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四字熟語集 (+四字以外の故事成語、名言)

授業の備忘用に、漢文・漢語の熟語や成語をupしておきます。自分の備忘用なので雑然としています。
最初のup 2007.10.26 最新の更新 2007.11.5
天日無私 花枝有序 ──テンジツムシ カシユウジョ。テンジツにわたくしなく、カシにジョあり。

 天上の太陽は、何のえこひいきするもなく、万物に恵みをあたえる。
 しかし地上に咲く花には、枝ぶりの高い低いの違いや、開花する季節の早い遅いなど、自然の秩序がある。
 植物の「棲み分け」は、大自然の叡智である。
 もし仮に全ての種類の花が、それぞれ太陽の光を独占しようと高さと早さだけを競うならば、地上の植物は全滅してしまうだろう。
 高い花、低い花。早咲きの花、遅咲きの花。みんなが違うから、みんなで輝ける。
 人間の世界も、同じことだ。
cf.大森禅戒師→今村均(『続・今村均回顧録』より。
詳しくはこちら)
cf.孔子曰「天無私覆、地無私載、日月無私照。奉斯三者以労天下。此之謂三無私」(『礼記』孔子間居第二十九)
cf.「泉州長興徳宝禅師、上堂云『天無私覆、地無私載。四時無私行、日月無私照。且道衲僧無私』」(『建中靖国続燈録』巻第二十一)
「天無私覆、地無私載。日無私照、時無私行」
「春色無高下、花枝有短長。太行雖路険、依旧有人行」(『宗鑑法林』卷五十)」



『大学』より
物有本末、事有終始。ものにホンマツあり、ことにシュウシあり。論理的分析【経一章】
苟日新、日日新、又日新。まことにひにあらたに、ひびにあらたに、またひにあらたなり。日進月歩
cf.湯之盤銘曰、苟日新、日日新、又日新【伝二章】
豁然貫通 カツゼンとしてカンツウす 本質を把握せよ【伝五章】
小人間居為不善。 ショウジンカンキョしてフゼンをなす。 レジャー【伝六章】
富潤屋、徳潤身。心広体胖。とみはオクをうるおし、トクはみをうるおす。こころひろく、からだゆたかなり。 美容【伝六章】
心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味。此謂修身在正其心。
こころここにあらざれば、みれどもみえず、きけどもきこえず、くらえどもそのあじをしらず。
これを、みをおさむるはそのこころをただすにあり、という。 空虚感【伝七章】
徳者本也。財者末也。 トクはもとなり。ザイはすえなり。 財産【伝十章】
貨悖而入者、亦悖而出。カもとりていれば、またもとりていず。 悪銭身につかず【伝十章】
財聚則民散、ザイあつまれば、すなわちたみサンじ、
財散則民聚。ザイ、サンずれば、すなわちたみあつまる。 反・寡占【伝十章】
(舅犯曰、)亡人無以為宝、仁親以為宝。ボウジンもってたからとなすなければ、ジンシンもってたからとなす。【伝十章】
仁者以財発身 ジンシャはザイをもってみをハッし、
不仁者以身発財。 フジンシャはみをもってザイをハッす。 反・寡占【伝十章】
伐氷之家、不畜牛羊。バッピョウのいえは、ギュウヨウをかわず。 衣食足りて礼節を知る
cf.孟献子曰、畜馬乗、不察於鶏豚。伐氷之家、不畜牛羊。百乗之家、不畜聚斂之臣。与其有聚斂之臣、寧有盜臣。【伝十章】



『中庸』より
莫見乎隠、莫顕乎微。かくれたるよりあらわるるはなく、かすかなるよりあらわるるはなし。 韜晦【第一章】
君子和而不流。クンシはワしてながれず。 中立公平【第二章】
素患難、行乎患難。カンナンにソしてはカンナンにおこなう。 達観・処世
 cf.素富貴、行乎富貴。素貧賎、行乎貧賎。素夷狄、行乎夷狄。素患難、行乎患難。【第四章】
 cf.「災難に遭ふ時は遭ふが良く候。死ぬ時は死ぬが良く候。これは災難を逃るる妙法にて候」(良寛)
仁者人也 ジンはジンなり
義者宜也 ギはギなり
 cf.仁者人也、親親為大。義者宜也、尊賢為大。親親之殺、尊賢之等、礼所生也。【第七章】
困而知之 くるしんでこれをしる 奮闘努力
 cf.或生而知之、或学而知之、或困而知之、及其知之、一也。
   或安而行之、或利而行之、或勉強而行之、及其成功、一也。【第八章】
凡事豫則立、不豫則廃。およそことはあらかじめすればすなわちたち、あらかじめせざればすなわちハイす。 用意周到【第十章】
人一能之己百之、ひと、ひとたびしてこれをよくすれば、おのれはこれをヒャクたびす。
人十能之己千之。ひと、とたびしてこれをよくすれば、おのれはこれをセンたびす。
果能此道矣、雖愚必明、雖柔必強。はたしてこのみちをよくすれば、グなりといえどもかならずあきらかに、ジュウなりといえどもかならずつよからん。 奮闘努力【第十一章】
至誠如神 シセイはシンのごとし 誠実【第十三章】
誠者自成也、而道自道也。セイなるものはみずからなるなり、しかしてみちはみずからみちびくなり。 善循環・誠実【第十四章】
地一撮土之多 チはイチサツドのおおきなり 奮闘努力
cf.今夫天、斯昭昭之多、及其無窮也、日月星辰系焉、万物覆焉。
  今夫地、一撮土之多、及其広厚、載華岳而不重、振河海而不泄、万物載焉。
  今夫山、一拳石之多、及其広大、草木生之、禽獣居之、寶蔵興焉。
  今夫水、一勺之多、及其不測、黿鼉、蛟龍、魚鱉生焉、貨財殖焉。【第十四章】
百世以俟聖人而不惑 ヒャクセイもってセイジンをまちてまどわず
cf.考諸三王而不繆、建諸天地而不悖、質諸鬼神而無疑、百世以俟聖人而不惑。 長期的展望【第十六章】
(詩曰、)衣錦尚絅 にしきをきてうすものをくわう。 韜晦
cf.「衣錦尚絅」悪其文之著也。【第十九章】



