POV_Rayによる画像 【作品】ひまわり 佐々木淑恵 E-mail:tsasaki8@meiji.ac.jp
フィボナッチ数列で描く図形
植物の花や葉の配列には,周期性のあるらせん模様が現れる。このらせん模様は,非対象の等角螺旋で構成され,模様を構成する螺旋数は,フィボナッチ数列に関連することが多いことはよく知られている。[5-7]
ここでは,上述の植物構造に見られる非対称の螺旋特性をフィボナッチ数とこれに関連する黄金比や黄金角を用いて数理的に解析し,植物の形態に関するモデルを3次元CGで考える。[8]
フィボナッチ数列は,植物の茎の回りの葉のつき方に見られる。葉は,日光を受けやすいように重ならないよう,らせん状に回転しながらついている。ここで,何周かした時点で,上の葉と重なる葉がある。
茎の回りをらせん状にa周するたびに葉の配列が一致する。その間,b枚の葉がある。ここで,重なるまでの回転数aと重なるまでの葉の枚数bの関係は,隣り合うフィボナッチ数列の数と一致することが知られている。
このように植物の茎にある葉が,フィボナッチ数列のパターンに従ってついているという事例を知って,葉序の法則と同じ規則を使ってCGを描くことを考えた。
フィボナッチ数列は,
F(0)=0,F(1)=1,F(n+2)=F(n+1)+F(n)
のように,前の2項の和が次の項となる数列で,
0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987,1597‥‥‥‥
の順序で並ぶ。
らせん上に楕円球のオブジェクトを配置して,ひまわりの種のような模様に仕上げた。
参考文献
[5] J.H. Palmer:Symmetry in Plants,R,V,Jean and D.Barabe ed.,World Sci.Publ.,1998,p.145
[6] J.Kappraff:Connections,World Scientific Publications,2001 ,p93.
[7] I.Stewart:Life’s Other Secret,The New Math. of Living World,J.Wiley and Sons,1997,p121
[8] 野島武敏,萩原一郎編 “折紙の数理とその応用”共立出版 2章 野島武敏p68-70