理工学部 物理学科 量子固体物性研究室



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私たちの身の回りにある物質は、周期律表に載っているたった数十種類の元素から構成されているにも関わらず、無限と言っても良いほどの多くの種類の物質があり、豊富で多様な性質を示します。例えば、鉄は磁石にくっつきますが、アルミは磁石にくっつきません。シリコンは電気を流しませんが、シリコン原子の一部をリン原子に置き換えると電気を流すようになります。このような固体における多様な性質の原理を理解する学問が固体物性物理学です。これらの物性を理解する鍵は、cm3あたり約1023個もの膨大な数の原子が集まることで性質の違いが現れるということです。特に、集まった原子が集団で動いたり、原子の集団の中を電子が駆けめぐったり、原子がもつ微小な磁石(スピン)の向きが集団で整列したり、といった集団現象が起きると、固体の電気的性質や磁気的性質などが劇的に変化し、より奇妙で面白い物性現象を見せることがあります。

量子固体物性研究室では固体の中でもセラミックの一種である金属酸化物の可能性に注目し、電気的性質や磁気的性質に絡んだ現象を中心に、今までに無い特異な物性を示す面白い物質を探索しています。金属酸化物とは、チタン・鉄・コバルト・ニッケル・銅などの遷移金属元素を含む化合物を空気中で加熱し酸化させたものです。セラミックといえば、電気を流さない絶縁体で脆くて固い物質を連想するかもしれませんが、金属酸化物の中には、電気を流すものや、磁石にくっつくもの、電気を溜めて強誘電性を示すものもあり多様な性質を示します。史上最も高い温度で超伝導(電気抵抗ゼロで電流を流す)を示す物質はセラミックの
つです。また、最近世界中で開発競争が起きているリチウムイオン電池もセラミックのつです。このようにセラミックの中にはまだまだ特異な面白い物性が眠っていると信じて日々研究しています。
具体的な実験手法としては、次の本柱を有機的に連動させて研究を進めています。

 @粉末試薬を混ぜて電気炉で加熱し未知のセラミックを合成します。必
  要に応じて単結晶も合成します。
 A合成した試料の低温下や高温下での電気特性・磁性・誘電特性・熱特
  性等を測定して、新奇で面白い物性を示すものがあるか調べます。
 B面白い物性を示す試料を発見した際には、中性子線やエックス線とい
  った放射線を利用した実験により、さらに詳しくその試料の物性を調
  べます。

エックス線レントゲンを使えば体を傷つけることなく体内の様子が分かるように、試料に中性子線やエックス線を照射して散乱される様子を調べれば、原子の動きや原子配列、さらにはスピンの配列といった物質内部の様子を知ることが出来ます。この原子レベルの情報を利用して、発見した新しい物性現象のメカニズムを解明していきます。


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