シチリア王リオンティーズとボヘミア王ポリクシニーズは幼い頃からの無二の親友であった。
今、リオンティーズの宮殿に滞在していたポリクシニーズ。これ以上国を空けてはいられないと言う。
リオンティーズは引き留めようとして、王妃のハーマイオニに説得を頼む。
はじめは固辞するポリクシニーズだったが、ハーマイオニの熱意に動かされ、ついに逗留を決める。

しかし、喜ぶはずのリオンティーズの内に突然暗雲が立ちこめる。
ポリクシニーズとハーマイオニが、まるで恋人同士のようにみえたのだ。
“二人はもしかしてこの滞在中に愛をはぐくんでいたに違いない。
ハーマイオニは臨月の体――もしかして彼の子を宿したのでは!?”
リオンティーズの内に沸き起こった疑念は二人の嫉妬へと発展し、恐ろしい決断を実行に移すことになる。
そして、16年後、奇跡的な結末が・・・。