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国際シンポジウム「中東難民と欧州統合」
Middle East Refugees and European Integration

2016.03.09

概要

巨大な難民の流れは世界史に転換点を生み出す。20世紀は戦争の世紀であり、多くの難民を生み出した。21世紀も難民の世紀が続く。
 欧州は昨年来、中東難民問題をめぐって混乱の渦中にある。さらに連続テロが発生するなど、欧州統合の根幹が揺らいでいる。今も欧州をめざす中東難民の大移動が止まない。
 欧州と中東をめぐる人の大移動は今回が初めてではない。第二次世界大戦後、ナチスの収容所から解放された数十万のユダヤ人が難民化し、パレスチナに「永住の地」を求めて移動した。これが中東戦争の発端であり、中東難民問題の出発点でもある。
 中東難民の行く手には、また揺らぐ欧州統合の先にはどのような未来が待っているのか?そして世界史はどう動くのか?現在進行中のシリア和平会議の混乱と混迷が象徴しているように、中東難民問題は大国の利害や思惑を巻き込んで、解決の糸口を未だ見いだせないでいる。
 今回企画された難民シンポジウムではシリア難民問題を大国の視点ではなく、関係する諸地域の視点から捉える。中東研究とスラブ東欧研究、そしてヨーロッパ研究が恊働することにより、難民問題への理解を深めるだけでなく、新たな世界史認識の視座を模索する。日本は世界の地域研究分野において独自の地歩を占め、欧米とは異なる優れた成果を生み出してきた。本シンポジウムは中東難民問題において国際的な議論の牽引役となる。(PDFのチラシは、こちらをご覧下さい)

日時

2016年3月24日(木)13:30~19:30

場所

明治大学駿河台キャンパス リバティタワー1階 1011教室

101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1

登壇者・進行

問題の提起 13時30分-13時40分
家田修(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)
第一セッション 欧州の統合と分裂 13時40分-15時30分
樽本英樹(北海道大学文学研究科)「ヨーロッパ難民危機の構造と影響」
中澤達哉(東海大学文学部)「スロヴァキアのシリア難民問題ー民族自然権原理の発動にみる東欧小民族の寛容性と排他性ー」
仙石学(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)「移民/難民問題とポーランド−東欧の「例外」から「一員」へ」
第二セッション 中東難民の現在 15時40分-17時20分
アフムド・アル=マンスール(アレッポ大学/慶応大学総合政策学部客員)"Syrian Refugees and the Future, Dilemma Needs Attention"
ナジーブ・エルカシュ(ジャーナリスト、シリア出身)
今井宏平(日本学術振興会特別研究員PD )「トルコとEUの難民/移民対策の現状と課題」
第三セッション 中東難民の将来 17時30分-19時30分
酒井啓子(千葉大学法政経学部)「戦後イラクにおける排他主義の浸透を考える」
長澤栄治(東京大学東洋文化研究所)「アラブ革命と難民問題」
佐原徹哉(明治大学政治経済学部)「中東難民問題と世界の将来:トルコの思惑、ロシアの軍事介入、ウィーン和平プロセス、クルド問題、対EU・NATO外交の裏側」

開催校

明治大学政治経済学部

共催

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター
明治大学国際武器移転史研究所
科研費基盤研究A「現代中東・アジア諸国の体制維持における軍の役割
科研費基盤研究A「アラブ革命と中東政治の構造変容に関する基礎研究
科研費基盤研究B「多層的な民族共生への道」

後援

地域研究コンソーシアム

連絡先

メール: wakamidori_ki@@@yahoo.co.jp(今井)
(お手数をおかけいたしますが、@を1つにして送信してください。)
電話:090-7178-8104(今井)/ 090-2813-4907(家田)

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