【GP完走記念】
5cザーディクリカ

-デッキ紹介-



  1. はじめに
     はじめまして、あきうと申します。
     今回は私が「DMGP2023-2nd」にて使用した5cザーディクリカの解説をさせていただきます。拙い部分があると思いますが、最後までお読みいただけると幸いです。

     私がこのデッキを使用した理由は、成り行きです。GP開催の5日前にこのデッキの調整を始めました。最初は「黒緑アビス」を使用するつもりでしたが、最大母数となり得る「アナカラージャオウガ」に対して先行を取ってようやく五分の勝率でした。また、大型大会で絶対にいる速攻デッキの「赤緑アポロ」、クリーチャーをあまり並べない「青黒魔導具」に対しても不利、急速に勢力を拡大する「赤青マジック」には「ボン・キゴマイム」が入り始めたせいで有利を主張できなくなりました。そこで、以下の条件を満たせるデッキを探しました。
    • 「アナカラージャオウガ」に安定した勝率が出せるデッキ
    • 「飛翔龍 5000VT」「ボン・キゴマイム」があまり刺さらないデッキ
    • 「赤緑アポロ」を受けられるデッキ
    • 雑多なデッキに対して強い、パワーのあるデッキ

     これらの条件を満たせるのが「5cザーディクリカ」だったというわけです。その後、当サークルの副部長である八坂さんとの調整を経て後述のデッキリストに辿り着きました。



  2. 戦績
    10/14開催 DMGP2023-2nd 321位
     一回戦 不戦勝 ○
     二回戦 アナカラージャオウガ x
     三回戦 赤単我我我 x
     四回戦 赤青マジック ○
     五回戦 青黒魔導具 ○
     六回戦 シータガイアッシュ覇道 ○
     七回戦 アナカラージャオウガ ○
     八回戦 ラッカライオネル ○
     九回戦 アナカラージャオウガ ○



  3. デッキリスト

  4. 採用カード紹介
    【メインデッキ】

    「天災 デドダム」「ドンドン火噴くナウ」「天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー」「龍風混成 ザーディクリカ」各4枚
     5cの中核を成すカード群ですので詳しい解説はしません。


    「オ:ドユニワ/喰土邪覇」4枚
     基本的には下面を使用します。マナに触るためのカードとして採用しました。「聖魔連結王 ドルファディロム」を墓地に落としておくだけで防御力がグッと上がります。また、序盤に埋めた「ブレイン・スラッシュ」や「ロスト・Re:ソウル」、「CRYMAX ジャオウガ」を墓地に落とす役割もあります。
     上面のG・ストライクは「赤青マジック」に対して有効に働きます。なお、「ナウ・オア・ネバー」で上面を出すとメガ・ラスト・バーストが発動するのですが、GPではこの動きはできませんでした…。


    「闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ」3枚
     こちらも基本的に下面を使用します。「アナカラージャオウガ」、「黒緑アビス」といった墓地利用デッキに対するメタとなります。「ロスト・Re:ソウル」を使用した次のターンに使用し、相手の手札と墓地を空にする動きが強力です。なお、上面は貴重なマナ回収能力持ちですが、出せる場面はほとんど無いので過信しないようにしましょう。ちなみに3枚にした理由としては単純に4枚だと引きすぎだったからです。


    「ロスト・Re:ソウル」4枚
     これを4ターン目に使用できたらほぼ勝ちです。だから4枚です。また、闇単色マナとしての役割、受け札としても有用です。「悪魔龍王 ダークマスターズ」でない理由は「龍風混成 ザーディクリカ」との相性がいいわけではなかったため、「龍風混成 ザーディクリカ」のフルスペックを出すにはこちらが適任だと判断しました。


    「ブレイン・スラッシュ」4枚
     最強のカードです。トリガーから踏ませても手札から使用しても圧倒的なカードパワーを発揮してくれます。また、「天災 デドダム」と色が被っているため色基盤としても優秀です。個人的には4枚確定です。ドロー効果の使いすぎによるライブラリアウトだけには気を付けましょう。


