5.アモルファス氷の構造と物性

宇宙空間には、酸素、炭素、窒素、水素等の元素が大量に存在します。これらの元素は、星間空間では気体として存在しますが、低温の星形成領域では塵粒子表面に凝集し、氷および有機分子(宇宙低温物質)を形成します。宇宙低温物質は、アミノ酸の構成元素から成るため、生命起源物質へと進化する可能性を秘めていますが、その進化のメカニズムは明らかではありません。宇宙低温物質の進化の過程を探る上では、原子反応の場となるアモルファス氷の構造や物性を理解することが重要です。本研究室では,アモルファス氷の構造と物性を明らかにするため,分子動力学法を用いた研究を進めています。[1]

[1] Y. Kumagai, T. Ikeda-Fukazawa: Chem. Phys. Lett. 678 (2017) 153.
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