Image Matting Based on Local Color Discrimination by SVM

[概要]

本論文では,マッティングと呼ばれる静止画中で注目している物体の切り出し処理を扱っている.マッティングでは,与えられた画像は,注目物体(前景)のみが描かれたレイヤー(前景レイヤー)とそれ以外の部分(背景)が描かれたレイヤー(背景レイヤー)の重ね合わせで表現できると仮定する.このことは,
     ci=αi fi+(1-αi)bi
と定式化できる.ここで,ci は与画像におけるピクセルiのRGB値を表す3次元ベクトルであり,fi, biはそれぞれ前景レイヤーと背景レイヤーにおけるピクセルiのRGB値を表す.そして, αiが前景レイヤーの不透明度を表すスカラー変数であり0≤αi≤1の値を取る.マッティング問題では,一枚の静止画情報(上式の左辺に相当)から上式右辺に含まれる三種類の変数のすべてを何らかの拘束の下で推定する.本手法では,従来法が苦手とする,前景および背景に類似した色が含まれている場合に対応することを目的とした.そのために,各画素の周辺情報を表現した高次元ベクトルを特徴量とし,サポートベクターマシンにより前景と背景を識別することを考えた.さらに,この識別結果を目的関数に取り込んでビリーフプロパゲーション(確率伝播法)による最小化を行うことで,従来法と比較して良好な結果を得ることができた.