    「灰燼と天門の儀式」2枚
     主に「赤緑アポロ」を対策するカードです。また、「喰土邪覇」でマナゾーンの「聖魔連結王 ドルファディロム」を墓地に落とすため、色基盤をこのカードに頼っています。ブロッカー付与効果は忘れないようにしましょう。


    「聖魔連結王 ドルファディロム」3枚
     環境への通りが良すぎるカードです。「アナカラージャオウガ」のS・トリガーを無効化し、「赤緑アポロ」には選ばない除去で「超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン」をいなした後にEXライフの盾で後続をカバー。「青黒魔導具」「赤青マジック」のように単色の呪文に頼るデッキはこのカードを立てるだけでゲームエンドに持ち込めます。「黒緑アビス」には盤面を一層した後にスピードアタッカーで盤面に残った「アビスベル=覇=ロード」を攻撃して破壊できます。このようにあらゆるデッキに対して致命傷を負わせられるので、積極的にバトルゾーンに出しましょう。なお、デッキに4枚入れる構築も試したのですが、ゲーム中に1体出せればよかったので3枚にしました。


    「CRYMAX ジャオウガ」1枚
     詰めの場面に出します。「喰土邪覇」でマナに埋めても墓地に落とせるので1枚で十分と判断しました。このカードが複数枚欲しい対面は「青魔導具」なのですが、最速でジャスキル打点を揃えてトリガーを踏まなかったら勝てるというトンデモ要求値だったため、「青魔導具」を割り切って他対面の対策に枠を割きました。


    「飛翔龍 5000VT」3枚
     「アナカラージャオウガ」に対するメタカードとして採用しました。これは八坂さんの入れ知恵です。こちらが先行を取った場合、相手の3ターン目の「キユリのASMラジオ」の後にこのカードを出すことで相手は4ターン目に打点不足とロックの2重苦に悩まされることになります。そのため「飛翔龍5000VT」は4ターン目に手札に持っておかないといけないカードになります。そのため、3枚にしないと「アナカラージャオウガ」に何もできないままやられてしまいます。
     ちなみにGPで当たった「アナカラージャオウガ」には全て4ターン目に「飛翔龍 5000VT」を投げられる手札だったのですが、2回戦では相手側が「キャディ・ビートル」を3ターン目に投げてきたため負けてしまいました。とはいえこのデッキが「アナカラージャオウガ」に強く出られるのはこのカードありきなので、3枚採用しましょう。


    【採用候補カード】
     基本的には環境によります。構築を少し変えるだけで見られる範囲が大幅に広がるのも「5cザーディクリカ」の特徴です。自由枠を色々試して一番感触のよかったものにしましょう。以下は最後まで採用するか悩んだカード群になります。

    「機術師ディール/「本日のラッキーナンバー!」」
     上面は除去、下面はトリガーケアと遅延ができます。しかし、除去として見るなら色の被っている「飛翔龍 5000VT」の方が環境への通りがよく、トリガーケアに関しても「聖魔連結王 ドルファディロム」で事足りると判断しました。上面は「赤緑アポロ」に対して強く出られるカードですが、八坂さんから『「赤緑アポロ」に対する受けをピン積みのカードに頼るのは不安定すぎない?』と言われました。また、下面での遅延はこちら側のやりたい動きを捨ててまでやることではないため、結果的にこのカードの使用タイミングがなくなりました。
     ただ、同系対面や「ブレスラチェイン」へのトリガーケアとして優秀なので、これらのデッキが増えてきたら対策として採用するとよいでしょう。


    「大地門ライフ・ゲート」
     「青黒魔導具」「青魔導具」に対して有効なカードです。しかし、前述のとおり1枚しか入っていないカードに受けを頼るのはあまりにも不安定でした。「青黒魔導具」のドルスザクにこのカードを使うと相手のマナが増えてしまい、ループされて負けます。「青魔導具」にはどうせ勝てないので対策を考えなくても大丈夫です。
     「赤緑アポロ」が多いと予想し、この枠は「灰燼と天門の儀式」に譲りました。自然文明のカードが足りないと感じたら一考の余地ありです。


