コンピュータ言語は英語などの自然言語と同様，「言葉」の仲間であると考えられる．
従って，習得する最も効果的な方法は，「たくさん使うこと」である．
プログラムをたくさん作り，試すことを繰り返して初めて習得可能になる．
今後も必要な技術であるから，自宅のコンピュータや自分のノートPCなどでもC++の開発環境が使えるようにセットアップしよう．
「プログラム開発環境」とは，プログラムを入力して作成し，機械語に翻訳（コンパイル）するための一連のソフトウエアのことを指し，一般には．
などを指す．
ここでは，エディタとコンパイラのインストール方法を解説する．
実際のプログラム開発では，エディタ，コンパイラ，デバッガが一体となった「統合開発環境」を使うことも多いが， いろいろな初期設定や，そのソフトウエアの操作方法自体の理解に余分な時間を要するので，授業ではなるべくシンプルな環境を説明する． プログラミンングに慣れてきたらこれらの高機能な開発環境にチャレンジしてみよう．
プログラムを入力するためにはエディタが必要である．
Windows10では，標準機能として「メモ帳」アプリが利用できるが，本格的なプログラミングには専用のエディタを使うほうが効率的で良い．
Windows用エディタ（フリーソフト）
その他，vim, Emacs, TeraPad,など，いろいろなエディタがあるので，各自で使いやすいものを用いればよい．
本授業では，コンパイラとして gcc (GNU compiler collection)の c++ compilerを使用する．
コンパイラの入手・インストール・初期設定は，以下を参考のこと．
インターンネットなどで gcc MinGW インストール などのキーワードで検索すると，数多くの解説が見つかる．
また，書籍にコンパイラがCD-ROMとして付属しているものもある．（ただし，コンパイラのバージョンがやや古い場合あり．）
その他にも，無償で利用可能なコンパイラとして
などがある．いずれも，個人利用，教育用途では無償だが，商用利用の場合はライセンス形態に注意する．
どうしても gcc のインストールに問題がある場合は，BCC(Embarcadero C++) を使用しても良いが，授業で使用する gcc と細かな点で違いがあり，同じプログラムでもコンパイルできなかったり，実行結果が僅かに異なる場合がありうる．
課題を提出する際は，最終的に gcc でコンパイルし，実行結果を確かめてから提出すること．
（ただし，プログラムを正しく記述すれば，どのコンパイラを用いても正しい実行結果が得られる．）
XCodeに高機能なエディタが付属しているが，操作に慣れるまでは使いにくいので，シンプルな専用エディタもおすすめである．
Mac用エディタ（おもにフリーソフト，無償利用可能なもの．）
Mac の 場合は, AppStore から Apple純正の開発環境である Xcode をインストールする．
Xcodeをインストールすることで，最強のコンパイラの一つである gcc が利用できるようになる．
以下にXcode関連のリンクを示す．
Xcodeは基本的に無料で利用することができ，C++ のプログラム以外にも iOS や MacOS のアプリが開発できる．
上記の他に，MacでWindowsまたはWindowsアプリケーションを動かすという手もある．
これを使えば，Mac上でWindows用のコンパイラを動かすことも可能．
実際に動かすには，商用のアプリケーションを利用するか，または無料のソフトを導入する必要があるので， 無料ソフトの導入にはそれなりに知識が必要である．
例えば，
最近のWindows10では，OSの機能としてWindows上にLinux(UNIX互換OS)を動かすことができる．
これは，WSL(Windows subsystem for Linux)と呼ばれ，Windows10 に追加で別途インストールが必要であるが，
g++ などを Windows 上でシームレスに使用できるので，とても便利である．