●卒論提出時のトラブル

 卒論がいよいよでき上がろうとしている、あるいはでき上がったからとい
って油断してはなりません。まだまだ、色々なトラブルが待ち受けています。
以下、実際に見聞きしたものについて、具体的な事例とその対処の仕方を
述べてみます。今年度については、すでに遅いのかもしれませんが、これか
ら書こうとする人は、ぜひ心に留めておいてほしいものです。

1.卒論の最終仕上げ段階でのトラブル

 1)フロッピーディスクに保存しておいたファイルが消えてしまった
 卒論のファイルをフロッピーディスクに保存しておいたところ、最新のもので
あったはずなのに、なぜかなくなってしまっている、などということがあります。
これは、例えば、フロッピーディスクの中にバックアップファイルが溜まりすぎ
て更新ができなくなったので、それを整理しようとして削除をしているうちに、
なんらかのはずみで最新版を削除してしまった、などという場合が考えられま
す。また、フロッピーディスク間で複製を作ろうとして、誤って古いディスク→新
しいディスクの方向でコピーをしてしまったなどという場合もありえます。
 せっぱ詰まった時期の、もうろうとした意識では何が起こっても不思議では
ありません。
 これは、卒論のファイル自体はコンピュータのハードディスク上に置いてお
き、更新もそこで行ない、バックアップをフロッピーディスク
(あるいはCD−RW
かMOなど)にとり、その逆を絶対にしないという習慣をつければかなり防げる
はずです。この場合、その日に更新したものは、必ずその日にバックアップを
とっておく、ということにします(しかし、実際は、悲しいかな人間。明日とろうと
思っていたら、本体自体がいかれてしまった、などということもありえます)。
 フロッピーディスクは、卒論の大きさぐらいは充分入る容量があるのですが、
エクセルの表などをたくさん詰め込むと、そのバックアップファイルとで倍の量
となって、全体を圧迫するのです。

 2)印刷しようとしたらプリンタが壊れてしまった
 これも、よく聞くトラブルです。インクジェット式のプリンタは、インクカセット
の部分が左右に行ったり来たりして印字を行ないます。かなり丈夫なもの
のはずなのですが、卒論の下書きの時に印字したり、表(ひょう)を印字した
りして、清書を印字するときまでには、かなりの酷使状態になっています。
 人間も疲れはてていますが、機械も疲れはてているわけです。
 そして、その最後の限界がいつ来るのかを予測することはできません。午
後2時30分過ぎに最終印刷にかかったその時なのかもしれないのです。し
かし、その時に壊れてしまったら大変です。フロッピーディスクには論文が入
っているのに、プリントアウトされていないということで卒論が受理されないの
は、本人にとって切なく情けなく、保護者のかたには納得いかない(出来て
いるじゃないか、と言われたりします)こととは思いますが、やはり、プリントア
ウトしたものを提出して初めて、卒論を提出したことになります

 さて、この対処の仕方はどうなりましょうか。プリンタを念のため2台買って
おくなどというのは、あまりにもったいなさすぎます。これは、やはり、時間の
余裕を見て印字する
ということに尽きると思います。
 つまり、例えば、10日締め切りであれば、9日には印刷するスケジュールで
作成するというものです(現に、9日に印刷してプリンタが壊れたけれども、父
親が帰宅するのを待って直してもらってことなきを得た、という実例もあります。
これはあるいは、OSとの相性が一時悪くなっただけだったのかもしれません
が)。
 あるいは、友人のところで印字してもらう(その際は、ソフトが一致している
必要がありますが)、情報センターに泣きつく、などという手もあります。最後
まであきらめずに手段を講じることが肝要です。

2.卒論提出段階でのトラブル

 1)前日または当日にひどい高熱が出て動けなくなった
 卒論締め切り間際は、体力も落ちています。ちょっとした油断で風邪を引き
高熱が出て動けなくなる、などという事態も予測されます(というか現にありま
した)。前日ならば、保護者、友人(卒論執筆中でない)などに連絡を取って
病院に連れていってもらう、夜中ならば、やはり保護者や友人に来てもらう
などという手段を講じます。少々遠くても、子供の前途がかかっているわけで
すから、1日ぐらい休んで来てくれるはずです。当日であれば、即、大学の事
務に連絡して、善後策を聞きます。代理提出は認めないという場合もありま
すが、なんらかの措置を考えてくれるはずです(延長はもちろん認められな
いはずですが)。

 2)交通機関がストップした
 事故その他によって、電車が止まってしまうという事態も考えられます。駅
に近い大学は、電車がもっとも確実な交通手段なのですが(タクシーで来る
と速いような気がしても、交通渋滞その他のことを考えると、やはり電車がい
いでしょう)、事故がおこると大変です。
 この場合も、複数の電車の経路を考えておく必要があります。提出のときに
もし、自分がいつも使っている電車が使えなくなって、迂回の路線を使うとす
るとどれぐらい余分にかかるのか
を考えておきます。最近、「失敗学」という学
問分野が出て来ているそうなのですが、まさに、成功の場合だけを考えるの
ではなく、失敗の場合をシミュレートして、対応策を考えておく必要があります。

以上のことに対する最大の対応策は、時間に余裕を持つ
ということなのです。