    「ドラゴンズ・サイン」
     5枚目以降の「ナウ・オア・ネバー」として採用されるカードです。このカードは「龍風混成 ザーディクリカ」のEXライフを残し、さらにブロッカーを付与できるため、「赤緑アポロ」への防御札として優秀です。しかし、このカードは光文明の単色です。「5cザーディクリカ」において光文明単色は最弱の色です。ただでさえ色が厳しいこのデッキに色事故を招く要素を増やしたくなかったのと、「赤緑アポロ」に対する受けは「灰燼と天門の儀式」または「ブレイン・スラッシュ」で「聖魔連結王 ドルファディロム」を出せばどうとでもなったため、不採用としました。


    「黒豆だんしゃく/白米男しゃく」
     上面は「ブレイン・スラッシュ」から出すことで相手にロックをかけられます。下面は初動であり、このデッキでは貴重なマナ回収の役割があります。
     まず上面は現環境において蘇生するタイミングがないと判断しました。いくら「ロスト・Re:ソウル」で全ハンデスしたとしても環境にはトップ解決できるデッキがゴロゴロいます。そのため、優先して蘇生したい大型クリーチャーは、立てたらゲームエンドの「聖魔連結王 ドルファディロム」になります。また、下面に関しては、マナゾーンは「喰土邪覇」で幾分操作できます。マナ回収から直接「龍風混成 ザーディクリカ」を出したい際には10マナが要求されますが、このデッキ、実はマナがそこまで貯まりません。ピン積みのカードがデッキに少ないため、マナ回収するぐらいなら「ブレイン・スラッシュ」でデッキから持ってきたほうが、動きがスムーズでした。
     以上の理由から不採用にしましたが、もし採用するなら「喰土邪覇」の枠を1枚、このカードに変えてもよいと思います。


    「ソーシャル・マニフェストⅡ世」
     5枚目以降の「龍風混成 ザーディクリカ」として採用されるカードです。4ターン目に「ロスト・Re:ソウル」をぶつける可能性が上げられるカードでもあります。このカードを不採用にした理由は「喰土邪覇」でマナの呪文を墓地に落とした後に「龍風混成 ザーディクリカ」を出すことで実質マナゾーンの呪文を唱えられます。「SSS級天災 デッドダムド」を採用しなかったため、バトルゾーンに残った「ソーシャル・マニフェストⅡ世」はただの打点にしかなりません。バズレンダを用いて強力な呪文を連打しようにも前述のとおりマナが大して貯まらないのでバズレンダが使えるころには山札がわずかしか残っていません。「龍風混成 ザーディクリカ」のバリューを極限まで引き出した結果、このカードの役割が失われてしまいました。そのためデッキから自然と抜けていきました。自然文明だけに。





  5. 立ち回り
    【プレイでの注意点】

     基本的には4ターン目に「ロスト・Re:ソウル」を投げつけたら勝ちます。ですが、この動きは滅多に決まりません。今回は9戦中1戦しか決まりませんでした。そのため、基本的には持ち前のコントロール力を活かし、長期戦に持ち込みましょう。また、手札補充のために「龍風混成 ザーディクリカ」は積極的に着地させましょう。「ブレイン・スラッシュ」から大量の打点を生成できれば、勝利は目前です。

     このデッキで最も難しいのはマナ埋めです。色事故はこのデッキにつきものですのでどうしようもない場面はありますが、プレイング次第で大きく色事故を軽減できます。
     まず埋めたい色としては、水文明です。単色が「飛翔龍 5000VT」しかなく、相手が「アナカラージャオウガ」だと仮定するとこのカードは埋められません。そのため、2ターン目までに必ず「飛翔龍 5000VT」以外の、水文明を含む多色カードを埋めましょう。
     次に自然文明です。今回のリストは「大地門ライフ・ゲート」も「ソーシャル・マニフェストⅡ世」も採用していないため、自然文明が15枚しかありません。しかし、この色は単色カードが多いため、1,2ターン目に埋められなくても問題ないです。そのため、「天災 デドダム」は自然文明が無いからといってうかつに埋めないようにしましょう。「天災 デドダム」は出すだけで「ブレイン・スラッシュ」のバリューが上がり、相手に圧力をかけられます。水文明と自然文明を含む「ドンドン火噴くナウ」は初手に握っていたら絶対にマナに埋めましょう。
     闇文明は「天災 デドダム」を出すために3ターン目、光文明と火文明は手札から「龍風混成 ザーディクリカ」「聖魔連結王 ドルファディロム」を召喚するタイミングまでに埋めましょう。
     その他は盤面に合わせた動きを取りましょう。とはいえカードパワーが高いため、多少のプレイングミスもごまかせます。マナ埋めは失敗すると取り返しのつかないことになりますので、たくさん練習しましょう。初手に「聖魔連結王 ドルファディロム」があるからといってすぐに埋めないように!


