自然科学の区別も理解すること(法学は社会科学だが、人文科学、自然科学の教養も必須)。
 アカデミック・ライティング以前の問題で、科学哲学の知識がゼロだと、就職の面接などで惨敗する可能性がある。

★テーマの設定
 言いたいことを、シンプルセンテンスで表現できるかどうか。
 反証可能性が考慮されたテーマか。
 新しい知見を盛れるかどうか。
 ニーズ、ウォンツ、シーズの観点から見て価値があるかどうか。

★明治大学の教員の論文を読んでみよう。
 率直に言って、玉石混淆である(加藤徹の論文は「石」のほうである)。法学部の教員の論文はアカデミック・ライティングの水準を満たしているものが多い。
 「
明治大学学術成果リポジトリ」(学内リンク) 気になる先生の論文をネットからPDFファイルで読んでみよう。リポジトリ(repository)は保管場所の意。
 その他、「CiNii(サイニィ)」によっても論文を検索することができる。CiNiiは国立情報学研究所(NII)が運営する学術論文や図書・雑誌などの学術情報データベースである。

★書誌情報について
 文献については、読者が間違いなくその書誌や情報にアクセスできるよう、正確な書誌情報を適切な形式で表示する必要がある。
 掲載誌や学界ごとの「ローカル・ルール」にも気をつけよう(元号や西暦の扱い、頁番号の表記法、その他)。また、縦書きと横書きでも違う。
 タイトルについては、書名などは『』、論文や記事などは「」でくくる。
 論文・記事の掲載頁を表記する場合は、例えば「12-20頁」あるいは「pp.12-20」などと明示すること(どちらを使うかは、掲載誌のローカル・ルールに従う)。
 例えば、佐々木秀智教授の論文も、掲載誌によって書式が微妙に違う。
 総務省・情報通信政策研究所の学術雑誌『情報通信政策研究』に掲載された佐々木教授の寄稿論文[米国連邦通信委員会2014年規制改革審査報告―メディア市場の変化とメディア所有規制の理念の実現]と、明治大学の紀要『』に掲載された同教授の[こちらの論文]の書式の微妙な違いに注意。

 明治大学大学院教養デザイン研究科の修士論文執筆要項は、特定の学問ジャンルではなく、多様な内容を想定しているので、これを参考にするとよい。
[横書き][縦書き]

〇単行本の書籍
 原則は、
 編著者名『書名』出版社名、刊行年
の順である。後半を()でくくって、
 編著者名『書名』(出版社名、刊行年)
としてもよい。ISBNの表記は不要だが、もし書いたほうがよければ書いてもよい。
 英語など外国語の書籍の場合は、
 編著者名:タイトル(欧文の場合はイタリックにすること)、発行所、発行地(国名ないし地名をつけることが望ましい)、刊行年
とする。上記の「、」は「,」にすることも多い。
〇論文や記事
 著者名「論文タイトル」、『掲載雑誌名』巻号数、年月(元号その他の場合は西暦に換算した刊行年も併記すること。新聞・週刊誌などは年月日)、始頁-終頁
〇インターネットの記事
 当該ウェブページのURL、当該記事のタイトルおよび文責・著作権者の名前などの情報、〇年〇月〇日閲覧
※URLは後ろに回すなどしてもよい。勝田忠広教授の[こちらの論文]の文末注も参照。


第3回:レポート・論文の「型」/客観的な視点(比較・対照)の必要性
赤組10/14休日授業実施日 青組10/21
★今回、理解すべき術語
戦略 strategy・作戦 operation(s)・戦術 tactics
目的 goal/purpose と目標 target の区別
心理戦 psychological operations

★論文の型は「序論・本論・結論」
注意点
参考 [PDF「図書館活用法 レポート・論文の作り方」2014年5月8日(木)明治大学 経営学部 長野史麻]

★論文・レポートの要諦は「心理戦」
 戦争、ビジネス、就活、恋愛、スポーツ、論文・レポート、・・・いずれも「敵」「相手」「審査員」の心をわしづかみにすることが、勝利につながる。
 例えば「戦術的敗北」が「戦略的勝利」に貢献することもある。
参考 [意外!?国民的美少女コンテストで落選した芸能人・有名人]

  ★軍事的知識も役立てよう
 ビジネスや軍事学の基本中の基本である「戦略・作戦・戦術」および「目的・目標」を就職に必要な社会常識の一つとして理解しておくと、アカデミック・ライティングにも役立つ。
 ただし、大学の教員には、教養としての軍事学にもアレルギーをもつ人がいるので、軍事学的教養はひけらかさないようにすること。
 参考 [ビジネスでの「戦略・戦術・作戦・目標・目的」の違い・意味・使い方]
 参考「夫用兵之道、攻心為上、攻城為下。心戦為上、兵戦為下」。
 それ、用兵の道は、心を攻むるを上と為し、城を攻むるを下と為す。心戦を上と為し、兵戦を下と為す。出典は、正史『三国志』蜀書・馬良伝の注に引く『襄陽記』で、馬謖が諸葛亮に対して述べた言葉。 ★アカデミックライティングの達人に「型」はない。しかし初心者には「型」が必要。
〇「常識破りになれ。常識知らずになるな」by デーモン閣下
〇有構無構の教え by 宮本武蔵
 「構えあって構えなし」。兵法家・宮本武蔵は主張する。刀は敵を斬るためのもの。構えるためのものではない。敵を斬れれば何でもよいのだ。戦場で「型」を守ると、敵にこちらの次の動きを読まれて殺される。型どおりに刀を構える、などという道場剣法は、実戦ではやってはならない、と。
 宮本武蔵『五輪書』水乃巻「有構無構といふは、元来太刀をかまゆるといふ事あるべき事にあらず。され共、五方に置く事あればかまへともなるべし。太刀は敵の縁により、所により、けいきにしたがひ、何れの方に置きたりとも、其敵きりよきやうに持つ心也。(以下略)」

