実施・提出期間

締切: 2024/07/17 (水) 13:30 までに, 下記の問題を実施し, 提出してください.

 

注意事項

  • 手書きで計算したものを1つのpdfにまとめて提出してください

    • 紙に直筆したものを写真 or スキャンする場合は, 中身がハッキリ読めることを確認してください

    • タブレット等を用いて電子的に手書きするのもOKです

    • 画像ファイルをそのまま何枚も提出したり, zipにまとめて提出したものは受取不可とします

  • 授業資料の解答を丸写しするのではなく, 授業内容を思い出しながら自分の手で計算するようにしてください

  • 授業直後に復習することはもちろん素晴らしいです!! その後, なるべく数日空けてから再学習として本課題を実施し, 提出することを是非試してみてください.

 

問題

フーリエ級数 (三角関数)

  1. 三角関数の規格性, 直交性を確かめるために以下の組み合わせで計算せよ

    1. sin同士の組み合わせ

    2. cos同士の組み合わせ

    3. sinとcosとの組み合わせ

    4. 上記の計算結果をまとめて記述し, 規格性, 直交性を確認

  2. フーリエ係数 am を導出せよ

  3. フーリエ係数 bm を導出せよ

  4. フーリエ級数の変数の区間を [π,π] (1周期 2π) から, 1周期 T の区間 [T2,T2] に置き換えよ

 

まとめ

  1. 今回の授業内容を100文字以上で自分なりにまとめてください. ただし, 写経のように丸写しすることだけはやめてください.

 

解答

フーリエ級数 (三角関数)

三角関数を基底関数としたフーリエ級数は

u(x)=m=1(amsinmx+bmcosmx)+b02      (m)

と書かれる.

三角関数の規格性, 直交性を確かめるために以下の組み合わせで計算せよ

sin同士の組み合わせ
ππsinmxsinnxdx=ππ12{cos(m+n)xcos(mn)x}dx      (  cos(m±n)x=cosmxcosnxsinmxsinnx)

なので,

  1. mn

ππsinmxsinnxdx=ππ12{cos(m+n)xcos(mn)x}dx=12[1m+nsin(m+n)x1mnsin(mn)x]ππ=0
  1. m=n

ππsinnxsinnxdx=ππ12{cos(n+n)xcos(nn)x}dx=ππ12{cos2nx1}dx=12[12nsin2nxx]ππ=π

 

  1. まとめ

ππsinmxsinnxdx={0      (mn)π      (m=n)

 

cos同士の組み合わせ
ππcosmxcosnxdx=ππ12{cos(m+n)x+cos(mn)x}dx      (  cos(m±n)x=cosmxcosnxsinmxsinnx)

なので,

  1. mn

ππcosmxcosnxdx=ππ12{cos(m+n)x+cos(mn)x}dx=12[1m+nsin(m+n)x+1mnsin(mn)x]ππ=0
  1. m=n

ππcosnxcosnxdx=ππ12{cos(n+n)x+cos(nn)x}dx=ππ12{cos2nx+1}dx=12[12nsin2nx+x]ππ=π
  1. まとめ

ππcosmxcosnxdx={0      (mn)π      (m=n)

 

sinとcosとの組み合わせ
ππcosmxsinnxdx=ππ12{sin(m+n)xsin(mn)x}dx      (  sin(m±n)x=sinmxcosnx±cosmxsinnx)

なので,

  1. mn

ππcosmxsinnxdx=ππ12{sin(m+n)xsin(mn)x}dx=12[1m+ncos(m+n)x1mncos(mn)x]ππ=12[1m+n(cos(m+n)πcos(m+n)(π))1mn(cos(mn)πcos(mn)(π))]=0      (  cos)
  1. m=n

ππcosnxsinnxdx=ππ12{sin(n+n)xsin(nn)x}dx=ππ12{sin2nx0}dx=12[12ncos2nx]ππ=0
  1. まとめ

ππcosmxsinnxdx=0

 

上記の計算結果をまとめて記述し, 規格性, 直交性を確認
(1)ππsinmxsinnxdx={0      (mn)π      (m=n)ππcosmxcosnxdx={0      (mn)π      (m=n)ππcosmxsinnxdx=0

異なるsin,cos​​​​ 同士だと0​​​​, 同じsin,cos​​​ 同士だとπ​​​​となるので, 三角関数が規格性, 直交性を持つことが確認できた.

