明治2倍デュエマ杯

-活動報告-



  1. はじめに
     本記事は2023年12月15日に開催された明治2倍デュエマ杯の活動報告となります。
     全4回戦が50分で終了する脅威の高速環境となった今大会。テキスト2倍デュエマでしか成立しないコンボやリソースを搭載したデッキが暴れ回りました。それらをご紹介しましょう。
    (テキスト2倍デュエマとは、各カードのテキスト部分に記載されている数字のみを2倍した状態でプレイする非公式ルール)



  2. 大会結果・分布
     優勝:左手選手/赤単ビートジョッキー
     準優勝:なかの選手/ソルフレアループ
     3位:ラッキーダーツ中野選手/ドラヴィタワンショット
     4位:大地返して選手/ラッカヴァリヴァリウス

     火水光ヴァリヴァリウス (2)
     火単ビートジョッキー (2)
     水闇カリヤドネループ
     水闇自然シューゲイザーコントロール
     火水光ソルフレアループ
     火水光ドラヴィタビートダウン
     水闇自然ハンデス
     火水クランヴィア



  3. デッキ紹介
    【火単ビートジョッキー】

     今大会の優勝を飾ったデッキでもある、【火単ビートジョッキー】。優勝レシピを取り上げてご紹介します。
     「"必駆"蛮触礼亞」をB・A・D・S能力で1コストで唱え、「バンバン戦車 バンチュー」を踏み倒し、その能力で注釈文がついたT・ブレイカーを持つ「ボルメテウス・サファイア・ドラゴン」を踏み倒し、ワンショットキルを狙うこのデッキ。「"真友"チュリス」による4軽減、「"末法"チュリス」による2体踏み倒し、「バング"BNG"ドンゴ」やJ・O・Eの手札補充などで上のコンボへ繋ぐ高い安定感を誇ります。
     なんと今大会、左手選手は、2ターンキルを3回、そして決勝では後攻1ターンキルを決め、優勝を飾りました。左手選手のコメントを掲載しておきます。



    【火水光ソルフレアループ】

     今大会のダークホース。なんと2倍デュエマでのみ成立するオリジナルループとなっています。
     デッキを「必殺で つわものどもが 夢の跡」の敗北回避を適用した状態で削り切り、EXライフシールドの無い「龍風混成 ザーディクリカ」を2体cipのストックがある状態で用意したらループ開始。1体目のザーディクリカの能力で「スパイシー・スパイラル」と「熱線と照射の決断」を唱えてザーディクリカ2体を回収、ソルフレアの効果でデッキボトムへ戻ったスパイシーをドローしながらザーディクリカ2体をバトルゾーンへ。
     この時点ではデッキが無いので、EXライフシールドが置かれません。ここでザーディクリカの能力でソルフレアがデッキボトムに戻った状態が初期盤面になります。2体目のザーディクリカの能力で好きな呪文1枚と必殺で1枚を唱えることで、1枚目に唱えた呪文を必殺での効果でドローし、EXターンを獲得。出し直したザーディクリカ1体目の能力でスパイシーとソルフレアを唱え、ザーディクリカ2体を出し直すとソルフレアの効果でスパイシー、必殺でがデッキから手札に戻り、EXターン1つと2体目のザーディクリカの能力で唱えた任意の呪文1枚の効果が処理された状態で初期盤面に戻ってきます。
     これを繰り返せば、無限にEXターンと好きな呪文の効果を使用できるということで、今回は「♪銀河の裁きに勝てるもの無し」を無限に詠唱。「ヘルエグリゴリ-零式」2体と「ツタンメカーネン」を無限に超GRゾーンから出し入れすることでLOによるフィニッシュとしています。
     ループ機構以外にも「ナゾの光 リリアング」からの2ターン目始動、「ドレミ団の光魂GO!」によるS・トリガーや「ラッキー・ダーツ」からの始動、「煌メク聖壁 灰瞳」によるEXライフシールドの回収など、各所に工夫が凝らされています。