参考 正規戦的論文 非正規戦的論文(ゲリラ戦的論文)
  強襲的論文 奇襲的論文 (「技術的奇襲」も含む) 急襲的論文 一点突破型論文 浸透戦術型論文 包囲攻略型論文 ・・・・・・

 
第4回:CiNii Articlesで研究の最新動向を知る/文献リストの作成
赤組10/28 青組11/11
★今回の授業で理解すべき術語
 トレンド trend
 プレゼンテーション(プレゼン) presentation
 ローカル・ルール

★トレンドを読む
 研究者の「世間」に入るのが一番。
 学会に出席するのは二番。
 CiNii Articlesは三番。
参考 法学部教員が運営にかかわっている[
明治大学・ELM(法・医・倫理の資料館)]で歴史の流れをチェック

★プレゼンテーション
 青野覚・明治大学法学部教授の言葉「読み書きプレゼン」
 プレゼンの能力を磨く必要がある。
 アカデミックなプレゼン、ビジネスのプレゼン、法曹のプレゼン、など様々なプレゼンがある。

〇プレゼンでは「パワーポイント」を使うのが基本。
 明治大学公式サイト内「パワーポイント」検索結果  以下、明治大学・教育の情報化推進本部「プレゼンテーションソフトの基本操作 Microsoft PowerPoint 2013」(pdf)より引用。
 引用開始。  プレゼンテーションとは、ゼミでの研究発表や企業での会議の席上などで、自分の意見や情報、報告などを簡潔にかつわかりやすく提示し、聞き手を論理的に説得することです。この資料の作成によく使われるアプリケーションが Microsoft の PowerPoint です。PowerPoint では、テキストだけでなく、グラフィックやサウンド、動画、インターネットコンテンツなどいろいろな種類のデータを用いて資料を作成することが出来ます
引用終了。

パワーポイントの例 ビデオ化してYouTubeにアップしたもの
 明治大学・社会連携「長和町民大学」2017/09/15 担当・加藤 徹「中国人と日本人の違うところと同じところ」

 
『大辞林』第三版の解説より
プレゼンテーション【presentation】
(1) 提示。説明。表現。
(2)自分の考えを他者が理解しやすいように,目に見える形で示すこと。また特に,広告代理店が依頼主に対して行う広告計画の提示や,説明活動をいう。プレゼン。
〇プレゼンと「発表」のニュアンスの違い★
 プレゼンは発表の一種である。一般に「プレゼン」と言うと、
というイメージがある。
〇YouTubeの検索で、参考になる動画を検索してみよう。【検索語の例】「スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)」「プレゼン(presentation)」

裁判員裁判の時代、法曹界でも「プレゼン」能力は必須。
 法曹界のプレゼンに懐疑的な弁護士ですら、プレゼンの影響力の大きさを認めざるを得ない。
法廷でPC 弁護士研究会検察「対抗」裁判員制度視野に
京都弁護士会所属の若手弁護士11人で作る「法廷プレゼン研究チーム」が、裁判員裁判の弁護に役立てようと、パワーポイントを使った弁護活動の研究を始めた。(中略) このほか参加者は、事件の経過表をどのタイミングでスクリーンに映すかや、機器が作動しなくなった際などの対策、スライド資料に合わせた手ぶり、身ぶりの使い方なども学んだ。 (中略)リーダーの辻孝司弁護士は「検察庁は早期にパワーポイントを使いこなすようになった。弁護士も進化していかなければ」と話していた。
(2009年8月24日 読売新聞)
参考 法廷プレゼンテーション2012-04-20(弁護士辻孝司オフィシャルブログ)
 [こちらの頁]も参照すること。
参考 [YouTube iPhone を発表するスティーブ・ジョブス(日本語字幕)]  [YouTube [1] 効果的なプレゼンテーションとは(2014/08/15)]  [心を動かすプレゼンテーション術 〜資料作成編〜 説得力のあるプレゼンテーションスキルを身につける] [心を動かすプレゼンテーション術 〜発表編〜 説得力のあるプレゼンテーションスキルを身につける]

★ローカルルール
 文系と理系、法学とそれ以外、など、学界ごとに論文の書き方は違う。例えば文献リストの書式も、掲載誌ごとに規定がある場合が多い。
参考 [小論文の書き方・レポートの書き方>論文執筆の注意/ローカル・ルール]  [東京大学の参考文献リストの書き方(pdf)]  []
CiNii Articles(紹介済み) https://ci.nii.ac.jp/
文献リストの作成→【第2回:テーマの設定に際する注意点/参考文献の「書誌」】も参照。


第5回:文献引用の作法/発表資料の作り方赤組11/18 青組11/25


第6回:各自のレポートに関する口頭発表
赤組12/2 青組12/9


第7回:レポート提出に際する注意点(2グループ合同で行う場合もある)
赤組12/16 青組12/23

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