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フーリエ変換がとても有用みたいなのは聞いたことがあったが、実際に声を高くしたり、低くしたりしていて、とても興味深かった。 変数の区間の変更の部分のx→2πt/Tという変数変換のところが分かりづらかった。

フーリエ級数の変数の区間を [π,π] (1周期 2π) から, 1周期 T の区間 [T2,T2] に置き換える, という箇所ですね.

x=±π  T2πx=±πT2π=±T2  T2πxt  x=2πTt  t=±T2

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複雑な波形を三角関数や複素指数関数の重ね合わせとして表現するという概念を直感的に理解するのが難しかったです。

弦の振動が複数のモード (三角関数) の重ね合わせで表現できたことを思い出すと, 少し想像しやすいかもしれません.

 

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今までの課題の復習をしていてとても難しいと感じるので、来週の授業で何回の課題の内容に似た問題がテストに出るか教えて欲しい。もしくは何回の課題の内容の問題は出ないかだけでも教えてほしい。

第13回 (フーリエ級数等) 以降は出しません.

 

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今回の授業は計算が多く難解に感じた。フーリエ級数の導入は解説がわかりやすかったので、フーリエ級数は理解できたが、複素指数型のフーリエ級数になると、計算量が多くなり読んでいる間に解説についていけなくなりよくわからなかった。

ここ最近の授業は復讐みたいな感じでの授業だったが、今回からまた難しくなり、フーリエ級数の式変形などは特に難しく感じた。

今回の授業はフーリエ級数などについてやりましたが、これは高校の時にも聞いたことがあり、大学の授業で新しい知識を身につけ物理の深い世界を垣間見た感覚がありました。そういったこともありとても数式が難しくテストで解けるかどうか不安になります。それ以外でも本授業は自分にとって難しい数式や定理を用いて、今まで考えもしなかった変形などをして解を導き出すのは知的好奇心を満たすものがあると私は感じていますが、テストで解けるかというと本当に不安にしかなりません。

良かった点は、フーリエ級数の理論的な基礎をしっかりと理解できるように、具体的な例を使って説明してくれたことです。悪かった点は、時間が足りずにもう少し演習問題を解く時間が欲しかったことです。要望としては、次回はもう少しペースを落として、各ステップをじっくりと確認しながら進めてほしいです。

 

 

局在と不確定性関係

下図のような x=0 の周りに局在した波の関数 u(x) を考える.

x-rect

これをフーリエ変換: U(k)=u(x)eikx dx すると,

U(k)=u(x)eikx dx=a2a2beikx dx=bik[eikx]a2a2=bik(eika2eik(a2))=22bik(eika2eika2)(1)=2bksinka2

となる. これを実際にグラフにしたものが下図である.

Uk_a1_b1

この U(k)k=0 付近に集中した関数である.

U(k)=2bksinka2k>0 で最初に0になるkは,

ka2=π    k=2πa

なので, U(k)k=0 付近の幅は, およそ

(2)Δk=2πa

となる.

したがって,

  • a を大きくすると, Δk が小さくなり, U(k)k=0 付近で鋭くなり

  • a を小さくすると, Δk が大きくなり, U(k)k=0 を中心に平たくなる

 a=0.5a=1a=2
u(x)ux_a0.5_b1ux_a1_b1ux_a2_b1
U(k)Uk_a0.5_b1Uk_a1_b1Uk_a2_b1

そのため, a の場合, u(x) は, u(x)=bの完全に平らな関数となり, U(k)k=0 付近でのみ値を持つ関数となる.

ここで, xを実空間上の位置とすれば, kは波数空間に対応する. そこで, aを実空間x内の間隔 Δx と書けば, 式 (2) Δk=2πa=2πΔxより,

(3)ΔxΔk=2π

となる.

このように, ・実空間での u(x) の拡がり Δx ・波数空間での U(k) の拡がり Δk とは互いに反比例の関係にあることがわかる.

この関係式は, 量子力学においても重要な役割を果たし, 不確定性関係と呼ばれる.

 

波束

波数空間の局在と波束

次に, 下図のような波数空間に局在したU(k)を考える.

k-rect

これをフーリエ逆変換: u(x)=12πU(k)eikxdk すると,

u(x)=12πU(k)eikxdk=12πk1k21eikxdk=12π1ix[eikx]k1k2=1πx12i(eik2xeik1x)   kavk1+k22, Δkk2k1   2kav=k1+k2=k1+k1+k2k1=2k1+Δk    2k1=2kavΔk  +2Δk  2k2=2kav+Δk=1πx12i(ei2kav+Δk2xei2kavΔk2x)=1πx12i(eiΔk2xeiΔk2x)eikavx=1πxsin(Δk2x)eikavx   (4)=1πsin(Δk2x)xcos(kavx)

となる.

これをグラフにしたものが下図である.

packet_ux_k1-10_k2-14

うなりの構造に似ているが, 今回は, 波が1箇所に集中している. このような波を波束と呼ぶ.

(4) において,

  • sin(Δk2x)x 部分が波束の概形を表し,

  • cos(kavx) 部分が波束内部の細かい振動

を表している.

波束の拡がりΔxは, sin(Δk2x) 部分が, x>0 で最初に0になる位置が Δk2x=π の場合なので,

Δx=2πΔk

程度であることがわかる. この場合もやはり不確定性関係が成り立つ.