『管子』より
刑罰不足以畏其意 ケイバツはもってそのイをおそれしむるにたらず
殺戮不足以服其心 サツリクはもってそのこころをフクするにたらず 恐怖政治の限界【牧民】
一年之計、莫如樹穀 イチネンのはかりごとは、コクをううるにしくはなし。
十年之計、莫如樹木 ジュウネンのはかりごとは、きをううるにしくはなし。
終身之計、莫如樹人 シュウシンのはかりごとは、ひとをううるにしくはなし。
一樹一穫者穀也 イチジュイッカクなるものはコクなり。
一樹十穫者木也 イチジュジッカクなるものはきなり。
一樹百穫者人也 イチジュヒャッカクなるものはひとなり。人本主義【権修】



『韓非子』より
工人数変業、則失其功。コウジンしばしばギョウをヘンずれば、すなわちそのコウを失う。反・過早転業【解老】
請漢間之地 カンカンのチをこう ほどほどの財産こそ長持ち【解老】cf.請寝之丘
紂為象箸而箕子怖 チュウ、ゾウチョをつくりてキシおそる 大は小から起こる【解老】
cf.【説林上】にも。「聖人見微以知萌、見端以知末」
。 子罕辞玉 シカンたまをジす 反「小利」・長期的展望【解老】
自勝者強 みずからかつものはつよし 曾子の肥満 人生訓【解老】
一鳴驚人 イチメイキョウジン/ひとたびなかばひとをおどろかす 楚・荘王の故事 帝王学【解老】
文王玉版 ブンオウのギョクバン 悪の帝王学・謀略【解老】
蚤蝨之細者 ソウシツのサイなるもの 人材登用・嫉視【説林上】
子胥美珠 シショのビシュ 機転・嘘も方便【説林上】
涸沢之蛇 コタクのへび 経営学・自己活用術【説林上】
老馬之智 ロウバのチ 人材登用・活用【説林上】
聖人見微以知萌、見端以知末 セイジンはビをみてもってホウをしり、タンをみてもってマツをしる
cf.紂為象箸而箕子怖 未来予知・大は小から起こる【説林上】
巧詐(不如)拙誠 コウサ(は)セッセイ(にしかず) 楽羊・秦西巴の故事 人材登用・処世【説林上】
魯人徙越 ロひとエツにうつる 人材登用・転職【説林上】
必善事左右 かならずよくサユウにつかえよ 処世術・側近【説林上】
悪者自悪、吾不知其悪也 みにくきものはみずからみにくしとす、われそのみにくきをしらざるなり 自覚・美醜【説林上】
衛人嫁女 エイひとむすめをカす 自己疎外・因小失大【説林上】
夫以人言善我、必以人言罪我 それひとのゲンをもってわれをよくせば、かならずひとのゲンをもってわれをつみせん 風評
cf.魯丹三説中山之君・・・【説林上】
同事之人、不可不審察也 ことをおなじくするのひとはシンサツせざるべからず
cf.慧子曰「狂者東走、逐者亦東走、其東走則同、其所以東走之為則異。故曰、同事之人、不可不審察也」 目的は違っても同じ行為に見える【説林上】
教相駑馬 ドバをみるをおしう 経営学・薄利多売【説林下】
為羿持的 ゲイのためにまとをとる 人材登用・プロフェッショナル【説林下】
臣能撽鹿 シンよくしかをさえぎる 嫉視への対策・自己活用術【説林下】
三蝨嘬其母 サンシツそのボをかむ 汚職役人の団結【説林下】
虺有両口 カイにふたつのくちあり 帝王学・国益と省益【説林下】
巫咸雖善祝、不能自祓也 フイはよくシュクすといえどもみずからはらうことあたわず
秦医雖善除、不能自弾也 シンイはよくのぞくといえどもみずからダンずることあたわず
cf.以管仲之聖而待鮑叔之助、此鄙諺所謂「虜自売裘而不售、士自誉辯而不信」者也。 自助努力の限界【説林下】
魏文搆韓趙 ギブン、カンチョウにコウず 中立の極意・仲裁の妙【説林下】
cf.韓、趙相与為難。韓子索兵於魏、曰「願借師以伐趙」。魏文侯曰「寡人与趙兄弟、不可以従」。 趙又索兵以攻韓、文侯曰「寡人与韓兄弟、不敢従」。 二国不得兵、怒而反。已乃知文侯以搆於己、乃皆朝魏。
海大魚 カイタイギョ 諌言の極意【説林下】
佩韋自緩 イをおびてみずからゆるくし
佩弦自急 ゲンをおびてみずからキュウにす 自己管理の妙
cf.西門豹之性急、故佩韋以自緩;董安于之心緩、故佩弦以自急。【観行】
軽千鈞而重其身 センキンをかろしとしてそのみをおもしとす
易百歩而難眉睫 ヒャッポをやすしとしてビショウをかたしとす 卑近・身近なものほど難しい
cf.烏獲軽千鈞而重其身、非其身重於千鈞也、勢不便也。
離朱易百歩而難眉睫、非百歩近而眉睫遠也、道不可也。【観行】
明主堅内、故不外失。メイシュはうちをかたむ、ゆえにそとをうしなわず。 内憂なければ外患なし【安危】
若水之流 みずのながるるがごとく
若船之浮 ふねのうかぶがごとし。 時流に乗る【功名】
cf.故得天時則不務而自生、得人心則不趣而自歓。 因技能則不急而自疾、得勢位則不進而名成。 若水之流、若船之浮、守自然之道、行毋窮之令、故曰明主。
夢見日 ゆめにひをみる
  夢見竈 ゆめにかまどをみる 君主の寵愛の寡占【内儲説上】cf.天日無私、花枝有序
人数非不衆、所言者一人也。
安得三哉 いずくんぞサンなるをえんや 言論の自由・多様性の確保【内儲説上】
今一国尽以為可 いまイッコクことごとくもってカとなせり
是王亡半也 これオウなかばをうしなうなり 言論の自由・多様性の確保【内儲説上】
cf.全会一致の判決は無効
壅塞之臣 ヨウソクのしん 言論の自由・多様性の確保【内儲説上】
