日本超心理学会月例会

2005年3月27日(日曜)


(1) ESP実験報告

前回に実施した実験のアウトライン、方法の反省、分析結果の簡単な報告。(ガンツフェルト部分のみ、乱数発生器部分は次回月例会で再度実験を行なってまとめて報告)

  報告:早瀬勇一


(2) 遠隔視(リモートヴューイング)・スターゲート計画について討論

・・・スターゲート計画とそこで実施されたリモートヴューイング実験について

  伊藤信哉「スターゲート計画〜その歴史的経緯と評価」(超心理学研究第2号、1997年)の解説、および、小久保秀之「ゴルゴ13ファイル〜PSYCHIC BATTLE」(小学館、2004年)の解説をもとに、スターゲート計画について振り返った。

・・・スターゲート計画を題材とした映画『サスペクト・ゼロ』(上映中)を見て・・・

  この作品では、対ソ軍事政策として極秘裏に遂行された超能力者養成のイカロス計画(通称スターゲート計画)がキーワードとなると共に、透視だけでなく被害者の感情に同調してしまうその計画の元被験者であったリモートビューアーの苦悩が描かれている。劇中には優れたリモートビューアーとして心的外傷・高度な知能・及び強迫観念などの条件であったが、それが本当に必要十分条件として成り立つかは疑問であるが、彼らの心理学的・生理学的な意識知覚システムの構造や先天性(後天性も報告されているが)の第六感的な能力に対する偏頭痛や幻覚の特有な副作用のメカニズム解 明など様々な関心が沸き起こる。しかしながら同時に我々は、作中における被害者の感情に同調してしまうリモートビューアーもまた、冷戦時の高度国家レベル政策が彼らの自我の崩壊を顧みず計画遂行のために使い捨て、闇に葬った過去の負の遺産として“被害者”であったことに共感の念が絶えないのではないだろうか。(話題提供者:高岡昂太)

・・・リモートヴューワー「マクモニーグル」の自伝『FBI超能力捜査官』(ソフトバンク)を読んで・・・

 原題は“stargate chronicles”。スターゲート・プロジェクトの被験者第一号として、プロジェクトの発足から閉鎖まで第一線で活躍、屈指の能力者と言われた著者が、自らの半生を語るノンフィクション。プロジェクトでの“サイキック・スパイ”としての活動を中心に、リモート・ビューワーとしての多彩な活動―行方不明者の捜索、邦題を始めとするテレビ番組での実演、複数の超心理学研究所との共同研究など―について、透視の失敗例も含め、事実をありのままに記している。
 著者の透視でしばしば見られるという“左右の反転現象”について、月例会の席上、石川幹人先生から貴重なご指摘をいただいた。このような現象は、実は、能力者に限らず、人工水晶体を移植したばかりの患者にも見られるとのこと。つまりこれは、不完全な、未発達の視覚の特徴だということである。ただし、透視にしか見られない特殊な視覚異常も存在する、との説もあり、今後の解明に期待したい。 (話題提供者:中村薫子)


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