水中竜巻

 水を満たしたアクリル製円筒タンク(直径約0.8m、高さ約1m)の水面下に直径50mmの回転羽根を設置する。羽根車の回転によりタンク内には角運動量が与えられると同時に上方への流れが生じるために竜巻が発生する。この竜巻をステレオPIVで計測し、渦の生成過程やその機構を調べる。
 本研究は(株)環境測定サービスとの産学共同研究であり、同社の「エコフロー」により発生する水中竜巻の特性を調べることを目的としている。

下記論文に詳細を掲載しています。
羽成敏秀、榊原 潤、2010, "Dual-planeステレオPIVによる竜巻状渦の流動計測", 可視化情報学会論文集, Vol.30, No.7, pp.47-54.[フルテキスト]


 
実験装置全体図。装置手前の横長枠は計測装置を乗せる台であり、上下方向にトラバースする。その他、PIV校正用の大型2次元トラバーサが装置の向こう側にある。
 
計測装置の配置。ステレオPIVによって水平面の速度3成分を計測する。

 

 
回転中の羽根車を水面下から見たところ
直径50mmの羽根車。NCによってステンレスの塊から削りだしたもので、接合部は無し。入曽精密(株)に製作を依頼した。

容器下部に青色染料(メチレンブルー)を混ぜた食塩水を注入し、竜巻を形成したところ。水よりも比重の大きい食塩水が竜巻により上方へ吸い上げられている。

 

 
底面からh=100mmにおける竜巻断面の速度ベクトル分布。色は断面に垂直な速度成分。