cf.夫不使賎議貴、下必坐上、而必待勢重之鈞也、而後敢相議、則是益樹壅塞之臣也。
三人言而成虎 サンニンいいてとらをなす 言論の自由・多様性の確保【内儲説上】
(仲尼曰)使人行之所易、而無離所悪、此治之道。
ひとをしてそのやすしとするところをおこないて、にくむところにかかることなからしむるは、これチのみちなり。 規則の極意【内儲説上】
公孫鞅之法也重軽罪 コウソンオウのほうやケイザイをおもくす 規則の極意【内儲説上】
以刑去刑 ケイをもってケイをさる 規則の極意【内儲説上】
麗水窃金 レイスイにキンをぬすむ 帝王学・フリーライダー【内儲説上】
若如臣者、猶獣鹿也。
唯薦草而就 ただセンソウにこれつくのみ 利益>忠誠心【内儲説上】
魏民習射 ギのたみシャをならう 人材登用術・育成【内儲説上】
崇門之巷人 スウモンのコウジン 表彰の効果【内儲説上】
cf.宋崇門之巷人服喪、而毀甚瘠、上以為慈愛於親、挙以為官師。明年、人之所以毀死者歳十余人。
(越王)式怒蛙 (エツオウ)ドアにショクす 帝王学・マインドコントロール【内儲説上】
婦人拾蚕 漁者握鱣 フジンはかいこをひろい、リョウシャはセンをとる お金のためには誰でも勇者になる【内儲説上】
cf.説林下にも重出
濫竽充数 ランウジュウスウ 人材登用術・管理術【内儲説上】
久語懐刷 ひさしくかたり、サツをたまう
cf.靖郭君相斉、与故人久語則故人富、懐左右刷則左右重。 ビル・ゲイツと通りすがりの投資家 箔付け【内儲説下】
五牲之矢 ゴセイのシ 情報操作の弊害【内儲説下】
祷百束布 ヒャクソクのぬのをいのる 処世訓・人間心理【内儲説下】
子有両韓、我有両趙 シにリョウカンあり、われにリョウチョウあり 政治家の売国行為・敵対的協力者【内儲説下】
門者捐水 モンジャみずをすつ 弱い部下の復讐・フケメシ【内儲説下】
太子未生也 タイシいまだうまれざるなり 後継者問題・リーダーの移り気【内儲説下】
秦伯嫁女 シンハクむすめをカす 処世訓・オプション【外儲説左下】
買櫝還珠 バイトクカンシュ/はこをかいてたまをかえす 処世訓・ブランド【外儲説左下】
画鬼最易 キをえがくはもっともやすし 処世訓・人間心理【外儲説左上】
吮疽之仁 センショのジン 管理職・過労死【外儲説左上】
郢書燕説 エイショエンセツ 人材登用・牽強付会【外儲説左上】
買履取度 リをかうにドをとる 処世訓・マニュアル主義【外儲説左上】
中山可伐也 チュウザンうつべきなり 反マザーズ【外儲説左上】
宋襄之仁 ソウジョウのジン 処世訓【外儲説左上】
釈車而走 くるまをすててはしる 心理の盲点・非合理に走る【外儲説左上】
攻原得衛 ゲンをせめてエイをう 信用創造・反ガダルカナル【外儲説左上】
(孔子曰)善為吏者樹徳 よくリたるものはトクをたて、
不能為吏者樹怨 リたるあたわざるものはうらみをたつ パワハラ・カンニング摘発
 子皐と刖危の故事【外儲説左下】
夔非一足 キはイッソクにあらず 反迷信【外儲説左下】
不在所与居、在所与謀也 ともにおるところにあらず、ともにはかるところにあるなり 遊び仲間は三流でもコンサルタントは一流を【外儲説左下】
所以治鄴 ギョウをおさむるゆえん 側近政治の弊害・社外より社内【外儲説左下】
cf.必善事左右
(孔子曰)其倹偪下 そのケンはしもにせまる サービス残業【外儲説左下】
樹枳棘者成而刺人 キキョクをううればなりてひとをさす 飼い犬に手を噛まれる・ブーメラン効果【外儲説左下】
解狐薦讐 カイコあだをすすむ 人材登用・公平【外儲説左下】
cf.外挙不避讐、内挙不避子【外儲説左下】
施恩望報 オンをほどこしてホウをのぞむ 管仲と綺烏の役人の故事 清廉・公平【外儲説左下】
梁車刖姉 リョウシャあねをあしきる 法令の徹底<人情【外儲説右上】
昭侯独寝 ショウコウひとりいぬ トップの孤独・機密保持【外儲説右上】
狗猛酒酸 いぬたけくしてさけサンなり
最患社鼠 もっともシャソをうれう 目安箱・腐敗役人【外儲説右上】
茅門之法 ボウモンのホウ 法令の徹底>コネ【外儲説右上】
呉起出妻 ゴキつまをいだす 信用創造【外儲説右上】
従孤偃之謀 コエンのはかりごとにしたがい
仮顛頡之脊 テンケツのせをかる 信賞必罰【外儲説右上】
問子罕也 シカンにとえ 乗っ取り・ムチ>アメ【外儲説右下】
夫生而乱不如死而治 それいきてみだるるはししておさまるにしかず 公的資金投入に反対・反モラトリアム【外儲説右下】
欲利而身、先利而君 なんじのみをリせんとほっすれば、まずなんじのきみをリせよ
欲富而家、先富而国 なんじのいえをとまさんとほっすれば、まずなんじのくにをとませよ 反・過早転職【外儲説右下】
主売官爵 臣売智力 シュはカンシャクをうり、シンはチリョクをうる 契約社員【外儲説右下】
夫唯嗜魚、故不受也 それただうおをこのむ、ゆえにうけざるなり
恃人不如自恃 ひとをたのむはみずからたのむにしかず
cf.公儀休が魚を受け取らなかった故事 反・賄賂【外儲説右下】
如虎添翼 とらのつばさをそえるがごとし 帝王学
守株待兎 かぶをまもりてうさぎをまつ 人間心理・ビギナーズラック
長袖善舞 チョウシュウはよくまう
多銭善賈 ぜにおおければよくあきなう 経営学・大兵に戦術無し
侵官之害 シンカンのガイ 帝王学



