ビデオ映像のキャプチャ
はじめに
▼ノンリニア編集のためには、まず撮影された動画データをコンピュータに読み込み、動画編集用アプリケーションで処理できる状態にしなければならない。
▼その方法は、動画が記録されたメディアによってさまざま。現在もっとも標準的なのはデジタルビデオ(DV)テープから読み取る方法だが、最近はテープを使わない記録方法も普及しつつある。
記録メディア別キャプチャ方法
1 ビデオテープからのキャプチャ
▼まず、パソコンのほうでビデオ信号をキャプチャするアプリケーションを起動させる。
▼動画編集ソフトからでもキャプチャはできるが、実際には動画編集ソフトから外部のキャプチャ専用ソフトを呼び出して使っていることも多い。
1−1 アナログビデオテープからのキャプチャ
1−1−1 コンピュータ側にアナログ信号入力端子がある場合
▼Hi-8などの8ミリビデオで撮影された映像やVHSなどに録画された映像をキャプチャする場合は、アナログ映像信号の(赤白黄色の)ビデオケーブルでデッキとコンピュータのアナログ入力端子を接続し、あらかじめ選んでおいた必要な部分(の前後)を再生しながらキャプチャ用のアプリケーションでその部分を取り込んでいく。
▼8ミリ系のアナログビデオはここ数年で急に使われなくなってきたため、それを再生するためのデッキもなかなか使えなくなってきているのが現状だが、撮影用のカメラ自体が再生機としても使える。テープに記録された磁気データも十年以上経つと劣化いしていくので、もうあまり使われなくなった形式だからこそ、撮影されたテープがあれば早めにデジタル化しておいたほうがいい。
1−1−2 コンピュータ側にアナログ信号入力端子がない場合
▼コンピュータ側にアナログ映像信号を入力できる赤白黄色のポートと、アナログ信号をデジタル信号に変換する機能(A/Dコンバータ)が装備されていない場合、そのような機能を持ったボードをパソコンに増設する必要がある。
▼もっとも、アナログテープに録画された映像をいったんDVテープにコピーすればわざわざボードを増設する手続きは省ける。(画質はアナログのままで、むしろコピーによって若干低下するが。)
1−2 デジタルビデオテープからのキャプチャ
1−2−1 コンピュータ側にDV (IEEE1394) 端子がある場合
▼これが現在もっとも普通に使われている方法である
▼コンピュータとデジタルビデオデッキ(またはカメラ)をDV (iLINK) ケーブルでつなぎ、あとは編集用ソフトがわから自動的に操作して必要な部分の映像データを取り込むことができるのがこの方式の長所。
1−2−2 コンピュータ側にUSB入力しかない場合
▼コンピュータとデジタルビデオデッキまたはカメラをDV-USB変換ケーブルで接続し、専用のキャプチャ用ソフトで取り込む。
▼逆に最近ではデジタルビデオカメラのほうがUSBケーブルでコンピュータに接続できるようになってきている。
2 映像データがすでにコンピュータで読み取れるデータ形式でメモリに入っている場合
2−1 デジカメや携帯電話の内部メモリに入っている場合
▼直接カードなどのリムーバブルメディアに保存して取り出せない場合は、USBなどのケーブルでコンピュータに接続してファイルを転送するか、携帯電話の場合、映像ファイルを添付ファイルにして自分自身のパソコン用メールアドレスに送るとパソコン上で開くことができる。
2−2 デジカメや携帯電話のメモリーカードに入っている場合
▼すでにメモリーカードなどにコンピュータ用のデータ形式(*.avi, *.movなど)で保存されている場合は、そのまま編集ソフトで読み込んでノンリニア編集に入れる。どの形式のファイルが読み取れるかは編集用アプリケーションの種類による。たとえばWindowsムービーメーカーはQuickTime形式のファイルを読み込むことができない。
▼ただし、カードを読み取るためにはふつうコンピュータのUSBポートに差し込んで読み取るための装置を介する必要がある。
▼とくに携帯電話で撮った動画など、カードに保存されているデータが編集用のアプリケーションで読めない場合は、ファイル変換ソフトでいったんファイル形式を変換する必要がある。AppleのQuickTime Pro(有料)は多数のファイル形式に対応しており、ファイル形式変換ソフトとしても使える。
※なお、静止画や音声だけのファイルも、だいたいの形式で保存されたものは動画編集用ソフトに読みこんで活用できる。
キャプチャ時のコマ落ち対策
▼コンピュータの処理速度や転送速度が遅いと、キャプチャ中に映像のコマの取りこぼし、「コマ落ち」が発生することがある。(ただし、表示の方法によっては見かけ上コマ落ちが起こっているように見えるだけのこともある。)
▼コマ落ちを防ぐためにはいくつかの方法がある。
・使用できるメモリ(RAM)の容量を増やす
・保存するディスクの断片化(デフラグ)を修復する
・ウィルスチェックソフトなどの、バックグラウンドで常駐して動いているソフトを一時的に止める
・DMA (Direct Memory Access) つまり入力データをCPUを介さずに直接ディスクに転送する方式を有効にする
等々。
▼ハイビジョンではない動画の標準サイズは720×480ないし640×480だが、WEBサイトに小さな画像でアップする目的などの場合は最初からキャプチャする画像サイズを小さくする、一秒間のフレームレートを1/15程度に落とすという方法もある。
















































































Apple QuickTime(日本語)















Windows XP & Adobe Premiere Pro を使用する場合のシステム最適化の詳細
(2548/2005-10-12 修正/文:蛭川立)