    【火水光ドラヴィタビートダウン】

     大量に搭載されたモードを持つ超次元呪文から「勝利のリュウセイ・カイザー」、「時空の戦猫 シンカイヤヌス/時空の戦猫 ヤヌスグレンオー」及び大型の覚醒後サイキック・クリーチャ「龍圧の覚醒者 ヴァーミリオン・ドラヴィタ」を踏み倒し、ヤヌスグレンオーの能力で、それらのクリーチャーにSAを付与、ビートダウンを行うデッキです。
     リュウセイ・カイザーの能力で相手のマナはアンタップイン、ドラヴィタの能力で呪文も唱えられず、相手は次のターンも身動きが取りづらくなります。特にこの環境では多くのデッキが呪文によるコンボに依存しているため、ドラヴィタの影響は大きいです。
     最速始動は「ナゾの光 リリアング」からの「超次元 ドラヴィタ・ホール」。先攻2ターン目にはトリガーをケアしながら殴ることができます。


    【火水光ヴァリヴァリウス】

     自身の能力で2マナでの召喚が可能となる「雷竜 ヴァリヴァリウス」から始動するデッキです。一度動き出してしまえば、マジボンバー能力により、14コスト以下のクリーチャー2体の踏み倒しが発生し、もはやどんなコンボでも勝利へと向かっていける形になっています。
     今回4位になったのは「闘うべき時!!」を「『未来から来る、だからミラクル』」から2枚唱え、緩和されたEXウィン条件を一発で達成する大地返して選手のデッキでした。ここでも「ナゾの光 リリアング」が活躍しています。


    【水闇カリヤドネループ】

     CUC戦以外の全てのフォーマットで使用可能なデッキ「魔導管理室 カリヤドネ」を使用したカリヤドネループが2倍デュエマでも活躍しました。
     当然の事ながら、墓地肥やしの速度も2倍なら、ドローも2倍、盾回収も2倍、呪文を唱える枚数も2倍ということで、いつもの機構とは異なる、2倍デュエマ専用のループ機構が用意されています。普通のカリヤドネループに必須の「大当たり!もう一本!」などが不要になり、デッキ構築の自由度も向上しています。盾落ち対策をしながらハンデスできる「魔王と天使のカナシミ」などが採用されているようです。
     使用者本人からのコメントを掲載しておきます。



    【水闇自然シューゲイザーコントロール】

     「妖精のプレリュード」から0マナで「神聖麒 シューゲイザー」を召喚、10コスト以下のクリーチャー2体を踏み倒す、という単純ながら豪快なデッキになっています。
     「偽槍縫合 ヴィルジャベリン」やターン開始時のドローを「蒼黒神龍 バビロン・ヴェイル」の能力で2ハンデスへと変換し、ロックを狙いました。


    【水闇自然ハンデス】

     最強の初動カード「悪魔妖精 ベラドンナ」をはじめとする、枚数が2倍になったハンデスカードを大量に搭載したアナカラーハンデスです。相手をコントロールし、神の試練ループを狙いました。
     動きの速いデッキに対しても、「ウォズレックの審問」によるピーピング2ハンデスにより、ある程度の耐性を持ちます。


    【火水クランヴィア】

     「瞬閃と疾駆と双撃の決断」の効果で「不夜艦城 クランヴィア」を踏み倒し、SAとアンタップ効果を付与、「インビンシブル・フォートレス」をクランヴィアのアタック中に唱えれば、「超新羅星 アポロヌス・ドラゲリオン」を彷彿とさせる、シールド全焼却&ダイレクトアタックまで一瞬で辿り着くデッキです。
     「ブレイン・スラッシュ」や「蒼狼の大王 イザナギテラス」、「龍風混成 ザーディクリカ」による再抽選を繰り返すことで、高い再現性を持ちます。


  4. 総評
     主催者の想定では先行3ターンキルが吹き荒れる……くらいで済む予定だったのですが、結果としては1キルプランがあり、2キル安定の火単ビートジョッキーがかっさらって行きました。デュエル・マスターズ、テキストが2倍だと、どうやらマナが不要なようです。
     今回の結果を受けて、当サークルでの2倍デュエマでは以下の殿堂入りが適用されます。