『呂氏春秋』より
天下非一人之天下也、天下之天下也
陰陽之和 不長一類 インヨウのワはイチルイをチョウぜず
甘露時雨 不私一物 カンロジウはイチブツをわたくしせず
万民之主 不阿一人 バンミンのあるじはひとりにおもねらず 公明正大・大局的見地【孟春紀・貴公】
荊人遺弓 ケイひとゆみをおとす 大局的見地・公共の福祉【孟春紀・貴公】
虫出於戸 チュウ、コよりいづ 佞臣を用いた君主の末路【孟春紀・貴公】
王伯之君 オウハ(王覇)のきみ 外国には覇者、国内には王者
cf.庖人調和而弗敢食、故可以為庖。帝王学【孟春紀・去私】
惟不以天下害其生者也、可以託天下。 ただテンカをもってそのセイをガイせざるものや、もってテンカをタクすべし。 帝王学【仲春紀・貴生】
以随侯之珠、弾千仞之雀 ズイコウのシュをもってセンジンのすずめをダンず 養生・明哲保身【仲春紀・貴生】
全生、虧生、死、迫生 ゼンセイ キセイ シ ハクセイ 幸福論・養生【仲春紀・貴生】
聖王不務帰之者、而務其所以帰。セイオウはこれにキせしむるものをつとめずして、そのキするゆえんのものをつとむ。 人材・過早転職防止【仲春紀・功名】
流水不腐、戸枢不螻 リュウスイはくさらず、コスウロウせず 人材・転職奨励【季春紀・尽数】
凡事之本、必先治身 およそことのもとはかならずまずみをおさむ 健康・出世【季春紀・先己】
伯啓之戦 ハクケイのたたかい
cf.欲勝人者必先自勝 処世術【季春紀・先己】
白騾之肝 ハクラのきも 帝王学・人心掌握【仲秋紀・愛士】
請寝之丘 シンのおかをこう 処世術・財産保全【孟冬紀・異宝】
子罕辞宝 シカンたからをジす cf.『蒙求』158【孟冬紀・異宝】
弘演納肝 コウエンノウカン 忠節・大義【仲冬紀・忠廉】
抽刀相啖 かたなをぬきてあいくらう 蛮勇・無謀【仲冬紀・当務】
後世知音 コウセイ、オンをしる 【仲冬紀・長見】
尊賢上功 ケンをとうとびコウをとうとぶ
親親上恩 シンをシンとしオンをとうとぶ
cf.『淮南子』以小知大 実力至上主義の限界【仲冬紀・長見】
嬰之亡豈不宜哉、 エイのにぐるはあにむべならずや
亦愈不知士甚矣。 またいよいよシをしらざることはなはだし。
 冤罪・人材の真価を見極める困難さ【季冬紀・士節】
刻舟求剣 ふねにきざみてケンをもとむ cf. 剣を落として舟を刻む【季冬紀・察今】