    【vs.アナカラージャオウガ】
     「キャディ・ビートル」が無ければ有利です。あったら大型クリーチャーの早期着地ができないため苦しいです。前述のとおり「飛翔龍 5000VT」はマナに埋めないようにしましょう。横にクリーチャーを並ばせなければダイレクトアタックされません。「聖魔連結王 ドルファディロム」でG・ストライク以外の受け札はケアできるので、安全にフィニッシュまで持っていけます。この対面はこちらが「飛翔龍 5000VT」を出した後に相手がやけくそで「CRYMAX ジャオウガ」が突っ込んでくるのが1番怖いです。相手にトップから「CRYMAX ジャオウガ」を引かれても負けないような立ち回りをしましょう。


    【vs.赤青マジック】
     「赤緑アポロ」以上のお祈り対面です。「芸魔隠狐 カラクリバーシ」の攻撃に防御札を合わせられれば勝てます。出来なかったら負けです。「芸魔王将 カクメイジン」は間違いなくトリガーケアをしてくるので…。
     「天災 デドダム」は積極的に出していきましょう。「赤青マジック」は盤面に触れるのが苦手なので、相手は「ブレイン・スラッシュ」に怯えながら突っ込まないといけなくなります。この対面も「聖魔連結王 ドルファディロム」で詰みに持っていけます。


    【vs.黒緑アビス】
     勝てる対面ですが、プレイングが非常に大切です。「アビスベル=覇=ロード」と「望遠 テレスコ=テレス」をしっかり除去しましょう。これらのカードを残しておくとアドバンテージ差が広がってしまいます。また、「天災 デドダム」を立てておくと「ア:エヌ:マクア」が攻撃してきて革命チェンジのための的にされるため、「ブレイン・スラッシュ」の条件を満たしたい場合は「龍風混成 ザーディクリカ」または「飛翔龍 5000VT」と「聖魔連結王 ドルファディロム」で条件を満たすようにしましょう。「黒緑アビス」側には「聖魔連結王 ドルファディロム」を能動的に除去する手段が「邪闘 シス」しかないので、出しておくだけで優位に立てます。


    【vs.赤緑アポロ】
     お祈り対面ですが、こちらに分があります。相手のトップ解決を防ぐように動きましょう。この対面も「聖魔連結王 ドルファディロム」を出すだけで「赤緑アポロ」側は窮地に立たされます。


    【vs.青黒魔導具】
     当然の如く不利対面です。「聖魔連結王 ドルファディロム」で相手の呪文が全て止まりますが、雑に出すと「「無月」の頂 $スザーク$」で盤面を返されてしまいます。また、「ガル・ラガンザーク」の早期着地を警戒し、「お清めシャラップ」で相手の墓地をシャッフルするようにしましょう。「卍月 ガ・リュザーク」を出されると詰んでしまいますので、絶対に着地させてはいけません。できる限りケアしていきましょう。


    【vs.青魔導具】
     勝てません。





  6. おわりに
     王来篇から登場し、環境によって数枚のカードを入れ替えることで「青魔導具」以外に勝つことで生き残ってきた古株。防御力は環境でも指折りの高さをしており、カードパワーの押し付けと合わせることで相手に多大なプレッシャーをかけられます。ちなみに「黒緑アビス」が安く思える程の高額デッキであるため、このデッキを組むことで自分の財布にも多大なプレッシャーをかけられます。
     デュエマにおける最強が一堂に会する「5cザーディクリカ」、ぜひ使用してみてはいかがでしょうか。


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