●3年生までどうしているか 

  取り扱い注意 
  (覚悟のある人向け)

 卒論ゼミを決めるのは、3年生の後半、11月あたりなのですが、もし、
 早くに国語学(日本語学)に目覚め、4年になったら国語学ゼミだ、とも
 う決めている人は、どうしていたらいいのでしょうか。

 まず、どのような科目を取っておけばいいかというと、
  国語学T
  国語学各説T
  日本文学演習(2年向け、国語学系の教員のもの)
  国語学U
  国語学各説U
  日本文学演習(3・4年向け、国語学系の教員のもの)
  言語学
 と、これらは当然押さえておきたいところです。そして、もう一つ大切な
 ことは、同じ科目をもう一度取るということです。例えば、国語学各説U
 を3年生の時に取ったら、4年生の時にも、もう一度取ります。先生も、
 毎年同じことをやりはしませんので、「単位」にはならないかもしれませ
 んが、このことによって、自分の知識を大幅に拡充することができます。
 時間割の都合や、いろいろな都合があって、簡単には実行できないか
 もしれませんが、心に留めておいてほしいことがらです。

 これは、渡辺実先生(高名な国語学者)から伺ったことなのですが、渡辺
 先生は、学生時代、池上禎造先生(この先生もまた、上代特殊仮名遣の
 音節結合の法則を大学院生の時に発見したことで有名)の授業を、1・2
 ・3年の3回取ったそうです。「一年目は、なにがなんだかわからなかった。
 二年目は、先生のおっしゃることはこういうことかな、と推測がつくように
 なった。三年目は、こういう展開なら、この先、先生はこのようなことをお
 っしゃるのではないかと、予想して、当たるようになった」―ただ、知識を
 多くするためだけでなく、主体的に参加していることが大切です(これは、
 どの授業でも同じでしょうが)。

 これ以外にも、
  英語学概論
  英語音声学
  仏語学概論
 など、語学系の教員の授業を取るのもいいと思います(フリ逃げ:とる
 フリして逃げる^^;; にならないように覚悟を決める必要はありますが)。
 ちなみに、英語学系の教員は、専任教員では、清水あつ子先生、石井
 透先生、久保田俊彦先生、仏語学系の教員は、杉山利恵子先生の諸
 先生方です。この先生方は、ご自分の語学はもちろん、日本語にも造
 詣と関心の深い先生方ですから、日本語を語学的に専攻したくて受講
 していますと言えば、ご自分の専門の語学と関連づけて、講義でもいろ
 いろと話を振ってくれたりするはずです。

 また、1・2年生あたりで取る国語学の教員に、勇気を出して話しかけ
 どのような勉強をすればいいかアドバイスをもらうのもいいでしょう。漠
 然とでかまわないから、こんなことをしてみたいんですがどうでしょうか
 と尋ねれば、親切に教え導いて下さるはずです。

 また、
  新書レベルの日本語に関する本は、かたっぱしから読んでいく、
  『月刊言語』を読む(日本語に関するもののときには、手に入れておく)、
  『日本語学』を読む(興味のある特集は、手に入れておく)、
  図書館の国語学関係の本をかたっぱしから読んでいく、
 などということをしてしまいますと、もう後戻りできなくなりますのでご注
 意を^^;; (てか、私は、そうしてしまいました)

 それから、国語学および言語学の古典といわれるものを読むのもいい
 でしょう。例えば、
  ソシュール(小林英夫訳)『一般言語学講義』(岩波書店)
  橋本進吉『国語学概論』(岩波書店)
  時枝誠記『国語学原論』(岩波書店)
  山田孝雄『日本文法論』(宝文館);ただし、1500頁あるので挫折注意
 など。
 
 気が向いたら、国語学・言語学関係のシリーズもの、
  岩波講座 日本語
  日本の言語学
 などで、論文を拾い読みするのもいいでしょう。

 というわけで、早くからやる気のある人については、いくらでもやることが
 待っています。自分でやれることはたくさんあるわけです。

 とはいえ、これは、もっと早くからどうすればいいのか教えてもらっておきた
 かったという人のためのものです。ですから、とりあえずは、最低限必要な
 科目を取っておいてもらいたいと思いますし、ただ本を読んでいるだけでは
 あまり魅力がないので、サークルに、恋に、友情に(ちと書いて照れます^^;;)、
 思う存分大学生活を楽しんで(遊びほうけるという意味じゃないですよ)いて
 欲しいのです。