『史記』より
転禍為福 因敗為功 わざわいをテンじてフクとなし ハイによりてコウをなす【蘇秦列伝】



『淮南子』より
肝胆胡越 カンタンもコエツなり
万物一圏 バンブツもイッケンなり 学問・イデオロギー【巻二 俶真訓】
庶女叫天 ショジョテンにさけぶ【巻六 覧冥訓】cf.『蒙求』87庶女振風
糟丘生乎象櫡 ソウキュウはゾウチョよりショウじ、
炮烙生乎熟斗 ホウラクはジュクショウよりショウず 犯罪・非行【巻十一 斉俗訓】
以小知大 ショウをもってダイをしり
以近知遠 キンをもってエンをしる 未来予測・犯罪予防【巻十一 斉俗訓】cf.曲突徙薪 キョクトツシシン
伊尹土功 イインのドコウ 身障者・適材適所【巻十二 道応訓】
一目之羅、不可以得鳥 イチモクのあみは、もってとりをうべからず 無用の用【巻十七 説林訓】
  逐獸者目不見太山 けものをおうものはめにタイザンをみず cf.騎虎難下【巻十七 説林訓】
  躄者告盲者、盲者負而走 ヘキシャモウシャにつげ、モウシャおいてはしる 身障者・適材適所【巻十七 説林訓】
螳螂之斧 トウロウのおの cf.『韓非子』式怒蛙【巻十八 人間訓】
千里之隄以螻螘之穴漏 センリのつつみもロウギのあなをもってもれ、
百尋之屋以突隙之煙焚 ヒャクジンのオクもトツゲキのけむりをもってやく 危険予防【巻十八 人間訓】
人莫躓於山 ひとはやまにつまずくことなくして
而躓於垤 ありつかにつまずく 失敗の本質【巻十八 人間訓】
塞翁之馬 サイオウがうま 禍福は糾える縄の如し(<『史記』南越伝)【巻十八 人間訓】



『世説新語』より
庾公(不)売馬 ユコウうまをうる(うらず) 公利【徳行篇】
阮裕焚車 ゲンユウフンシャ 人間関係・遠慮【徳行篇】
謝安教子 シャアンこをおしう 教育・親父の背中【徳行篇】
如遊蓬戸 ホウコにあそぶがごとし 達観・貧富の超越【言語篇】
蓴羹鱸膾 ジュンコウロカイ 晋の張翰 引退の時期の妙【識鑑篇】
何氏之廬 カシのいおり 曹操と何晏「明恵若神」の故事 再婚・連れ子の心理【夙恵篇】
戴淵投剣 タイエンケンをトウず 陸機と戴淵の故事 不良の更生【自新篇】
慎勿為好 つつしんでよきことをなすことなかれ 趙母嫁女 消極の処世術【賢媛篇】
王湛選妻 オウタンつまをえらぶ 井戸水を汲む姿 日常生活の中のチャンス【賢媛篇】
漸至佳境 ようやくカキョウにいたる ユーモア【排調篇】
望梅止渇 うめをのぞみてカツをやむ 詐術【仮譎篇】