 

波束の運動

上記で導出した波束:

k空間での局在波束
k-rectpacket_ux_k1-10_k2-14

を, 時刻t=0における波束だとして, その後の運動を考えてみる. この場合, 時刻 t における波は u(x,t) で表される.

進行波の場合の波が u(x,t)=Asin(kxωtϕ) で表されたことを思い出せば, 時刻 t における波束の進行波は, フーリエ逆変換の式を用いて

u(x)=12πU(k)eikxdk (5)u(x,t)=12πU(k)ei(kxωkt)dk

となる. ωk という表記は角振動数 ω が波数 k に依存することを明示的に記述したものである.

ここで, Δkを非常に小さいものとし, kについての積分がkav付近に集中している場合を考える. この場合, k=kavを中心とした ωkのテイラー展開は

ωk=ωkav+dωkdk|k=kav(kkav)1+   |Δk|1ωkav+dωkdk|k=kav(kkav)    vgdωkdk=ωkav+vg(kkav)

となる.

これを, 式 (5) に代入すると,

u(x,t)=12πU(k)ei(kxωkt)dk12πU(k)ei(kx(ωkav+vg(kkav))t)dk=12πU(k)ei(k(xvgt)(ωkavvgkav)t)dk=12πei(ωkavvgkav)tU(k)eik(xvgt)dk=12πei(ωkavvgkav)tk1k21eik(xvgt)dk  (4)12πk1k2eikxdk=1πxsin(Δk2x)eikavx=ei(ωkavvgkav)t1π(xvgt)sin(Δk2(xvgt))eikav(xvgt)=1π(xvgt)sin(Δk2(xvgt))ei(kavxωkavt)   (6)=1πsin(Δk2(xvgt))xvgtcos(kavxωkavt)

となる. これが, 時刻 t=0u(x)だった波束が時間発展したものである.

  • sin(Δk2(xvgt))xvgt 部分は, sin(Δk2x)x と同じ形なので, 波束の概形部分を表しており, その波束の中心が x=vgt まで平行移動したことを意味している. すなわち, 波束全体が群速度 vgで進んだことを表す.

  • cos(kavxωkavt) 部分は, 波束内部の細かい振動を表し,

    cos(kavxωkavt)=cos(kav(xωkavkavt))    vϕωkavkav=cos(kav(xvϕt))

    となる. すなわち, 波束内部の細かい振動は位相速度 vϕ で進むことを意味している.

  • 位相速度が群速度より大きい場合, 波束内部の細かい振動が波束の中を通り抜けていく

 

上記では, ωkのテイラー展開として, kの1次の項までとして計算したが, より高次の項まで取り入れると, 波数成分ごとに位相速度が異なるという効果が現れ, 時間経過に伴って波束の概形が変化していく.

その場合, 様々な位相速度があるため, 一般的には, 波束の形は拡がっていき, 波束の幅 Δxも徐々に大きくなっていく. そのため, 一般には, 不確定性関係は

ΔxΔk2π

となる.

このように, 波束の概形が変化する場合は, ωkkと比例関係にないため, 分散がある場合に対応する.

 

パルス

波束が伝播していく様子を, 空間のある1点 (例えば x=0) で観測する場合を考える.

x, u(x,t) t, u(0,t)

 

x=0での値 u(0,t) は, ある時間の間だけ振動し, その前後では止まっているということになる. すなわち, 時間的なパルスが x=0 の地点で見られるということである (上右図).

もし, x=0 の位置を波の発生源だとみなすと, x=0 においてある時間の間だけ振動して, そのパルスが x>0 の方へ飛んでいったとみなすこともできる (上左図). これは, 音や電波を発したことに相当する.

 

パルスの持続時間 Δt を計算してみよう.

(6) より, 時刻 t での波束 u(x,t)

u(x,t)=1πsin(Δk2(xvgt))xvgtcos(kavxωkavt)

なので, x=0 においては

u(0,t)=1πsinΔk2vgtvgtcosωkavt

となる. パルスの時間幅 Δt を見るために, 分子部分の sinΔk2vgt が初めて0になる時刻を調べると,

(7)Δk2vgΔt=π    Δt=2πvgΔk

となる.

波束の空間的な幅は Δx=2πΔk だったので, この時間幅は

Δt=Δxvg

と書くこともできる. これは, 空間的な幅 Δx の波束が速度 vg で通過する際にかかる時間と見直すことができる.

 

ところで, 大本の波数空間での U(k) の局在を改めて考えると, 波数空間において k1 から k2 までの範囲に閉じていた. したがって, 波数 k に依存する角振動数 ωkωk1 から ωk2 までの範囲に閉じる. そこで, 角振動数のこの上限, 下限の間隔 Δω を考えると,

Δωωk2ωk1=(ωkav+dωkdk(k2kav)+)(ωkav+dωkdk(k1kav)+)   |Δk|1(ωkav+dωkdk(k2kav))(ωkav+dωkdk(k1kav))=dωkdk(k2k1)=vgΔk

となる.

したがって, 式 (7) Δt=2πvgΔk

Δt=2πvgΔk=2πΔωΔtΔω=2π

となる. これが時間と角振動数との間の不確定性関係である.

 

 

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