●最終稿までのスケジュールを考える

 草稿を書きはじめる前に、最終稿・提出までのスケジュールを考えます。提出
 日のことを考えて、そこから逆算することになります。

 例えば、提出日が1月9日・10日だとします。最終日の3時半には提出しなけ
 ればなりませんが、まさか、この時間にぎりぎりすべりこむことを狙ったスケジ
 ュールを立てるひとはいないでしょう。とすれば、当然、10日のお昼過ぎには
 提出できるようなスケジュールになります。いや、安全のためには、9日にもう
 出してしまうのがべストでしょう。そこで、ここでは、9日に出すという前提のス
 ケジュールを組んでみます(そのように作っておけば、1日後にずれても、まだ
 取り返しがつきます)。

 まず、自分の論文の枚数を考えてみましょう。400字詰原稿用紙に換算して50
 枚以上が規定ですが、これも、80枚ぐらいのところで考えてみましょう。これを、
 ワープロソフトを使用して、1頁40字×30行で打ち出すとして、全体の頁数は
 27頁程度になります。なんだ、楽勝だと思ってはなりません。これはこれでや
 はり骨です。最後の仕上げに1週間はまるまるかかると考えておく必要があり
 ます。

 そうすると、草稿を最後までとりあえず書ききるのは、遅くとも1月2日ということ
 になります。この日まで、全体が揃っている必要があるわけです。

 80枚の草稿を書くにはどれぐらいかかるでしょう? これも、毎日卒論だけにか
 かっていられるというわけにはいきませんから、やはり1月は見ておく必要があ
 ります。用事が入って何もできない日、風邪をひいたりして体調を崩して何もで
 きない日などでてきます(毎日卒論を書くぞなどと、根拠のない楽観的な決意で
 厳しい追い込み状態になった学生を何人見たことでしょう)。すると、草稿の執筆
 開始は11月始めということになります。

 そうすると、この11月始めまでにはデータの分析は終わっている必要がありま
 す。11月始めごろ、「まだアンケート回収を待っています」といってくる学生が時
 にいたりしますが、このスケジュールから見て、いかに遅れた状態かを自覚しな
 ければなりません(まあ、初めて書くから、分からないのですよね)。

 データの分析に2月はかかるとすれば、9月始めからデータ分析にかかる必要
 があります。とすれば、9月始めにはデータが揃っている必要があります。

 以上が、比較的余裕のあるスケジュールでしょう。これは別に威そうとかの意図
 で書いたわけではありません。意外に時間はきちきちに詰まっているのだ、あま
 りのんびりともできないのだ(「のんべんだらり」は論外ですが)と、改めて認識し
 て下さい。そして、これを頭に入れながら、現在の自分の状況と比較して、ペース
 を作っていってもらいたいと思います。