タニグチ・サンデートーク「アコーディオンを語る集い」第195回
コンサーティーナconcertina 入門と試奏の会
2018年11月18日(日)13時より 会場 谷口楽器4階  講師 加藤徹
 
 ビオラやチェロが「バイオリン」ではないのと同じく、コンサーティーナは「アコーディオン」ではありません(^^;;
 ピアノ式鍵盤をもつ「ピアノ・アコーディオン」は、蛇腹楽器の家族の末っ子です。
 アコーディオンはオーストリア生まれ、コンサーティーナはイギリス生まれ。両者は、外見もコンセプト(設計思想)も対照的な器械式楽器として発明されました。
 
 下記の、蛇腹楽器の四大空間の表を見てください。1829年、ドイツ語圏生まれのアコーディオン族は@から、イギリス生まれのコンサーティーナ族はAから、それぞれ真逆のコンセプトからほぼ同時に誕生しました。
 @のコンセプトは、アマチュアが独学で和音伴奏を弾ける安直な楽器。
 いわば「うまい、安い、早い」。当初は全音階(ディアトニック)のみ。
 Aのコンセプトは、芸術音楽も弾ける楽器。
 いわば「プレミアムカジュアル」。当初から半音階(クロマチック)もOK。


 

    左右非相称
   アコーディオン系  

       左右相称
    コンサーティーナ系   

 押引異音式
ディアトニック


 

@★ディアトニック・ボタン・アコーディオン【1829墺】

 

Bジャーマン・コンサーティーナ【1834頃・独】
 バンドネオン【1847頃・独】
アングロ・コンサーティーナ【1851頃・英】

 押引同音式
クロマチック


 

Cクロマチック・ボタン・アコーディオン【1850頃・墺】
★ピアノ・アコーディオン【1850頃・墺/1880頃・伊】
 

A★イングリッシュ・コンサーティーナ【1829英】
 デュエット・コンサーティーナ【1844英】
 
 フリーベース・アコーディオンやクロマチック・バンドネオンの設計思想は、Aへの歩み寄り。
 コンサーティーナの特長は、
〇自己完結楽器・・・メロディーと和音伴奏を同時に弾けます。独奏も合奏もOK。
〇機動楽器・・・コンパクトで携帯に便利。座奏も歩奏もOK。
〇汎用楽器・・・通俗音楽も芸術音楽も、悲しい曲も楽しい曲も、弾き語りもOK。
 パーティーやピクニック、「オープンマイク」の店や、フォーク酒場でも弾けます。
cf. 四谷三丁目の喫茶店 ホメリ @homeri_yotsuya 11/19(月)夜「バンドネオン友の会」