リング後流

 リング後流の流速場を粒子像流速測定法(PIV、 Paticle Image Velocimetry)を用いて実験的に計測し、三次元的な渦構造を捉えた。またリングに螺旋擾乱(helical disturbance)を与えることにより、リング後流にらせん状の渦を発生させた。
 Re=300以上においてリング後流に再循環領域が発生し、レイノルズ数の増加に伴い、その領域が長くなることが確認された。
 リング後流の三次元的な渦構造を可視化するために、ステレオPIV法により速度3成分計測を行った。得られた時系列データからTaylorの凍結乱流仮説に基づき時間方向を空間方向に置き換え、流れ方向の速度勾配を算出し、瞬時渦度の3成分を得て、渦度の等値面を可視化した。その結果、擾乱を加えない場合では、リング後流に周期的な渦輪列が構成されているのが確認でき、螺旋擾乱を加えた場合は螺旋状の渦構造が確認できた。 


ringwake_rig   testsection
実験装置全体図
 
テストセクション。サーボモータがリングを釣るワイヤにつながっており、それによりhelical disturbanceを与える。また、リングの抗力をストレンゲージで計測する。

 

piv    
PIVセットアップ。ステレオPIVでは流れに垂直名断面を計測した。
 

ring
実験条件

 

vector_2c  
速度ベクトルと渦度等値線。 リング形状はD/w =5。Re=300-350で再循環領域ができる。
 

 

vortex1  
渦度等値面。Re=150, helical disturbanceを与えていない場合(軸対称モード)。  

 

vortex2   
渦度等値面。Re=150, helical disturbanceを与えた場合(ヘリカルモード)。