『蒙求』より(全592句選112句)
5楊震関西 6丁寛易東 ようしんかんせい・ていかんえきとう 学問
23桓譚非讖 24王商止訛 かんたんひしん・おうしょうしか 占いに反対
27劇孟一敵 28周処三害 げきもういってき・しゅうしょさんがい 男気
33墨子悲糸 34楊朱泣岐 ぼくしひし・ようしゅきゅうき 人生の岐路
41燕昭築台 42鄭荘置駅 えんしょうちくだい・ていそうちえき 人材登用・公募
73枚皐詣闕 74充国自賛 ばいこうけいけつ・じゅうこくじさん 人材登用・自分を売り込む cf.韓非子「外挙不避仇、内挙不避子」
87庶女振風 88鄒衍降霜 しょじょしんぷう・すうえんこうそう 天人感応
93不疑誣金 94卞和泣玉 ふぎふきん・べんかきゅうぎょく 冤罪
103丁公遽戮 104雍歯先侯 ていこうきょりく・ようしせんこう 悪の人材登用術
109季布一諾 110阮瞻三語 きふいちだく・げんせんさんご 言葉の重み
119郭槐自屈 120南康猶憐 かくかいじくつ・なんこうゆうれん 嫉妬の解消
121魯恭馴雉 121宋均去獣 ろきょうじゅんち・そうきんきょじゅう 自然環境
123広客蛇影 124殷師牛闘 こうかくじゃえい・いんしぎゅうとう 精神病
131枚乗蒲輪 132鄭均白衣 ばいじょうほりん・ていきんはくい 人材登用・自薦
133陵母伏剱 134軻親断機 りょうぼふくけん・かしんだんき 賢母
147楊僕移関 148杜預建橋 ようぼくいかん・とよけんきょう 田舎
151西施捧心 152孫寿折腰 せいしほうしん・そんじゅせつよう セクシー
157澹台毀璧 158子罕辞宝 たんだいきへき・しかんじほう 清廉
167陳平多轍 168李広成蹊 ちんぺいたてつ・りこうせいけい 人本主義
177董宣彊項 178翟璜直言 とうせんきょうこう・てきおうちょくげん 硬骨漢
185震畏四知 186秉去三惑 しんいしち・へいきょさんわく 清廉
187柳下直道 188叔敖陰徳 りゅうかちょくどう・しゅくごういんとく 占いに反対
189張湯巧詆 190杜周深刻 ちょうとうこうてい・としゅうしんこく 酷吏
193孫康映雪 194車胤聚蛍 そんこうえいせつ・しゃいんしゅうけい 苦学
227買妻恥醮 228沢室犯斎 ばいさいちしょう・たくしつはんさい 離婚
229馬后大練 230孟光荊釵 ばこうたいれん・もうこうけいさい 賢婦人
231顔叔秉燭 232宋弘不諧 がんしゅくへいしょく・そうこうふかい 糟糠の妻
241巫馬戴星 242宓賎弾琴 ふばたいせい・ふくせんだんきん 反・サービス残業
cf.宓子賎曰「我之謂任人、子之謂任力。任力者固労、任人者固佚」
263宿瘤採桑 264漆室憂葵 しゅくりゅうさいそう・しつしつゆうき 女性の参政
277伯道無児 278嵆紹不孤 はくどうむじ・けいしょうふこ 社会保障
281伊尹負鼎 282寗戚扣角 いいんふてい・ねいせきこうかく 人材登用・自分を売り込む
289蕭朱結綬 290王貢弾冠 しょうしゅけつじゅ・おうこうだんかん 人材登用・相互に推挙
295王裒柏惨 296閔損衣単 おうほうはくさん・びんそんいたん 継子いじめの解消
301周公握髪 302蔡邕倒屣 しゅうこうあくはつ・さいゆうとうし 人材登用・熱意
303王敦傾室 304紀瞻出妓 おうとんけいしつ・きせんしゅつぎ 果敢に自己改革
307霊運曲笠 308林宗折巾 れいうんきょくりゅう・りんそうせつきん 人気・ファッション
335虞延刻期 336盛吉垂泣 ぐえんこくき・せいきつすいきゅう 処罰・温情
337予譲呑炭 338鋤麑触槐 よじょうどんたん・しょげいしょくかい 恩讐を越えて
361師曠清耳 362離婁明目 しこうせいじ・りろうめいはく 天才の孤独
367徳潤傭書 368君平売卜 とくじゅんようしょ・くんぺいばいぼく 苦学・アルバイト
375趙勝謝躄 376楚荘絶纓 ちょうしょうしゃへき・そそうぜつえい 人心掌握・寛大
409朱雲折檻 410申屠断鞅 しゅうんせっかん・しんとだんおう 硬骨漢
413管仲随馬 414倉舒称象 かんちゅうずいば・そうじょしょうぞう 老馬の智
415丁蘭刻木 416伯瑜泣杖 ていらんこくぼく・はくゆきゅうじょう 母親孝行
425勾践投醪 426陸抗嘗薬 こうせんとうろう・りくこうしょうやく 人心掌握・公平
429田予倹素 430李恂清約 でんよけんそ・りじゅんせいやく 人心掌握・質素
433孟陽擲瓦 434賈氏如皐 もうようてきが・かしじょこう ぶおとこ
441老莱斑衣 442黄香扇枕 ろうらいはんい・こうこうせんちん 親孝行
471西門投巫 472何謙焚祠 せいもんとうふ・かけんふんし 迷信に反対
483鼂錯峭直 484趙禹廉裾 ちょうそしょうちょく・ちょううれんきょ 清廉・悲劇
499郭伋竹馬 500劉寛蒲鞭 かくきゅうちくば・りゅうかんほべん 処罰・寛大
513汲黯開倉 514馮煖折券 きゅうあんかいそう・ふうえんせつけん 人心掌握・救済
521廉頗負荊 522須賈擢髪 れんぱふけい・しゅかてきはつ 交友・謝罪
541張敞画眉 542謝鯤折歯 ちょうしょうがび・しゃこんせっし 愛妻
557不占殞車 558子雲投閣 ふせんいんしゃ・しうんとうかく 仁者の勇
561無塩如漆 562姑射若氷 ぶえんじょしつ・こやじゃくひょう 醜女・賢婦人
587王述忿狷 588荀粲惑溺 おうじゅつふんけん・じゅんさんわくでき ストレス


『千字文』より(全250句中選24句)