 

フーリエ係数 am を導出せよ

ππu(x)sinnxdx

を考える.

ππu(x)sinnxdx=ππ(m=1(amsinmx+bmcosmx)+b02)sinnxdx=ππ(m=1(amsinmxsinnx+bmcosmxsinnx)+b02sinnx)dx=m=1amππsinmxsinnxdx+m=1bmππcosmxsinnxdx+b02ππsinnxdx=(anπ+m=1  (mn)am0)+(m=1bm0)+b02(n)(cosnπcos(nπ))      (  (1))=anπ

となるので,

(2)an=1πππu(x)sinnxdx      (n=1,2,)

としてan​​が求まった.

 

フーリエ係数 bm を導出せよ

ππu(x)cosnxdx

を考える.

  1. n=1,2,

ππu(x)cosnxdx=ππ(m=1(amsinmx+bmcosmx)+b02)cosnxdx=ππ(m=1(amsinmxcosnx+bmcosmxcosnx)+b02cosnx)dx=m=1amππsinmxcosnxdx+m=1bmππcosmxcosnxdx+b02ππcosnxdx=(m=1am0)+(bnπ+m=1  (mn)bm0)+b02n(sinnπsin(nπ))      (  (1))=bnπ

となるので,

(3)bn=1πππu(x)cosnxdx      (n=1,2,)

としてbn​​が求まった.

 

  1. n=0​​

ππu(x)cos0xdx=ππu(x)dx=ππ(m=1(amsinmx+bmcosmx)+b02)dx=m=1amππsinmxdx+m=1bmππcosmxdx+b02ππdx=(m=1am0)+(m=1bm0)+b02(π(π))=b0π

としてb0​が求まった.

 

  1. まとめ

(4)bn=1πππu(x)cosnxdx      (n=0,1,2,)

 

以上より, フーリエ級数が求まった :

(5):u(x)=m=1(amsinmx+bmcosmx)+b02      (m):{am=1πππu(x)sinmxdx      (m=1,2,)bm=1πππu(x)cosmxdx      (m=0,1,2,)

 

フーリエ級数の変数の区間を [π,π] (1周期 2π) から, 1周期 T の区間 [T2,T2] に置き換えよ

フーリエ級数の変数の区間を [π,π]​​​​ (1周期 2π​​​​) から, 1周期 T​​​​ の区間 [T2,T2]​​​​​​ に置き換える場合, これは, ±π±T2という変更なので, x2πTt, dx2πTdt という変数変換に相当する.

これを, 先程求めたフーリエ級数の式 (5) に適用すると

:u(2πTt)=m=1(amsinm2πTt+bmcosm2πTt)+b02      (m)  u(t)=m=1(amsinm2πTt+bmcosm2πTt)+b02      (m):{am=1πT2T2u(2πTt)sinm2πTt2πTdt=2TT2T2u(t)sinm2πTt dt      (m=1,2,)bm=1πT2T2u(2πTt)cosm2πTt2πTdt=2TT2T2u(t)cosm2πTt dt      (m=0,1,2,)

となる. ここで, t​​ を時刻と考えれば, 2πT​​ は角振動数に対応するので 2πT=ω0​​ と置き換えれば, 上式を

(6):u(t)=m=1(amsinmω0t+bmcosmω0t)+b02      (m):{am=2TT2T2u(t)sinmω0t dt      (m=1,2,)bm=2TT2T2u(t)cosmω0t dt      (m=0,1,2,)

と書くこともできる.