    「ボルメテウス・サファイア・ドラゴン」&「バンバン戦車 バンチュー」 (プレミアム殿堂コンビ)
     先攻1ターン目から反撃不可能なワンショットキルを成立させ、著しくゲーム性を崩壊させていた「ボルメテウス・サファイア・ドラゴン」と「バンバン戦車 バンチュー」の2枚は今後、同じデッキに入れることはできなくなります。なお、今回使用されたのはT・ブレイカー能力に注釈文がついた初期版でしたが、2体踏み倒すことも可能なため、バージョンによらず同じデッキに入れることはできないこととします。

    「【奇跡】まさかの神引き!【豪運】」 (殿堂)
     1コスト4ドロー、驚異のドローソース。今大会の2キル率を引き上げていた元凶です。今後仮にどのような殿堂体制を敷いたところで、このカードがある限りは無に帰すと言っても過言ではありません。そのため、2倍デュエマの味でもありますが、超強力なドローソースであるこのカードは殿堂入りとなります。

    「ナゾの光 リリアング」 (殿堂)
     2ターンキルを成立させていた、最強のコンボ始動カード。他の同コスト帯のカードに比べ、異様なまでの利用性を誇り、危険であると判断されました。さらに2体目以降のリリアングがバトルゾーンに出ると、キズナ能力で2体分の呪文踏み倒しが可能であり、そちらを規制する意味でも、このカードは殿堂入りとなります。

    「"末法"チュリス」 (殿堂)
     このクリーチャーの能力で「"末法"チュリス」ともう一体余分に踏み倒すことで、コンボを継続しながら打点形成も行えるビートジョッキーのメインエンジン。このクリーチャーを4体出せば、その時点でデッキの8割が確認でき、さらにドローなども組み合わせれば、もはやどんな火のクリーチャーでも「バンバン戦車 バンチュー」から踏み倒すことができます。「"末法"チュリス」から「"末法"チュリス」を踏み倒す動きを特に規制するため、このカードは殿堂入りします。


  5. おまけ:2倍デュエマに寄せられた質問と裁定
     最後に、今大会の開催に当たって参加者から寄せられた質問と回答(回答者:私)を載せて終わりにします。一種のハウスルールですから、実際にはその場でジャッジを行う人の判断したがってください。

      A.なりません。ゲーム開始時の手札5枚の内の10枚以内に《禁断~目覚めの刻~》を含めてください。

      A.《神の試練》の効果はデッキ切れについては「負けない」ことができますが、それ以外の方法で負ける状況では「負けない」ことはできません。敗北回避などについては、数字が2倍になることで日本語の意味が変わるように感じられる場合でも、元の効果を参照してください。

      A.山札が2枚以上あり、その全てを引いた、ということです。

      A.はい、使用できます。また、非公開領域である手札に2枚以上の呪文がある場合でも、2枚まで任意の枚数を唱えることができます。ただし、公開領域である墓地に呪文がある場合、必ず唱えてください。
      例1) 手札に《ブレイン・スラッシュ》が2枚あり、墓地には呪文が無い状態で《龍風混成 ザーディクリカ》を出した場合、《ブレイン・スラッシュ》は2枚まで好きな枚数唱えることができます。
      例2) 手札に《ブレイン・スラッシュ》が1枚、墓地に《地龍神の魔陣》が2枚ある状態で《龍風混成 ザーディクリカ》を出した場合、「《ブレイン・スラッシュ》と《地龍神の魔陣》を唱える」か「《地龍神の魔陣》2枚を唱える」のいずれか、もしくは能力を使わないことを選ぶ必要があります。

      A.各ターン初めてカードを引く時、その引くカードが2枚以上であれば、置換することができます。2倍デュエマでは、ドローステップより前に誘発するドロー効果なども2倍になることに注意してください。
      例) 《水上第九院 シャコガイル》の相手ターンの初めに行うドロー効果など

      A.できません。《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》のS・トリガー能力は「D4フィールド」を展開する能力です。D2フィールドである《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》を展開することはできません。

      A.できません。《龍装60号 シグルネ》を手札に加えてください。

      A.できます。また、《勝利の頂上 ヴォルグ・イソレイト6th》にはテキスト欄が2つありますが、どちらかひとつを選んでください。(類似例:《極真龍魂 オール・オーバー・ザ・ワールド》など)

     大会参加者の皆さん、そしてこの記事を最後までお読みくださった皆さん、ありがとうございました!
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