天地玄黄 宇宙洪荒 テンチはゲンコウ、ウチュウはコウコウなり。
海鹹河淡 鱗潜羽翔 うみはしおからく、かわはあわし。リンはひそみ、ウはかける。
空谷伝声 虚堂習聴 クウコクにこえをつたえ、キョドウにシュウチョウす。
尺璧非宝 寸陰是競 セキヘキはたからにあらず。スンインをこれきそえ。
川流不息 淵澄取映 かわはながれてやまず、ふちはすみてエイをとる。
楽殊貴賎 礼別尊卑 ガクはキセンをことにし、レイはソンピをわかつ。
都邑華夏 東西二京 トユウはカカにあり、トウザイニケイあり。
宮殿磐鬱 楼観飛驚 キュウデンはバンウツとして、ロウカンはヒキョウす。
升階訥陛 弁転疑星 カイにのぼりヘイにいる。ベンテンしてほしかとうたがう。
治本於農 務茲稼穡 チはノウをもととす。このカショクにつとむ。
枇杷晩翠 梧桐早凋 ビワはおそくみどりに、ゴトウははやくしぼむ。
昼眠夕寝 藍笋象床 ひるはねむりよるはいぬ、ランジュンとゾウショウあり。
矯手頓足 悦与且康 てをあげあしをふみならし、エツヨしてかつやすし。


補足

ェ難 カンなるはかたし
 鄭子産有疾。謂子大叔曰「我死、子必為政。唯有徳者、能以ェ服民。其次莫如猛。夫火烈、民望而畏之、故鮮死焉。水懦弱、民狎而翫之、則多死焉。故ェ難」【左伝・昭公二十年】

其一
独木難支 ドクボクはささえがたし
  大厦将顛、非一木所支也。【文中子・事君】
楽出虚 ガクはキョにいず 【荘子・斉物論】
寛則得衆 カンなればすなわちシュウをえ
信則民任焉 シンなればすなわちたみニンず
敏則有功 ビンなればすなわちコウあり
恵則説 ケイあればすなわちよろこぶ 【論語・堯曰】
善為吏者樹徳 よくリたるものはトクをたて
不能為吏者樹怨 リたるあたわざるものはうらみをたつ【韓非子・外儲説左下 既出】
以一人治天下 イチニンをもってテンカをおさむるも
不以天下奉一人 テンカをもってイチニンにほうぜず 【張蘊古『大宝箴』】
滅六国者六国也、非秦也 リッコクをほろぼしたるものはリッコクなり、シンにあらざるなり
族秦者秦也、非天下也 シンをゾクするものはシンなり、テンカにあらざるなり 【杜牧『阿房宮賦』】
高祖曰「公知其一、未知其二。夫運籌策帷帳之中、決勝於千里之外、吾不如子房。 鎮国家、撫百姓、給餽[食囊]、不絶糧道、吾不如蕭何。 連百萬之軍、戰必勝、攻必取、吾不如韓信。 此三者、皆人傑也、吾能用之、此吾所以取天下也。項羽有一范搦ァ不能用、此其所以為我擒也」【『史記』高祖本紀】
下達上通、至聡之聴也 カタツジョウツウは、シソウのチョウなり 【尉繚子・原官第十】
世異則事異 よことなればすなわちことことなり 【韓非子・五蠹】
君子以人治人 クンシはひとをもってひとをおさむ 【中庸】
以力假仁者霸、霸必有大国。ちからをもってジンをかるものはハたり、ハはかならずタイコクをユウせんとす。
以徳行仁者王、王不待大。トクをもってジンをおこなうものはオウたり、オウはダイをまたず。
湯以七十里、文王以百里。以力服人者、非心服也、力不贍也。
以徳服人者、中心悦而誠服也。如七十子之服孔子也。【孟子・公孫紐上】
王伯之君 オウハ(王覇)のきみ 外国には覇者、国内には王者
cf.庖人調和而弗敢食、故可以為庖。帝王学【呂氏春秋・孟春紀・去私 既出】
尊賢上功 ケンをとうとびコウをとうとぶ
親親上恩 シンをシンとしオンをとうとぶ
cf.『淮南子』以小知大 実力至上主義の限界【呂氏春秋・仲冬紀・長見 既出】
刻舟求剣 ふねにきざみてケンをもとむ cf. 剣を落として舟を刻む【呂氏春秋・季冬紀・察今 既出】
伊尹土功 イインのドコウ 身障者・適材適所【淮南子 巻十二 道応訓 既出】
189張湯巧詆 190杜周深刻 ちょうとうこうてい・としゅうしんこく 酷吏【蒙求 既出】
241巫馬戴星 242宓賎弾琴 ふばたいせい・ふくせんだんきん 反・サービス残業
cf.宓子賎曰「我之謂任人、子之謂任力。任力者固労、任人者固佚」【蒙求 既出】

其二
大義滅親 タイギ、シンをメッす 【左伝・隠公四年】
有孺子歌曰
滄浪之水清兮、可以濯我纓 ソウロウのみずすまば もってわがエイをあらうべし
滄浪之水濁兮、可以濯我足 ソウロウのみずにごらば、もってわがあしをあらうべし
孔子曰「小子聴之。清斯濯纓、濁斯濯足矣、自取之也」。
夫人必自侮、然後人侮之。それひとかならずみずからあなどりて、しかるのちにひとこれをあなどる。
家必自毀、而後人毀之。いえかならずみずからこぼちて、しかしてのちにひとこれをこぼつ。
国必自伐、而後人伐之。くにかならずみずからうちて、しかしてのちひとこれをうつ。
『太甲』曰「天作孽、猶可違。自作孽、不可活」此之謂也。【孟子・離婁上】
歪打正着 (怪我の功名)【俗語】
豈若匹夫匹婦之為諒也、自経於溝涜而莫之知也 あにヒップヒップのまことをなし、みずからコウトクにくびれてこれをしるなきがごとくせんや。 【論語・憲問】
行小忠則大忠之賊也 ショウチュウをおこなうはダイチュウのゾクなり 【韓非子・十過】
告子曰「性猶湍水也。決諸東方則東流、袂諸西方則西流。人性之無分於善不善也、猶水之無分於東西也」孟子曰
「水信無分於東西 みずはまことにトウザイをわかつことなきも
無分於上下乎 ジョウゲをわかつことなからんや
人性之善也、猶水之就下也。人無有不善、水無有不下。今夫水、搏而躍之、可使過顙(額)、激而行之、可使在山。是豈水之性哉。其勢則然也。人之可使為不善、其性亦猶是也。」 【孟子・告子上】

