ブラジルの最先端都市で混交する宗教文化 −パラナ州クリチーバ−


0、ブラジル=重層的な社会

ひとつの国の中で世界のあらゆる文化が無節操とも言えるほど重層的に混合している
→御利益のあるものはなんでも拝む?
南ブラジル・パラナ州→比較的涼しく、東欧系や日系移民が多い
クリチーバ→ パラナ州の州都、高原小綺麗な近代都市

1、先住民文化

ブラジル南東部の先住民はトゥピ・グアラニ系
アマゾン上流域はアヤワスカの使用が特徴的

2、ヨーロッパのキリスト教・スピリチュアリズム文化

建前上はポルトガル由来のカトリックだが・・・
アラン・カルデックなどのフランス版スピリティズム(エスピリタ)が本国よりも残っている
(キリスト教に基づきつつも、ヒンドゥー的な輪廻転生の観念を含んでいるところが特徴)
霊媒による心霊治療回転テーブル霊界通信など

3、西アフリカの精霊信仰

おもに労働力としてヨルバなどの西アフリカ系の人々が連れてこられた
もっとも原形に近いのがカンドンブレ
武術としてはカポエイラがポピュラーに

精霊信仰とカトリック、とくにスピリティズムが習合したものがウンバンダ(動画
さらにそれとアマゾン先住民のアヤワスカ・シャーマニズムが習合したのがサント・ダイミ(ダイミ)やウニオン・ド・ヴェジタル(UDV)

4、現代都市におけるオリエンタルなもの、アルカイックなものへの志向

インド→ヨーガ、インド系新宗教
→サント・ダイミは都市でハーレ・クリシュナラジニーシ系運動と結びつき、海外にも展開
中国→老荘思想、漢方・鍼灸 
日本→霊気(ヘイキ)、指圧(シアツ)
古代ギリシア→新ピタゴラス派協会
古代エジプトピラミッド信仰(ufu)

5、さらに、宇宙的なものへの志向

南米ではエイリアンアブダクションの事例が多い→UFOlogiaが盛ん

6、心霊主義的文化と学術的研究

エスピリタ(スピリチュアリスト)の大学→ベゼッハ・ジ・メネゼス大学
→宗派的な縛りは弱く、実験超心理学研究室(CIPE)も整備されている
国際協力プロジェクトで小久保、蛭川が研究環境の整備に協力
→二年に一度開かれるEncontro Psi(サイ会議)は南米でもっとも学術的な超心理学の学会
※蛭川らのFieldREG実験論文

(蛭川 立  明治大学情報コミュニケーション学部)