リムーバブルメディアのいろいろ


■磁気テープからフロッピーディスクへ

もともとコンピュータのデータは磁気テープに保存していた。(もっと昔はパンチカードだったが。)これを円盤状にしてケースに入れたものがフロッピーディスクで、8インチ、5インチ、3.5インチと小型化してきて、今は3.5インチのもの以外はほとんど使われなくなった。しかし、文書を保存するには充分な1.4MBという容量も、マルチメディアなデータを保存するのには足りない。

■CD、MO、DVD

音楽用の媒体として磁気テープに代わって普及したCD(Compact Disc)は、コンピュータのデータを保存するのにも使われるようになった。最初はCD-ROMという形式で、すでに書き込まれたデータを読むことしかできなかったが、CD-Rのように書き込み可能なCDが普及し、データの保存に便利になった。しかしこれはデータを「焼き付ける」形式のもので、リアルタイムで書き込むのには不便だ。CD-RAMのようなものがあればよいのだが、今に至るまで商品化されていない。同じぐらいの容量ではMOというディスクがCD-RAM感覚で使える。しかしMOはCDとはディスクの大きさが異なり、ドライブがあまり普及しないまま、DVDの時代になってしまった。

DVDはCDと同じ大きさで、さらに大容量なので、動画などの保存に適している。ただし、規格が多数あって統一されていない。またDVD-RやDVD-RWなどは、やはり焼付け型の記録方式なので、リアルタイムの読み書きには不便。DVD-RAMは大容量フロッピーディスクの感覚で使えるが、便利な割にはあまり普及していない。

さらに大容量のディスクとして、BD(Blu-ray Disc)とHD-DVDが開発されたが、これも規格が統一されていない。高画質映像の録画用途が主で、コンピュータのデータ保存用としてはまだほとんど使われていないが、今後の展開には注目したい。

■メモリーカード

デジタルカメラのフィルム代わりとして、いろいろなメモリーカードが出回っている。ディスクよりも高価だが、ずっと小型で大きなドライブも不要な上、読み書き速度も速いので、パソコンのデータ保存用にも活用できる。ただしデジカメやパソコンのメーカーによってたくさんの種類があって統一されていない。

メモリースティックはSONY系で、その小型版としてメモリースティックDuoがある。デジカメ以外にもいろいろな機械で使えるが、ほとんどSONY製品でしか使えない。マルチメディアカードから進化した松下系のSDカード(Secure Digital Memory Card) は小型版のminiSDとともに、デジカメだけでなくいろいろな分野で普及している。

CF (Compact Flash) は大きめだが大型のデジカメにはよく採用されている。また東芝系のスマートメディアは富士やオリンパスのカメラで採用された規格で、xDピクチャーカードに進化し大容量になった。ただし、これらのカードはデジカメ以外ではあまり使われていない。

デジカメとパソコンの両方で読み取れるカードが使えれば一番便利だが、USBポートにつないでカードを読み取るアダプタを使えばどんなカードでも読み取れる。もっとも、デジカメのフィルムということから離れてコンピュータのデータ保存用だけとして考えた場合は、多少かさばるがUSBフラッシュメモリのほうが互換性が高い。

※外付けハードディスクも小型化しつつある

大量の動画などを保存する場合、現状でもっともコストが安いのは外付けのハードディスクを使うことだろう。ただしハードディスクは衝撃に弱いので取り扱いには注意。
































→参考ページ:小型半導体メモリ対決(DVD-Access)
(2004/2548-09-16 更新 蛭川 立