其三
青天白日 【韓愈「与崔群書」】
内省不疚、夫何憂何懼 うちにかえりみてやましからずんば、それなにをかうれえなにをかおそれん 【論語・顔淵第十二】
因小失大 ショウによりてダイをうしなう 【俗語】
勿以悪小而為之 アクのショウなるをもってこれをなすことなかれ
勿以善小而不為 ゼンのショウなるをもってなさざることなかれ
cf.劉備が息子にのこした言葉を諸葛孔明が引用したもの【三国志・蜀書・注】
仰不愧天、俯不怍人 あおぎてテンにはじず、フしてひとにはじず 【孟子・尽心上】
積善之家、必有余慶 セキゼンのいえにはかならずヨケイあり
積悪之家、必有余殃 セキアクのいえにはかならずヨオウあり 【説苑・談叢】
謝安教子 シャアンこをおしう 教育・親父の背中【世説新語・徳行篇 既出】
185震畏四知 【蒙求 既出】

其四
徳者得也 徳は得なり 【礼記・楽記】
cf.しあわせ < シ+あわせ
心不在焉、視而不見、聴而不聞、食而不知其味。此謂修身在正其心。
こころここにあらざれば、みれどもみえず、きけどもきこえず、くらえどもそのあじをしらず。 これを、みをおさむるはそのこころをただすにあり、という。【大学・伝七章】
徳者本也。財者末也。 トクはもとなり。ザイはすえなり。【大学・伝十章】
富潤屋、徳潤身。心広体胖。とみはオクをうるおし、トクはみをうるおす。こころひろく、からだゆたかなり。 【大学・伝六章】
仁者以財発身 ジンシャはザイをもってみをハッし、
不仁者以身発財。 フジンシャはみをもってザイをはっす。【大学・伝十章】
徳者内也。得者外也。トクとはうちなり。トクとはそとなり。
上徳不徳、言其神不淫於外也。神不淫於外則身全、身全之謂徳。
徳者、得身也。トクとは、みにうるなり。【韓非子・解老】
229馬后大練 230孟光荊釵 ばこうたいれん・もうこうけいさい 賢婦人【蒙求 既出】

其五
有衛生之道 エイセイのみちあり
而無長生之薬 しかしてチョウセイのくすりなし【長春真人西遊記】
  cf.問「真人遠来、有何長生之薬以資朕乎」。師曰「有衛生之道、而無長生之薬」
一夜新霜著瓦軽 イチヤシンソウ かわらにつきてかろし
芭蕉新折敗荷傾 バショウはあらたにおれ ハイカはかたむく
耐寒唯有東籬菊 カンにたうるは ただトウリのキクのみありて
金粟花開暁更清 キンゾクのはなはひらきて あかつきさらにきよし【七言絶句「菊花」 白居易】


【メモ】
 故伊尹之興土功也、修脛者使之蹠钁、強脊者使之負土、眇者使之准、傴者使之塗、各有所宜、而人性齊矣。胡人便於馬、越人便於舟、異形殊類、易事而悖、失處而賤、得勢而貴。聖人總而用之、其數一也。──『淮南子』斉俗訓
 故に伊尹の土功を興すや、修脛(しゅうけい)なる者には之をして钁(くわ)を蹠(ふ)ましめ、強脊(きょうせき)なる者には之をして土を負はしめ、眇者(びょうしゃ)には之をして准せしめ、傴者(うしゃ)には之をして塗らしむ。各(おのおの)宜しき所有りて、人の性は斉(ひと)し。胡人は馬に便に、越人は舟に便なり。形を異にし類を殊にするもの、事を易(か)ふれば而ち悖(もと)り、処を失へば而ち賤しく、勢を得れば而ち貴し。聖人は総(す)べて之を用ふ、其の数は一なり。

 天下非一人之天下也、天下之天下也。(中略)荊人有遺弓者、而不肯索。曰「荊人遺之、荊人得之、又何索焉」。孔子聞之曰「去其荊而可矣」。老聃聞之曰「去其人而可矣」。──『呂氏春秋』孟春紀・貴公
 天下は一人の天下に非ずして、天下の天下なり。(中略)荊人(けいひと)に弓を遺(おと)す者有りて、肯て索(もと)めず。曰く「荊人、之を遺し、荊人、之を得。又何ぞ索めんや」と。孔子、之を聞きて曰く「其の荊を去らば可ならん」と。老聃(ろうたん)、之を聞きて曰く「其の人を去らば可ならん」と。



外部リンク
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