●最終的な章立てを決める

 分析をしながら、最終的な章立てのことを常に考えるようにします。当初の予定
 の章立てでいいか、それとも別の章立てを考えるか、です。

 といっても、基本的な、

  序 章  研究の目的と方法
       第1節 目的
       第2節 方法
       第3節 先行・関連研究
       第4節 資料
   第1章 〜の分析
       第1節 〜について
       第2節 〜について
       第n節 本章のまとめ
   第2章 〜の分析
   終 章
       第1節 結論
       第2節 残された課題


 という形はくずれません。ここでは、序章と終章を除いた部分の章と節の組みか
 たを考えるわけです。例えば、全体的なテーマが、「あいさつ言葉の変遷―近世
 から現代まで―」
というものだとします。当初は、出合い・別れ・感謝・謝罪のあい
 さつ言葉を、近世前期・近世後期・近代・現代の各時代ごとにまとめ
ようとしたとし
 ます。そうするとごく自然な組みかたは、
   第1章 近世前期のあいさつ言葉
       第1節 出合い
       第2節 別れ
       第3節 感謝
       第4節 謝罪
       第5節 本章のまとめ
   第2章 近世後期のあいさつ言葉
       第1節 出合い
       第2節 別れ
       第3節 感謝
       第4節 謝罪
       第5節 本章のまとめ
   第3章 近代のあいさつ言葉
       第1節 出合い
       第2節 別れ
       第3節 感謝
       第4節 謝罪
       第5節 本章のまとめ
   第4章 現代のあいさつ言葉
       第1節 出合い
       第2節 別れ
       第3節 感謝
       第4節 謝罪
       第5節 本章のまとめ
 となりますが、着実に書けそうな半面、なんとなくやぼったい感じがしないでもあ
 りません。また、この組みかたですと各章の最後の「本章のまとめ」がしづらい、
 という感もあります。そこで、章と節の関係をひっくりかえしてみます。そうすると、
   第1章 出合いのあいさつ言葉
      第1節 近世前期
      第2節 近世後期
      第3節 近代
      第4節 現代
      第5節 本章のまとめ
   第2章 別れのあいさつ言葉
      第1節 近世前期
      第2節 近世後期
      第3節 近代
      第4節 現代
      第5節 本章のまとめ [以下略]

 というようになります。これだと、あいさつのカテゴリーごとに時代を追った分析がで
 き各章の最終節で、その変遷を図のようなかたちにまとめてたどることもできそうで
 す。また、さらに、データの出方によっては、当初立てていた1章に満たないような
 場合もでてきます。その時には、関連性のあるものを一つの章にまとめるというこ
 とも考えます。例えば、「出合い」と「別れ」を一つにまとめて、
    第1章 出合いと別れのあいさつ言葉
       第1節 近世前期
           (1)出合い
           (2)別れ
       第2節 近世後期
           (1)出合い
           (2)別れ [以下略]

 のように組んでみるか、
    第1章 出合いと別れのあいさつ言葉
       第1節 出合い
          (1)近世前期
          (2)近世後期
          (3)近代
          (4)現代 [以下略]

 のように組んでみるかなどということを検討します。さらに、「謝罪」と「感謝」も一つに
 して、
    第2章 謝罪と感謝のあいさつ言葉
       第1節 謝罪

          (1)近世前期
          (2)近世後期
          (3)近代
          (4)現代 [以下略]

 となると、全体的にすっきりする感じです。2章2節4項の形式ということになります。
 これで、例えば各項5枚ずつだとして、1節20枚で各章40枚、2章だから80枚、序
 章と終章あわせて10枚とすると、全体で90枚ぐらいのものになりましょう(実際は、
 多分実例などが入って、もっとボリュームが出ると思いますが)。

 章立てがすっきりしないと思えるようだったら、章と節の関係を逆転させる手は考え
 られないか、という発想でやってみてください。